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スターバックスから学ぶファッション業界のサステナビリティ推進のヒント

PR TIMES / 2024年11月8日 14時15分

JASPAがサステナビリティ勉強会兼交流会を開催



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写真左より:向 千鶴氏、関 龍彦氏、水口 貴文氏、山内秀樹

ワールド・モード・ホールディングス株式会社(以下WMH / 本社: 東京都渋谷区、代表取締役: 加福真介)が理事企業として運営に携わっている一般社団法人日本プロフェッショナル販売員協会(JASPA)は、2024年10月24日(木)、サステナビリティ勉強会兼交流会「スターバックスに学び、サステナビリティで繋がる」をオフラインとオンラインで開催。様々な企業から総勢200名近くの皆様が参加されました。
【開催趣旨】
日本プロフェッショナル販売協会(JASPA)は、販売員の社会的地位向上を目的として、国内外のファッション・時計宝飾・コスメブランド、国内百貨店の主要企業約70社が参画し、資格制度やセミナーの開催など販売職の長期的なキャリア形成をサポートする活動を推進しています。また、会員企業を中心に、業界を取り巻く様々な課題解決へのヒントを見出していただくための講演やセミナーを実施しています。
https://jasp-association.jp/



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清水 洋延 JASPA事務局長

ファッション産業におけるサステナビリティの取り組みはモノづくりの方で先行しており、店頭における表現や販売員の接客に役立つ知識のインプットなどは、多くの企業がその進め方を思案しています。
そこで、業界の枠を超えてサステナビリティへの取り組みが進んでいる企業からヒントを得ることを目的に、2024年10月24日(木)、JASPA理事企業である株式会社オンワードホールディングスの本社ホールにて、サステナビリティ勉強会兼交流会「スターバックスに学び、サステナビリティで繋がる」をJASPA主催により開催。スターバックスコーヒージャパン株式会社代表取締役最高経営責任者(CEO)の水口貴文氏にお話を伺いながら、FRaU編集長 関龍彦氏、WWDJAPANサステナビリティ・ディレクター/ WMHサステナビリティ・アドバイザー 向千鶴氏を交え、WMHサステナビリティ顧問 山内秀樹の進行により活気あふれるディスカッションが展開されました。

オフラインおよびオンラインにて開催した勉強会には、ラグジュアリー、ファッション、ビューティー、百貨店を中心とする様々な企業から総勢200人近くの方々が参加。講演後には交流会を実施し、情報共有や意見交換を通して、業界一丸となってサステナビリティを推進すべく参加者や登壇者が繋がりを深めました。

JASPAサステナビリティ勉強会「スターバックスに学び、サステナビリティで繋がる」
登壇者
■スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社 代表取締役最高経営責任者(CEO) 水口 貴文
■講談社『FRaU』編集長 兼 プロデューサー 関 龍彦
■WWDJAPANサステナビリティ・ディレクター /
 ワールド・モード・ホールディングス株式会社 サステナビリティ・アドバイザー 向 千鶴
ファシリテーター
■早稲田大学非常勤講師 / ワールド・モード・ホールディングス株式会社 サステナビリティ顧問 山内 秀樹

JASPAの清水洋延 事務局長のオープニング挨拶、 エマニュエル・プラット 代表理事のビデオメッセージに続き、勉強会がスタート。勉強会の前半では、水口氏がスターバックスコーヒージャパンでの取り組みを紹介。後半には、様々なテーマを挙げ、登壇者がディスカッションを展開しました。
エマニュエル・プラット JASPA代表理事
メッセージ
“責任ある持続可能なファッション”は、業界を再編成する大きなコンセプトで。環境、社会、経済への悪影響を最小限に抑えることを目指しています。消費者の意識の高まりとともに、ブランドには今、持続可能性、倫理的実践、透明性が求められています。スターバックスコーヒージャパンのリーダーとして、多くの持続可能な開発のイニシアティブを取り、ファッション業界とは異なる視点を持つ水口氏のお話を伺うのは大変興味深いです。



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【ゲスト講演:スターバックスが目指す成長とは】
- スターバックスとパートナーたちとのつながり

スターバックスは社会的な良心と企業の継続的な成長の両立を目指している。中心にいるのは、“パートナー”と呼んでいる、スターバックスの体験を届ける従業員たち(店舗およびサポートセンター(本社))。座学や対話を通してMISSION(パーパス)やVALUES(行動指針)などスターバックスが大切にしていることを共有し、パートナー個人が大切にしているものとの接点を見つけて目標を設定している。そうすることで目標自体が自分事化し、結果的に会社への貢献や個々の成長に繋がる。何をやるかよりも、“何のためにやっているか”“どんな価値を大切にしているか”をきちんとシェアすることで、各々が自発的な判断ができる。


[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/10360/252/10360-252-328267e80ffc28bfcc5df666aef914c2-2601x2081.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
スターバックス コーヒー ジャパン(株)        代表取締役最高経営責任者(CEO) 水口 貴文氏

カフェにはチームワークとコミュニケーションが大切。また自発的に動くオーナーシップを賞賛する。これは企業組織にも共通すると思う。
お客様のことを察し、寄り添い、応えることで繋がりが生まれる。接客のマニュアルは無く、個性を出して自分なりに繋がることを尊重している。上手くいかないこともあるが、そこを許容しないと個性を出すことはできない。

- 共感やオーナーシップから生まれる、ポジティブな循環への取り組み

サステナビリティの推進は、他店舗の取り組みに共感して一緒にやるという感じで進んでいる。使い捨てカップから切り替える試みを一部の店舗で実施した際には、洗い物などパートナーの負担が増えるものの実施店舗の90%が推奨し、他店舗にも広がった。環境負荷が低いグリーナーストア日本1号店(皇居外苑 和田倉噴水公園店)では、他店舗の店長が学びに来る店長留学を、店長主導で実施している。
ベストプラクティスのシェアが自然になっており、また役割や領域を越えて周囲の成功に貢献するという考え方を大切にしていることからも、自然発生的に取り組みが始まる環境形成に繋がっている。

- 地域と繋がる活動の推進

建物や地元の素材を生かすなど地域の方々が地元に誇りを感じるような店づくりと、店舗主導で地域と繋がる活動を推進している。館山店では74歳のパートナーの発案で始めたラジオ体操に多くの方々が集い、自然発生的にコミュニティが形成された。各々が考えて動くとお客様の反応を見ることができて行動が強化される。また、豆カスの活用に取り組んでいるが、藤沢の店舗では地元の高校生たちと農家と協業してこのたい肥で野菜を作り、給食に出すプロジェクトを実施。会社が大きなループを、地域が小さなループを作っている。
サステナビリティはビジネスの中に組み込むことが、継続できる一番サステナブルな方法だと思う。そして多くの仲間たちと取り組み、影響する範囲を広げていくようにしている。働く人、お客様、そして地域の方々から共感されることが、結果的には末長いビジネスに繋がる。この“意味のある成長”を目指して取り組んでいる。
【トークセッション】
サステナビリティの取り組みにおいて、本社と店舗の温度差はどうやって埋めたらよいのか?

水口氏:
“何でやるのか”をきちんと伝えること、レイヤーに関わらずどうすれば間に入る人たちがお店に伝えやすくなるかをとても意識している。組織には様々な考え方があるので温度差は出るが、頑張っている部分をフィーチャーし賞賛することで、広がっていくこともある。知ることからスタートするのも良いと思う。店舗から出るミルクパックをリサイクルしているが、ナプキンや名刺などへと循環するのを見ると、理解と実感に繋がる。
関氏:
この温度差問題にはどこも苦しんでいる。上手く会社全体、企業組織全体の温度を整える人の役割が重要。また、言われたから仕方なくやる、普段の生活では全然違うことをするのでは結局は長続きしないしお客様にも届かない。実行する自分に納得し楽しんでる人が、上手に取り組めているように思う。




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講談社 「FRaU」編集長 兼プロデューサー 関 龍彦氏

向氏:
サスナビリティは“教える”“伝える”“意識を変える”みたいな会話になりがちだが、そうではないと思う。ポリシーや指針が入っていることは重要だが、「やらなくてはいけない」と上から力で行くのではなく、生活者のことを一番知っている店舗の方々の声を聞き、社の方針との共通項を探すことから始めると早く先に進むのではないか。


顧客のサステナビリティに対する意識がそれほど高くない場合、どのように接すればよいか?
店舗スタッフは何を事前に準備すればよいのか?

水口氏:
楽しいことや美味しいことがとても大切で、それをパートナーがサポートするというやり方をするとリアリティや広がりがある。プラントベースのフードを発売した時、表示を強調してもあまり売れなかったが、美味しく改良したことで伸びていった。
向氏:
ファッションの場合、サステナビリティという言葉を使わずにいかにその価値を伝えるかが店頭の役割になっていくと思う。 “似合いますよ”“お得ですよ”などに変わるワクワクするポイントや価値を言葉で伝える。例えばリサイクル素材など新しい技術が可能にする“新しさ”、もしくは自然環境や労働者の働く環境に負荷が少ないオーガニックコットンを選ぶ心理的な心地良さなど、販売員自身が心から共感することを言葉にして伝えると、サスナビリティに対する意識の高さ、低さに関係なく洋服の新しい魅力としてよく伝わると思う。


[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/10360/252/10360-252-6ed57090a3d3e0e14b98d8cb2c6bdf10-974x779.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
WWDJAPANサステナビリティ・ディレクターWMHサステナビリティ・アドバイザー 向 千鶴 氏

関氏:
ファッション産業は環境に負荷をかけているので、気づかなければいけないこともある。販売員の方々は、今後の日本の意識を変える上で、とても大事な役割を担っている。何を基準としてお客様に伝えていけばいいかを模索することが必要な時期なのだと思う。

パーパス経営において、企業やブランドのビジネス上の成長だけでなく、働く社員、パートナー、およびお客様からの共感を得て、意義のある成長を成し遂げるためには、どうすればよいか?

水口氏:
パーパスは掲げていれば皆がやってくれるものではない。MISSIONに沿った意思決定、VALUESに沿った行動をしているかが非常に注目されている。普段の意思決定や行動で間違えることもあるが、しっかり向き合うことが大切であり、それが経営者の仕事。結局、自分たちのMISSIONをどれだけ信じられるかが勝負。また、日々の中で自分たちの行動によりこういう変化が起こると体感することがとても大切だと思う。

企業・ブランドのサステナビリティの取り組みにおける店舗の役割とは?

向氏:
リアル店舗は地域の価値を吸収して本社に伝えていくことが一番大きな役割。抱えている課題や、ファッション×サッショナビリティをこの地域ならどう実施できるかを理解して伝えてほしい。その中にサステナビリティに繋がることがきっとあるはず。サステナブルな素材を使っていても、洋服の見た目は今までとそれほど変わらない。店舗がメディアとなって受発信してほしい。

関氏:
消費者がブランドから直接にポリシーを聞いたり、逆にブランドが消費者と直接話をする機会もなかなか無い。両社の間にいて架け橋となる重要な役割を担うのが、店舗や販売員の方々の重要な役割。

水口氏:
会社が全員で取り組もうとしていることを全員でやる、というのがキーとなる。サステナビリティがなぜ必要なのか、なぜこんなに議論されているのか。話をして、目の前のできることをシェアすることが大事。スターバックスでは、やろうとしていることに対して店舗からフィードバックをもらうことを重視している。ひとつずつ解決しない限りはアクションの大きなウェーブにはならない。真摯にフィードバックを受け取り、少しずつ良くしていくサイクルを作る。そうすれば必ず皆が参加してきて一つのチームになっていくので、この循環を繰り返していく。なぜやるのか、本当にこのままで良いのか。企業としての投げかけはもちろんだが、自分が本当にリアルに思ってることは伝わる。それが実はとても大事なのではないかと思う。

登壇者プロフィール:

スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社 代表取締役最高経営責任者(CEO) 水口 貴文
1989年 上智大学法学部卒業、イタリア ボッコーニ大学経営学修士課程修了(MBA)。
プライス ウォーターハウス コンサルティングを経て、2001年 LVJグループ ルイ・ヴィトンジャパンカンパニー入社。
2010年 同社ロエベ ジャパンカンパニー プレジデント&CEO。
2014年 スターバックスコーヒー ジャパン入社、最高執行責任者(COO)に就任。2016年より現職。

関 龍彦 / 講談社 『FRaU』編集長 兼 プロデューサー
1987年 株式会社 講談社入社。『ViVi』『FRaU』の編集者を経て、1997年日本初のビューティ専門誌『VOCE』創刊メンバーに。2004年より6年間同誌編集長。ʼ09年にはVOCEのTV版『BeauTV~VOCE』(テレビ朝日)をスタート。2010年より4年間『FRaU』編集長、現在『FRaU』編集長 兼 プロデューサー。2018年12月発売『FRaU SDGs 世界を変える、はじめかた。』が女性誌として世界で初めて1冊丸ごとSDGsを特集して話題に。以降、FRaU SDGs特集号を20冊以上刊行している。消費者庁・サステナブルファッションサポーター、日本アロマ環境協会・環境委員、サステナブルコスメアワード審査員。

向千鶴 / WWDJAPANサステナビリティ・ディレクター、WMHサステナビリティ・アドバイザー
東京女子大学卒業。デニムアパレル会社エドウイン営業職、日本繊維新聞社記者を経て2000年にINFASパブリケーションズ入社。記者として主に国内外のデザイナーズブランドの取材を担当。2015年に「WWDジャパン」編集長、2020年4月に執行役員「WWDJAPAN」編集統括サステナビリティ・ディレクターに就任。記者業務に加えファッションスクールでの講義、省庁の有識者委員なども通じファッション産業のサステナビリティ・シフトに尽力。2024年8月に独立しCRANE&LOTUSを設立。引き続き「WWDJAPAN」サステナビリティ・ディレクターを務めつつ、活動の領域を広げている。

山内秀樹 / 早稲田大学非常勤講師、ワールド・モードホールディングス株式会社 サステナビリティ顧問
商社に約30年勤務し、数々の海外著名ブランドの日本進出を実現。
アパレル業界のサステナブル、サプライチェーン、およびブランディングに精通する。
現在は早稲田大学にて非常勤講師としてグローバル・サプライチェーン・マネジメントについての講義などを行うほか、
ワールド・モード・ホールディングスのサステナビリティ顧問としてグループの活動を中心的にリードしている。
ワールド・モード・ホールディングス株式会社(WMH)について  https://worldmode.com/jp/
ファッション・ビューティー業界を専門に人材やデジタルマーケティング、店舗代行など様々なソリューションを提供するグループ。iDA、BRUSH、AIAD、AIAD LAB、フォーアンビション、VISUAL MERCHANDISING STUDIO、双葉通信社 の 7 社の国内事業会社および シンガポール、オーストラリア、台湾、ベトナム、マレーシアの5カ国に海外拠点を持ち、専門性の高い各社のシナジーによって、お客様の課題に応じた実効性の高いソリューションを提供しています。

※ワールド・モード・ホールディングスのサステナビリティ活動について
https://worldmode.com/jp/sustainability/

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