豊洲移転問題で注目!!築地魚市場の日常を綴る「河岸ことば」
PR TIMES / 2017年3月3日 17時47分
『あいうえ築地の河岸ことば』3月4日発売
この度世界文化社より、築地魚市場の活気ある姿を「あ」~「わ」行のキーワードごとに綴ったエッセイ集『あいうえ築地の河岸ことば』を3月4日に刊行いたします。豊洲への移転問題で注目を集める築地市場で今も働く著者が独特の商習慣やしきたり、人との交わりなど築地の日常を「河岸ことば」というキーワードで切り取り、紹介しています。
江戸に始まったふたつの河岸
江戸は市中縦横に川が流れる水の都でした。輸送の主役は船で、荷物を陸揚げする場を「河岸」といいました。日本橋川のほとりにできた魚の荷揚げ場が「魚河岸」、京橋川の野菜の荷揚げ場が「大根河岸」。荷揚げ場はそのまま取引の場となり、市場へと発展しました。
築地市場開場への道のり
明治になり、江戸からの街並みを一新する都市計画により、魚河岸に移転命令がでました。しかし、土地買収にはじまり移転にかかる費用すべて魚河岸持ちという負担は大きく、実行に移すことはできませんでした。
そして大正時代に入ると、単なる問屋の集合体だった魚河岸を、食品の価格安定のための市場にする公設市場「中央卸売市場」開設の動きが浮上してきました。この直後に起こった関東大震災による帝都復興財源をもとに、東洋一とうたわれる近代的な施設ができたのです。
ブランドとなった築地市場
築地市場が本来の姿となったのは、戦後の昭和25年のこと。市場人は、失われた年月を取りもどすかのように、フル回転で働き、築地市場は力をつけていきました。
高度経済成長に波にのり、取扱量は飛躍的にのびていき、2000年過ぎには「築地ブランド」という言葉まで生まれ、世界有数の市場として今にいたっています。
一方、場内の動線や施設の老朽化が進み、1970年代には、東京湾岸の埋立地、大井への移転話が持ち上がり、現在は豊洲市場への移転が取り沙汰されています。
このように、市場は時代に合わせ、変容してきました。しかし、市場人の基本的な毎日には変わりなく、全国から魚や野菜を集め、消費者の窓口になるという仕事は、魚河岸や大根河岸からのものなのです。その中で生まれた独特の商習慣やしきたり、人との交わりなど築地の日常を切り取った「河岸ことば」を本書では紹介しています。
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【著者 福地享子さんはこんなひと!】
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1.とにかく魚に詳しい!
2.1998年~築地の仲卸店で働く、“築地の伝道師”
3.元スゴ腕の女性誌・料理本編集者
4.雑誌やラジオなどで連載を持ち、魚の話が面白いと人気
大学を卒業後、大手出版社で女性ファッション誌などの編集を担当。典型的なキャリアウーマンだった。その後フリーとなり業界屈指の「超売れっ子編集者」として、約25年に渡り料理本や食通本を手掛けた。しかし1998年、転機が。ある有名シェフから築地でのチラシ作りを請け負う。懇意にしていたシェフだったこともあり断り切れなかった福地さんは、流行りのファッションに身を包み築地に向かう。しかし当時水産業界のことなど何も知らず、たった5~6行のコピーを書くために1日がかりでの取材が必要だった。その中で排他的で閉鎖的な市場の風習と手荒い洗礼を受ける。華やかな業界を走り続けてきた福地さんにとってショックな出来事だった。が、生来負けず嫌いの性格からあっさりと築地で勝負することを決断。福地さんの“魚河岸修行”は、仲卸「濱長」の店頭販売からスタート。これまでと打って変わり朝が早くて仕事は重労働。しかも収入は激減。でも不思議と楽しかったそう。毎日働いているという実感や、肩書や名刺が要らない世界が新鮮だったといいます。まったく縁のない地でも、明朗快活な気質もあって周囲に馴染むのは早かったそう。現在は「銀鱗文庫」事務局長として勤務し、女性の力やアイディアを活かせる魚河岸の実現にひた走る。
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