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【慶應義塾】市販試薬を活用。タンパク質のN末端に機能性分子を結合する簡便な手法を開発

PR TIMES / 2024年12月16日 21時40分

-バイオ医薬品や生体材料開発への応用に期待-



慶應義塾大学薬学部の花屋賢悟講師、田口和明准教授、東京科学大学 理学院 化学系の河野正規教授、和田雄貴助教による共同研究グループは、市販のマレイミド誘導体を用いて、タンパク質のN末端に蛍光分子や医薬分子などの機能性人工分子を結合させる、簡便な化学修飾法を開発しました。

タンパク質の化学修飾は、特定のアミノ酸残基に人工分子を結合させることで、タンパク質に新たな機能を付加する技術です。この技術は、タンパク質の機能解明を目的とした生命科学研究だけでなく、創薬など幅広い分野で活用されています。特にマレイミドは、アミノ酸の一種であるシステインと特異的に反応する化合物として知られており、さまざまな機能性分子を結合させた誘導体が市販され、タンパク質の化学修飾において最も広く利用されている試薬の一つです。しかし、マレイミドと反応可能なシステインを持たないタンパク質は多く存在しています。このため、マレイミド誘導体を用いた化学修飾が可能なタンパク質は限られるという課題がありました。

本研究では、タンパク質にマレイミド誘導体とともに2-PCA、銅(II)塩を加えることでN末端アミノ酸を化学修飾する新しい新たな手法を開発し、この課題を克服しました。この手法は、特定のアミノ酸残基や配列を必要とせず、幅広いタンパク質に適用可能です。さらに、N末端で架橋したタンパク質-タンパク質複合体や抗体-薬物複合体(ADC:Antibody-Drug Conjugates)の作製にも成功し、マレイミド誘導体を用いた化学修飾法の適用範囲を大幅に拡大させました。

この成果は、タンパク質をベースにしたバイオ医薬品や生体材料開発の新たな可能性を切り開くものであり、さまざまな科学分野への貢献が期待されます。本研究成果は、2024年11月27日に国際学術誌「Angewandte Chemie International Edition」に掲載されました。

▼全文は本学のプレスリリースをご参照ください。
https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2024/12/13/241213-1.pdf

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