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【慶應義塾】収縮力の保たれた心不全が心筋ダイレクトリプログラミングで改善

PR TIMES / 2024年12月16日 11時15分

-心不全の心臓線維化を標的とした新たな遺伝子治療法の開発に成功-



慶應義塾大学医学部内科学教室(循環器)の家田真樹教授、貞廣威太郎助教、筑波大学医学医療系循環器内科の山田優助教らの研究グループは、心臓線維芽細胞から直接心筋細胞を誘導する再生医療である「心筋ダイレクトリプログラミング法」によって、収縮力の保たれた心不全の治療に成功しました。

 心臓を構成する心筋細胞は再生能力が乏しく、心機能が著しく低下した心不全の根治療法は、心臓移植しかありませんが、ドナー不足などの問題により、十分な治療の提供は困難です。また、iPS細胞などの多能性幹細胞を用いた再生医療が注目されていますが、これにも、腫瘍形成の可能性、組織生着率や治療効果の低さに加えて、心不全の特徴である心臓線維化への治療効果が乏しいといった課題があります。本研究グループは、これらの課題を解決し得る方法として、多能性幹細胞を用いずに心臓線維芽細胞から直接心筋細胞を誘導する「心筋ダイレクトリプログラミング法」を開発し、心筋梗塞マウス、収縮力が低下した心不全マウスにおける心臓再生と、心臓線維化と心臓機能の改善に成功しています。心不全は収縮力が低下した心不全と、収縮力の保たれた心不全に二分されますが、これまで、有効な治療法のない収縮力の保たれた心不全にもこの方法が適用できるかは不明でした。そこで本研究では、心臓線維芽細胞において心筋リプログラミング遺伝子の発現を薬剤投与によって自由に制御できる遺伝子改変マウスを開発し、このマウスを用いて、心筋ダイレクトリプログラミングにより、収縮力の保たれた心不全の線維芽細胞から心筋細胞が再生し、心臓線維化と心臓機能が改善することを世界で初めて明らかにしました。さらに、心筋リプログラミング遺伝子の一つであるGata4遺伝子が心臓線維化治療に重要であることを発見し、Gata4遺伝子単独の遺伝子導入による、心臓線維化改善効果を介した収縮力の保たれた心不全の治療法を開発しました。

本研究成果は、2024 年12 月14日(米国東部時間)にCirculationに掲載されました。

▼全文は本学のプレスリリースをご参照ください。
https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2024/12/16/241216-2.pdf

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