【慶應義塾】腸内細菌叢とそこから産生される短鎖脂肪酸の慢性閉塞性肺疾患(COPD)への関与の解明に成功
PR TIMES / 2024年12月27日 16時40分
-食物繊維に着目した新規治療戦略開発への期待-
慢性閉塞性肺疾患 (COPD)は、世界の死因の第3位を占める重要な呼吸器疾患です。この病気は主に喫煙により起こる肺の慢性炎症が原因であり、肺気腫という特徴的な病理学的所見を呈します。近年腸内細菌叢を介した腸管と肺疾患の関連、特に腸内細菌によって産生される短鎖脂肪酸の関連が報告されています。しかし腸内細菌叢および腸内細菌によって産生される短鎖脂肪酸が実際にCOPDの病態に関与しているのかは明らかにされていませんでした。
慶應義塾大学医学部内科学教室(呼吸器)の大竹史朗大学院生、中鉢正太郎専任講師、福永興壱教授、および東京農工大学の宮本潤基准教授らの研究グループは、喫煙者および非喫煙者の採血検体を用いて、喫煙者では血液中の短鎖脂肪酸濃度が減少しており、同濃度が肺機能と相関していることを明らかにしました。続いてCOPDマウスモデルを用いた実験から、喫煙に曝露することで腸内細菌叢が変化し腸内細菌によって産生される短鎖脂肪酸も減少していることを明らかにしました。加えてCOPDマウスモデルに対して食物繊維を補うことで体内の短鎖脂肪酸が増加し、気道炎症および肺気腫が抑制されることを明らかにしました。反対に抗菌薬を投与し腸内細菌を駆逐することで短鎖脂肪酸は著明に減少し、気道炎症および肺気腫が増悪することを明らかにしました。これらにより腸内細菌が短鎖脂肪酸の産生を介してCOPDの病態に密接に関与していることを明らかにしました。本研究結果により、食物繊維を適切に補うことが、COPDの新規治療戦略につながることが期待されます。
本研究成果は、2024年12月13日に、Mucosal Immunologyに掲載されました。
▼全文は本学のプレスリリースをご参照ください。
https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2024/12/26/241226-1.pdf
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