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ニポカリマブ、全身型重症筋無力症に係る製造販売承認を申請

PR TIMES / 2025年1月30日 11時45分

高い親和性で結合してFcRnを阻害し、免疫抗体の濃度を低下させるニポカリマブは、日本で初めての承認申請

本申請は、第III相VIVACITY-MG3試験の結果に基づく
全身型重症筋無力症患者さんを対象とし、FcRnのクラスにおいて、24週間にわたる持続的症状コントロールを示す


Johnson & Johnson(法人名:ヤンセンファーマ株式会社、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:關口修平、以下「J&J」)は本日、FcRnを阻害するモノクローナル抗体であるニポカリマブについて、全身型重症筋無力症の治療薬として、製造販売承認申請を行いました。

重症筋無力症は、自己抗体により引き起こされる自己免疫疾患です。主な全身型重症筋無力症の症状は、変動を伴う骨格筋の筋力低下、四肢脱力、眼瞼下垂、複視、咀嚼困難、嚥下困難、発話困難、呼吸困難などがあります[1],[2],[3],[4],[5]。日本国内で、全身型重症筋無力症患者さんは約23,000人いる[6]と報告されています。

今回の申請は、全身型重症筋無力症の成人患者さんを対象に行われた国際共同第III相VIVACITY-MG3試験の結果に基づくものです。本試験においては、主要評価項目である24週間にわたるベースラインからの日常生活動作(Myasthenia Gravis - Activities of Daily Living: MG-ADL)a スコアの改善において、プラセボと標準治療の併用群(以下、プラセボ+標準治療)に対するニポカリマブと標準治療の併用群(以下、ニポカリマブ+標準治療)の優越性が検証されました[7]。試験に参加した患者さんの中には、全身型重症筋無力症患者さんの約95%を占める抗アセチルコリン受容体(AChR)抗体、抗筋特異的キナーゼ(MuSK)抗体、抗低密度リポ蛋白質受容体関連蛋白質4(LRP4)抗体b陽性の成人が含まれており、VIVACITY-MG3試験はこれらのサブタイプにおける持続的症状コントロールを示した、初めての臨床試験となります[7],[8]。なお、安全性と忍容性については、他のニポカリマブの試験の結果と一貫するものでした[9],[10],[11],c。

J&J Innovative Medicine Global Neuroscience Therapeutic Area HeadのBill Martin, Ph.D.は、次のように述べています。「ニポカリマブは、慢性疾患である全身型重症筋無力症患者さんに対し、症状を持続的にコントロールできる可能性があると期待しています。今回の承認申請は、J&Jが神経疾患及び免疫領域で長年にわたり培ってきた専門知識を基に、自己免疫疾患の治療にイノベーションをもたらす第一歩となります。今後の承認取得に向け、当局と緊密に連携して参ります」

ニポカリマブ+標準治療では、プラセボ+標準治療と比較し、6か月間にわたる隔週投与においてMG-ADLスコアの改善が確認されました。ニポカリマブは持続的な症状コントロールを示した初めてのFcRn阻害剤となります[7],[12],d。


用語の説明:
a. MG-ADL(Myasthenia Gravis-Activities of Daily Living[重症筋無力症-日常生活動作])は、日常生活動作に影響を及ぼす症状を患者さんの報告に基づいて迅速に臨床評価する指標です。合計スコアは0~24で、スコアが高いほど症状の重症度が高いことを示します[13]。
b. 抗AChR抗体、抗MuSK抗体、抗LRP4抗体陽性の全身型重症筋無力症患者さんが含まれています[7]。
c. 有害事象(AE)、重篤な有害事象(SAE)及び治験薬の投与中止に至った有害事象の発見割合は、プラセボ+標準治療と同様でした。具体的には、ニポカリマブ+標準治療を受けた患者さんでは81.6% (n=80) がAEを経験し、プラセボ+標準治療を受けた患者さんでは82.7% (n=81)とほぼ同率でした。SAEにおいては、ニポカリマブ+標準治療では9.2% (n=9)だったのに対し、プラセボ+標準治療では14.3% (n=14)でした[7]。
d. ニポカリマブ+標準治療を受けた患者さんにおいて、MG-ADLスコアの平均変化量は-4.70(SE = 0.329)でした。プラセボ+標準治療を受けた患者さんにおいて、MG-ADLスコアの平均変化量は-3.25(SE = 0.335)でした。その差(LS)が -1.45 [0.470]; P=0.002でした[7]。


全身型重症筋無力症(gMG)について
重症筋無力症(MG)は、免疫系が誤って各種の抗体(抗アセチルコリン受容体[AChR]抗体、抗筋特異的キナーゼ[MuSK]抗体、抗低密度リポ蛋白質受容体関連蛋白質4[LRP4]抗体など)を産生する自己免疫疾患です。神経筋接合部のタンパク質を標的として、正常な神経筋シグナル伝達を遮断又は阻害することで、筋収縮を障害又は妨げます[14],[15],[16]。MGは世界で約70万人の患者さんがいると推定されています[1]。重症筋無力症は男女を問わず、あらゆる年齢や人種、民族において発症しますが、若い女性と高齢の男性に最も多くみられます[17]。重症筋無力症と診断された人の中では、約半分が女性で、そのうち、5人に1人は妊娠可能な年齢でもあります[18],[19],[20]。重症筋無力症の新規症例の約10~15%が青年期(12~17歳)に診断されます[21],[22],[23]。若年性MG患者さんは男性よりも女性のほうが多く、米国の小児MG症例の65%以上が女性です。

初発症状は眼症状であることが多いものの、85%以上が全身型(gMG)です。全身型重症筋無力症の症状としては、変動を伴う骨格筋の筋力低下で、四肢脱力、眼瞼下垂、複視、咀嚼困難、嚥下困難、発話困難、呼吸困難などが挙げられます[1],[2],[3],[4],[5]。日本には、全身型重症筋無力症患者さんが23,000人[6]いると報告されています。全身型重症筋無力症は既存の標準治療法で対処できる場合もありますが、既存の治療法では十分な効果が得られない、もしくは現治療に対して忍容性がない患者さんのために、新たな治療薬の開発が必要とされています。日本では、青年期の全身型重症筋無力症患者さんに対して、根本的な原因に対処する可能性のあるFcRn阻害剤は承認されていません。

第III相Vivacity-MG3試験について
第III相Vivacity-MG3試験は、アンメットニーズの高いこの予測できない慢性疾患において、持続的な有効性と安全性を評価するためにデザインされました。現在の標準治療で十分な効果が得られない(MG-ADL ≥6)、抗体陽性または抗体陰性のgMG成人患者さんを対象とし、199人(うち153人が抗体陽性者)が、24週間の二重盲検、プラセボ対照試験に参加しました[7],[24]。患者さんは、現在の標準治療に加えてニポカリマブの静脈内投与(30 mg/kg負荷投与後、隔週で15 mg/kg)または現在の標準治療に加えてプラセボの投与に、1対1の割合で無作為に割り付けられました。ベースライン時の人口統計学的特性は、治療群間で均衡していました(ニポカリマブ群77人、プラセボ群76人)。主要評価項目は、抗体陽性患者さんでの、第22週、第23週、第24週にわたるベースラインからのMG-ADLスコアの平均変化量でした[7]。重要な副次評価項目としては、QMGスコアの変化量が含まれました[7]。長期的な安全性と有効性は、現在進行中の非盲検継続試験(OLE)でさらに評価されています。

ニポカリマブ (nipocalimab)について
ニポカリマブは現在開発中のモノクローナル抗体であり、高い親和性で結合してFcRnを阻害し、循環免疫グロブリンG(IgG)抗体の濃度を下げつつ、広範囲な免疫抑制を引き起こさずに免疫機能も維持するよう設計されています。その対象には、3つの重要な自己抗体疾患である「希少な自己抗体疾患」、母体の同種抗体が介在する「母体胎児疾患」および「比較的罹患率の高いリウマチ性疾患」において複数の疾患の根本的な原因となっている自己抗体や同種抗体が含まれます[25],[26],[27],[28],[29],[30],[31],[32],[33]。
また、胎盤でIgGとFcRnの結合を阻害することで、母体の同種抗体が胎盤を介して胎児に移行することを防げるとも考えられています[33]。

米国食品医薬品局(FDA)および欧州医薬品庁(EMA)は、ニポカリマブに対して以下の重要な指定を行っています。
- 2019年7月に胎児新生児溶血性疾患(HDFN)および温式自己免疫性溶血性貧血(wAIHA)、2021年12月に全身型重症筋無力症(gMG)、2024年3月に胎児・新生児同種免疫性血小板減少症(FNAIT)に対するFast Track指定をFDAより受けました
- 2019年12月にwAIHA、2020年6月にHDFN、2021年2月にgMG、2021年10月に慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)、2023年12月にFNAITに対するオーファンドラッグ指定をFDAより受けました
- 2024年2月にHDFNに対するブレークスルーセラピー指定をFDAより受けました
- 2024年Q4にFDAより、全身型重症筋無力症の治療薬として優先審査の対象に指定されました
- EMAより2019年10月にHDFNに対するオーファンドラッグ指定を受けました



Johnson & Johnson について
Johnson & Johnsonは、健康こそすべてだと考えています。ヘルスケアイノベーションにおける私たちの強みが、複雑な病を予防、治療、治癒し、治療をよりスマート化した、低侵襲なものに進化させ、一人ひとりの患者さんに合ったソリューションを提供することができる世界を築く力になります。Innovative MedicineとMedTechにおける専門性を生かし、将来の飛躍的な進化に向けてヘルスケアソリューションの幅広い領域でイノベーションを推し進め、人々の健康に大きなインパクトを与えていきます。

日本におけるJohnson & Johnson Innovative Medicine について
Johnson & Johnson Innovative Medicine は、米J&Jグループにおける医療用医薬品事業の名称です。日本では、1978年の設立以来、これまでヤンセンファーマ株式会社として、患者さんの治療に貢献する多くの医薬品をお届けしてきました。私たちは、アンメットニーズに基づく開発戦略のもと、注力疾患領域―がん、免疫疾患、精神・神経疾患、心・肺疾患、および眼疾患領域における学術および情報提供活動を強化しながら、私たちの薬剤を必要とする全ての患者さんが適切なタイミングでベストな治療を選択するための活動を続けています。私たちは、今後も医療の未来を切り拓き、日本の患者さんに革新的な医薬品をお届けしていきます。

Johnson & Johnson Innovative Medicineに関する詳しい情報はwww.janssen.com/japan/をご覧ください。また、www.facebook.com/JanssenJapan/https://www.linkedin.com/company/jnjinnovativemedicine/をフォローしてください。


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