国内景気、製造業を中心に3カ月連続で改善―2021年4月調査
PR TIMES / 2021年5月11日 9時15分
緊急事態宣言などで個人向けサービスが悪化、景況感の二極化傾向進む
株式会社帝国データバンクは、全国象2万3,707社を対象に2021年4月の国内景気動向を調査・集計し、景気DIとして発表いたしました。
<調査結果のポイント>
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2021年4月の景気DIは前月比0.3ポイント増の38.3となり、3カ月連続で改善した。国内景気は、経済活動が抑制されたなかで、製造業を中心に3カ月連続で改善した。今後の景気は、一時的な落ち込みもみられるが、緩やかに上向いて推移するとみられる
10業界中、『製造』など5業界が改善、『サービス』など5業界が悪化。『製造』は半導体関連や電子部品などの輸出が堅調で改善傾向が続いた。他方、『サービス』はまん延防止等重点措置や緊急事態宣言を受けて、「飲食店」などの個人向けサービスが再び落ち込んだ。
『北関東』『東北』など10地域中8地域が改善、『近畿』など2地域が悪化した。製造業が改善したが、まん延防止等重点措置や緊急事態宣言による経済活動の抑制が各地域の景況感に悪影響を及ぼした。規模別では、「大企業」「中小企業」が3カ月連続で改善した一方、「小規模企業」は3カ月ぶりに悪化となった。
2021年4月の動向 : 上向き
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2021年4月の景気DIは前月比0.3ポイント増の38.3となり、3カ月連続で改善した。
4月の国内景気は、まん延防止等重点措置の適用地域拡大や3回目の緊急事態宣言の発出など、経済活動が抑制されたなかでの推移となった。プラス要因では、米国や中国など海外経済の回復傾向により輸出が大きく増加したほか、世界的な半導体不足にともない半導体素子製造を含む関連業界が高水準で推移した。さらに自宅内消費は引き続き拡大傾向が続いた。マイナス要因では、新型コロナウイルスの感染拡大にともない一部地域や業種で休業や営業時間の短縮など人流抑制が行われ、飲食店や旅館・ホテルなど個人向けサービスが大きく落ち込んだ。また自動車の減産や工場の稼働停止なども悪材料となった。
国内景気は、経済活動が抑制されたなかで、製造業を中心に3カ月連続で改善した。
今後の見通し : 緩やかな上向き傾向
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今後の国内景気は、まん延防止等重点措置の適用や緊急事態宣言の発出にともなう下振れリスクを抱えるなか、ワクチン接種の拡大による経済活動の正常化や海外経済の回復などもあり、緩やかに上向いていくと見込まれる。自宅内消費の拡大など新規需要の創出や5Gの本格的普及などはプラス材料となろう。他方、新型コロナウイルスの感染動向による下振れリスクも依然として大きい。さらに、半導体不足による自動車の減産や夏季賞与の減少、原材料価格の上昇、企業業績の業種間格差の拡大などは注視する必要がある。
今後の景気は、一時的な落ち込みもみられるが、緩やかに上向いて推移するとみられる。
業界別:製造業は改善傾向も、個人向けサービスが再び悪化
10業界中、『製造』など5業界が改善、『サービス』など5業界が悪化。『製造』は半導体関連や電子部品などの輸出が堅調で改善傾向が続いた。他方、『サービス』はまん延防止等重点措置や緊急事態宣言を受けて、「飲食店」などの個人向けサービスが再び落ち込んだ。
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『製造』(39.5):前月比1.0ポイント増。3カ月連続の改善。中国向けの輸出が急増するなか、半導体製造装置が含まれる「機械製造」(同0.9ポイント増)や、製缶板金や金属プレス製品などの「鉄鋼・非鉄・鉱業」(同1.2ポイント増)の回復傾向が続いた。米国向けの輸出が好調な電子部品などの「電気機械製造」(同0.6ポイント増)や、木材や生コンクリートの販売価格が上昇した「建材・家具、窯業・土石製品製造」(同1.5ポイント増)など、『製造』は12業種中11業種が改善した。他方、「輸送用機械・器具製造」(同0.1ポイント減)は半導体不足の影響で、一部地域の完成車工場で減産や稼働停止がみられるなか、地域によって企業の景況感に差がみられた。
『卸売』(36.2):同0.4ポイント増。3カ月連続の改善。鉄スクラップ価格が再び上昇傾向にあるなか、「再生資源卸売」(同9.7ポイント増)が大幅にプラスとなった。化学製品や鉄鋼などの価格上昇が追い風となっている「化学品卸売」(同1.8ポイント増)や「鉄鋼・非鉄・鉱業製品卸売」(同1.2ポイント増)など、『卸売』は9業種中6業種が改善した。他方、アパレル関連の「繊維・繊維製品・服飾品卸売」(同0.8ポイント減)や、酒類卸売などが含まれる「飲食料品卸売」(同0.6ポイント減)は悪化した。
『サービス』(37.9):同0.6ポイント減。3カ月ぶりに悪化。一部地域においてまん延防止等重点措置および3回目となる緊急事態宣言が発出され、「飲食店」(同4.0ポイント減)や「娯楽サービス」(同7.3ポイント減)といった個人向けサービスの業種が大幅に悪化した。また、厳しい水準が続く「旅館・ホテル」(同2.3ポイント減)も2カ月ぶりの悪化となり、再び景気DIは1桁台に落ち込んだ。燃料費高騰の影響がみられる「電気・ガス・水道・熱供給」(同6.7ポイント減)や、イベントの中止が下押し材料となった「広告関連」(同0.9ポイント減)など、『サービス』は15業種中10業種が悪化した。
『建設』(41.4):同0.2ポイント減。3カ月ぶりに悪化。新設住宅着工戸数が減少基調にあるなか、木材など建築用資材の不足や価格高騰による影響がみられた木造建築工事などが悪化した。公共工事の発注件数も低調ななか、工事の受注単価などを表す販売単価DIは2020年4月以降50を下回る水準が続いており、企業からは受注競争の激化を示唆する声も多く寄せられた。また、『建設』の雇用過不足DI(正社員)は60.2と50を超える高水準で推移しており、企業の人手不足感も継続している。
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