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スーダンでの飢餓と性的暴力は前例のないレベル。国際NGO調査報告を発表

PR TIMES / 2024年8月20日 19時15分



[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/5096/300/5096-300-451e8cb64e3dd4cb67d4979821313200-2000x1333.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
スーダンとの国境近くにある南スーダンの難民・避難民受け入れセンター。スーダンの紛争を逃れてきた多くの人々が一時的に滞在している。衣食住が不足し、衛生状態も悪く、過酷な環境だ

世界の子どもを支援する国際NGOワールド・ビジョンが本日発表した新しい報告書によると、世界の注目が他の地域に集まっている一方で、スーダンでは紛争が前例のない人道危機を引き起こし、避難民の大量発生、深刻な飢餓、メンタルヘルスの悪化、ジェンダーに基づく暴力の増加によって、人々、特に子どもたちが深刻な状況にあること明らかになりました。

2023年4月、スーダンで紛争が勃発。国は混乱に陥り、甚大な規模の人道危機を引き起こしました。紛争は500日目を迎えようとしていますが、危機は深まる一方です。争いの前線が移動するにつれて、子どもたちとその家族は別の場所へと避難を強いられ、世界最悪の子どもの避難危機を生み出しています。紛争が始まって以来、700万人以上の子どもたちが食料、避難所、安全を求めて暴力から逃れました。その大半は国内避難民で、残りの子どもたちは近隣諸国に避難を強いられています。

ワールド・ビジョンが発表した新しい報告書「未曽有の危機:スーダンの子どもと家族が直面する飢餓、メンタルヘルスの課題とジェンダーに基づく暴力」では、現在進行中の紛争の直接的な結果として、スーダンの2,600万人が深刻な食料不安、飢餓、栄養不良を経験すると予測されていることを明らかにしています。これはスーダンの人口の半分以上であり、オーストラリアのほぼ全人口に匹敵する人数です。このうち100万人は、2024年10月から12月の間に、生命を脅かすような飢饉の瀬戸際と言える状況に直面すると危惧されています。報告書には、紛争の影響を受けたスーダンの人々の胸に迫る経験談が含まれています。

ワールド・ビジョン・スーダン事務局長のジョン・マコニは述べます。「子どもたちは、高い割合で発生する食料不安の影響を特に受けています。食料不足は、ワールド・ビジョンが現在スーダンで最も懸念していることです」
マコニは続けます。「国全体で、2024年末までに400万人の5歳未満児が飢餓を経験すると予測され、73万人が重度の急性栄養不良を経験すると予測されています。世界はもう見て見ぬふりはできません。今こそ行動すべき時です」

さらに、飢餓と紛争は、メンタルヘルス上の危機を急速に加速させており、平和が回復した後も長期間にわたって子どもたちや家族に影響を及ぼすことが危惧されています。報告書によると、スーダンの危機の影響を受けた推定1,570万人の子どもとその家族が、紛争と飢餓が相互に関連する危機のため、精神的な障害を抱えるリスクがあります。紛争終結後、推定140万人のスーダンの人々が重度の精神疾患を患うと予測されており、スーダンが安定した後も長い間、飢餓との闘いが続く可能性が高いのです。

ワールド・ビジョンのメンタルヘルスおよび心理社会的支援の上級技術アドバイザーであるフィオナ・コワイエットは次のように述べます。「危機的状況における回復力と回復のためのメンタルヘルスの重要性を認識し、ワールド・ビジョンはメンタルヘルスと心理社会的支援プログラムを実施しています。しかし、ニーズは私たちの資金よりも大きいのです」
コワイエットは続けます。「この危機がスーダンの人々に与える直接的な影響だけでなく、何世代にもわたる長期的な精神衛生への影響にも注目すべきです。重度の精神疾患を抱える人々の約40%は食料不足に苦しんでいます。平和が回復した後も、スーダンの人々は長期的な精神衛生と心理社会的支援を緊急に必要とするでしょう」

ワールド・ビジョンの報告書は、さらに、危機をいっそう深刻化している事実を明らかにしています。スーダンでは女性や少女が戦場のように暴力の標的となり、何百万人もの女性や少女が危険な状況に置かれています。武装勢力の存在、強制退去、社会的な保護のネットワークの弱体化、保健・教育等のサービスへのアクセス不足などが、女性や少女がジェンダーに基づく暴力とその有害な影響を受ける深刻なリスクにさらされる環境を作り出しています。

コワイエットは次のように指摘します。
「スーダンと隣接する南スーダン女性の65%が親密なパートナーやそうでない人物からの性的暴力を経験していると報告されています。これは世界平均の2倍にあたります。紛争のためスーダンのデータはありませんが、南スーダンと同様の状況ではないかと危惧しています。不安定な状況や人道的ニーズの増加により、コミュニティは性的搾取や児童婚など、ジェンダーに基づく特定の形態の暴力に訴える可能性が高いという傾向があります。これは非常に深刻な問題であり、直ちに対処する必要があります」[*1]

ワールド・ビジョン・スーダン事務局長のジョン・マコニはこう締めくくります。
「国際的支援は著しく不足しており、これは容認できない状況です。スーダンが世界から無視されていることは、国際社会の連帯と先見性の欠如を強く示しています。スーダンの状況とそれによる難民の流入は、東アフリカ全体と他の地域にも大きな影響を与える可能性があります。この人道的危機の潮目を変える機会は急速に閉ざされつつあり、スーダンの次世代の子どもたちを保護するためには、緊急に協調して対応することが必要です」

以上


[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/5096/300/5096-300-5ea67bbf0ff2741ac807ad59be0e4c12-656x948.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]

報告書全文を見るにはこちら(英文のみ):https://www.wvi.org/publications/report/syria-crisis-response/unprecedented-crisis-children-and-families-sudan




<ワールド・ビジョンのスーダンでの活動について>
ワールド・ビジョンはスーダンで活動している最大の人道支援機関の1つで、25年間スーダン国内で活動してきました。ワールド・ビジョンは、独立した、公平で政治的に中立な人道援組織です。ワールド・ビジョンのスーダン危機対応チームはスーダンとその近隣諸国で活動し、紛争で家を追われた何百万人もの人々に、最も必要とされている命を救う人道支援を届けています。危機ぼっ発から2024年4月までの1年間で、ワールド・ビジョンはスーダン危機への対応で130万人以上の人々 (大半が女性と子ども) に、食料安全保障、子どもの保護、健康と栄養、水・衛生に焦点を当てたプログラムなどの緊急支援を提供しました。


<ワールド・ビジョン・ジャパンとは>
キリスト教精神に基づき、貧困や紛争、自然災害等により困難な状況で生きる子どもたちのために活動する国際NGO。国連経済社会理事会に公認・登録された、約100カ国で活動するワールド・ビジョンの日本事務所です。
スーダンにおいては、難民・国内避難民・ホストコミュニティの人々を対象とした水・衛生、保護、心理社会的支援などを提供しています。あらゆる人道支援を通してジェンダーに基づく暴力のリスク低減に貢献するとともに、水・衛生支援の一環として、生理用品、石鹸、下着、洗剤等の一式「尊厳キット」を配布しています。「尊厳キット」の配布に際し、ジェンダーに基づく暴力の予防法や被害にあった場合の通報先や対処法についても伝え、直接的にもリスク低減を図っています。
※詳しくはこちら


◆募金を受け付けています
ワールド・ビジョン・ジャパンでは「難民支援募金」を受け付けています。募金は寄付金控除等の対象となります。
詳しくは公式ホームページから「難民支援募金」をご参照ください。

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