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保険診療による減量・代謝改善手術治療開始

PR TIMES / 2021年6月29日 18時15分

~治療抵抗性糖尿病や高度肥満症患者さんたちのQOL向上をめざして~

順天堂大学医学部附属順天堂医院 糖尿病・内分泌内科 綿田裕孝教授と同消化器・低侵襲外科 福永哲教授は、2019年に同大附属病院内に減量・糖尿病外科治療チーム(※)を結成しました。
主なメンバーは両科医師に加えて麻酔科、メンタルクリニック科、循環器・呼吸器内科(睡眠時無呼吸症)、看護部、薬剤部、栄養部、医療福祉相談室などの複数領域の専門家で、術前評価から術後管理まで、チーム一丸となって治療にあたります。



優れた治療の提供と患者さんに安心して治療を受けていただける環境づくりを目指して、高難度新規医療技術申請を行い、2020年2月には第1例目の治療を開始、同年末までに保険収載に必要な5例の手術治療を滞りなく終了しました。 2021年からは保険診療による治療が可能にとなり、現在は10名ほどの患者さんが、手術治療を受けるための準備に、外来治療で取り組まれています。
※ 本年4月から治療名が減量・代謝改善手術治療と変更となっておりチーム名も合わせて「減量・代謝改善手術治療チーム」に変更しております。

背景
近年、世界中で生活習慣病による重症糖尿病・肥満の患者さんは増加の一途をたどっており15億人にも達するといわれております。本邦においても食生活の欧米化により肥満人口は増加傾向にあります。日本人の肥満(肥満の指標であるBMIが25kg/平方メートル 以上の人)の割合は、男性3割、女性2割にのぼります(厚生労働省の「国民健康・栄養調査」2017)。
中でも高度肥満症の患者さんは複合的な問題を抱えている場合も多く、治療には多方面からのアプローチが求められるようになりました。また、長引く治療によるQOLの低下や、生涯医療費の高騰も懸念されます。
肥満症に対する減量手術は、アメリカで1950年代に開始されました。近年は腹腔鏡技術の進歩から、薬物療法に抵抗性のある重症肥満や重症糖尿病患者さんへの減量手術が腹腔鏡で行われるようになり、世界的に脚光を浴びるようになりました。現在は西側先進国で年間約70万件近くの手術が行われ、この20年で14倍にも増加しました。日本でも近年増加傾向にあり、2019年には755件もの治療が行われています。
糖尿病治療の第一人者である当院綿田教授の元には、重症糖尿病患者さんのご紹介も多く、高度肥満症を伴う場合には、時に治療が難渋する場合があります。そこで低侵襲手術の権威である福永教授と減量・糖尿病外科治療チーム(※)を創設し、定期的な打ち合わせを行うとともに、減量・代謝改善外科治療を開始するに至りました。

本治療の特徴
減量・代謝改善手術にはいくつかの方法がありますが、保険収載されているのは、スリーブ状胃切除術のみです。

[画像1: https://prtimes.jp/i/21495/316/resize/d21495-316-972493-0.png ]


保険診療適応 (2021年5月現在)
18歳から65歳までの方で、1.もしくは2.に該当する方。
1. BMI35以上の原発性(一次性)肥満
6か月以上の内科的治療を行っても十分に効果が得られない
かつ下記のうち1つ以上を合併した肥満症
i 糖尿病
II 高血圧
III 脂質異常症
IV 閉鎖性睡眠時無呼吸症候群
2. BMI 32.5~34.9
6か月以上の内科的治療を行っても十分に効果が得られない
ヘモグロビンA1cが8.4%以上の糖尿病がある。
かつ下記のうち1つ以上を合併している。
i 高血圧(収縮期血圧160mmHg以上)
II 脂質異常症 (LDL 140mg/dl以上又は、Non HDL 170mg/dl以上)
III 閉鎖性睡眠時無呼吸症候群(AHI≧30の重症のもの)

さらに、2021年3月に日本肥満症治療学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会から日本人の肥満2型糖尿病患者の手術適応基準に関するコンセンサスステートメントが発表され、今後は肥満2型糖尿病患者に対する外科治療の適応拡大も見込まれており、ますますこの手術を受けられる患者さんが増加すると考えられています。

[画像2: https://prtimes.jp/i/21495/316/resize/d21495-316-648109-1.png ]


今後の展望


肥満手術にはその他の手術方法もあり、先進医療としての採用も検討中である。
糖尿病内科による詳細な検討を行い、実臨床に生かしていく。
糖尿病内科では、糖負荷による人体への影響や糖尿病のメカニズムに関する研究を行っており、手術により得られた情報を用いてさらなる研究を行う。
低侵襲外科 折田准教授はFASgen(Johns Hopkins大学内Biopark) との共同研究で肥満治療薬の開発歴もあり、新規薬物の開発を目指す。


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