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国際NGO セーブ・ザ・チルドレン能登半島地震・豪雨緊急復興支援「能登子どもサポート給付金」2,882件の申請 アンケート調査結果速報

PR TIMES / 2024年12月23日 13時40分

被災後の家計、赤字の子育て世帯が4倍以上に



子ども支援専門の国際NGOである公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(理事長:井田純一郎、本部:東京都千代田区、以下セーブ・ザ・チルドレン)は、2024年1月1日に発生した能登半島地震および9月の奥能登豪雨の緊急復興支援活動を行っています。

今回、その一環として、災害の影響により進級・進学や就職に向けた準備などに支障がないよう、発災時に石川県七尾市、穴水町、能登町、珠洲市、輪島市のいずれかに在住し、住宅が一部損壊以上の世帯の子ども(小学6年生から高校生世代)に対して給付金を提供する「能登子どもサポート給付金」を実施し、締切日の12月16日までに2,882件(4,072人)の申請がありました。

本調査は、「能登子どもサポート給付金」に申請した人を対象に任意のアンケート形式で実施、能登半島地震や奥能登豪雨が子育て世帯の生活や子どもにどのような影響を与えたかについて聞きました。
地震発生から間もなく1年を迎えるにあたり、その結果を公表します(本プレスリリースにある結果は速報のため、最終的な報告書は2025年1月以降に公表予定)。

<本調査で明らかになった主なこと>
【1】 8割以上の子育て世帯が能登半島地震、奥能登豪雨により、子どもの生活にマイナスの影響があったと回答
【2】 被災前と現在で、家計が赤字の子育て世帯が7.4%から32.1%へ4倍以上に増加
【3】 被災した子どもや子育て世帯への公的制度や支援について、半数以上が足りていないと回答
【4】 子どもに関する自由記述:学習や運動、遊びのための環境の早期復旧・整備を求める声が多数
【5】 その他の自由記述:生活再建や復興の見通しに対する子育て世帯の不安の声が多数

【1】 8割以上の子育て世帯が能登半島地震、奥能登豪雨により、子どもの生活にマイナスの影響があったと回答
能登半島地震、奥能登豪雨による子どもの生活に対するマイナスの影響をたずねたところ(グラフ1)、「おおいに影響があった」の回答が49.9%、「やや影響があった」が36.5%で、合わせて86.4%が、子どもの生活へのマイナスの影響について回答しました。
具体的な影響(グラフ2)としては、子どものストレスが68.0%と最も多く、次いで運動不足などの発達面が36.1%、学力の低下が34.3%、遊び場などの居場所の不足が24.7%、通学路などの道路状況が23.6%となっています。これらの結果から、継続的に子どものこころのケアに取り組んでいくこと、学習や教育環境の整備、思い切り体を動かし安心して過ごせる場所や機会づくりの重要性が浮き彫りとなっています。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/5097/320/5097-320-e28d085b6596a78e0cdf86cd86185a99-815x391.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/5097/320/5097-320-da2543f8fae42dae76b61182f3cf09a9-815x586.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


【2】 被災前と現在で、家計が赤字の子育て世帯が7.4%から32.1%へ4 倍以上に増加
被災前(グラフ3)は「赤字で、借金して生活」が2.7%、「赤字で、貯金をとりくずしている」が4.7%で、合わせて7.4%の回答でしたが、現在(グラフ4、給付金申請期間は2024 年11 月から12 月16 日)はそれぞれ6.3%、25.8%の計32.1%と、4倍以上の増加がありました。一方、被災前は「黒字で、毎月貯蓄をしている」が10.2%、「黒字で余裕がある」が10.0%で合わせて20.2%でしたが、現在はそれぞれ3.6%、4.4%の計8.0%と、2分の1以下に減少しており、災害による家計への影響が大きいことが伺えます。自由記述でも経済的な不安に関する保護者の声が多く寄せられており、今後の生活再建に向け、支援のさらなる充実が求められています。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/5097/320/5097-320-7fb86e59d9169d5a73eceaeadf2877f2-812x397.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/5097/320/5097-320-b3aa3d18049687b330830696fdf0b622-816x437.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


【3】 被災した子どもや子育て世帯への公的制度や支援の状況について、半数以上が足りていないと回答
被災した子どもや子育て世帯への公的制度や支援の状況についてたずねたところ(グラフ5)、「まったく足りていない」への回答が13.2%、「ほとんど足りていない」が39.2%で、合わせて52.4%が公的制度や支援が不足していると回答しました。具体的に必要な支援(グラフ6)としては、子どもの学びに関する支援金が65.6%、次いで生活再建に対する支援が59.9%、住居への支援が45.0%、教育環境の整備が39.4%、文化・スポーツ活動の環境整備が36.1%となっています。

[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/5097/320/5097-320-c4e92e7cdaceff9e27db841913dbf5e3-809x357.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/5097/320/5097-320-f16463bdf9a45be49892f900eda2184d-827x549.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


【4】 子どもに関する自由記述:学習や運動、遊びのための環境の早期復旧・整備を求める声が多数
自由記述では、学校施設や、通学路を含む道路の損壊による安全面への不安、学校のグラウンドが仮設住宅に使われていたり、運動場や体育館が壊れていたりするために子どもたちが十分に運動できないといった、子どもの運動や遊びへの影響を心配する声が数多くありました。「子どもたちの“今”を奪わないでほしい」など、震災の影響をできるだけ子どもに負わせず、安心して学び、過ごせる環境の復旧・整備を一刻も早く実現する声が多く寄せられました。また、震災のストレスやトラウマを抱え込んでいる子どもたちが多く「当事者以外にはそのトラウマなどを共感してもらえず孤立することがある」など、子どもたちへの心理面の影響を心配し、支援を訴える記述も目立ちました。

【5】 その他の自由記述:生活再建や復興の見通しに対する子育て世帯の不安の声が多数
子どもに直接関連すること以外では、自宅の修繕費用が高額で支払えないなど経済的負担の悩みに加え、「一部損壊の被災者への支援がほぼゼロなので厳しい」、「給付金ももらえるまで7ヶ月かかり、みなし住宅になるまで9ヶ月かかりました。全てが遅すぎます」といった、公的制度の対象範囲に対する要望や迅速な支援を訴える回答も多く寄せられました。全体として、生活再建が見通せない不安の声が目立ちました。加えて、人口流出、働く場所の不足、インフラ復旧の遅れによってさまざまな生活環境が整わない中、「子育て世代には地元に残るリスクが大きい」という声もありました。それゆえに「今後の復旧復興の見通しを早く示して頂きたい」といった長期的な展望を国や自治体に求める記述や、子育て世帯への手厚い支援を要望する記述も複数ありました。

Q. そのほか、能登半島地震、奥能登豪雨の影響で不安に思っていること、またそれについて国や自治体、社会へ要望があればお書きください。(任意、自由記述)※一部抜粋
子どもに関する自由記述 *()内は、発災時の居住自治体、子どもの学年は申請時点
⚫学校のグラウンドに次々と仮設住宅が、建てられ小学生の活動できるスペースがなくなっている。(輪島市、高1世帯)
⚫通学路の歩道が、陥没していたりマンホールが飛び出ていたり、酷い状態だが、暗くなるまで学校はあるので、たまに転倒しながら通っている。(珠洲市、高2、高1、小6世帯)
⚫学校や習い事など未来ある子どもたちの活動場所に制限があり、あとまわしにされている感がある。あっという間に大きくなり、子どもらしい経験をつめないまま大人になるという危機感がある。(輪島市、高1世帯)
⚫中学生の息子は震災後体調を崩して学校に行けなくなりました。私は息子の体調が心配で正規の仕事を辞めることにしました。気軽に相談できる場所も病院も、専門家も少なく、不安です。同じ悩みを抱えている家族に会いたいです。(能登町、中2世帯)
⚫報道はされていませんが、心のケアが今も必要な子がいます。その家族、本人を支える支援が足りていないと感じます。また、2次避難すると本当に教育面でお金がかかります。給食費、教材費、制服代、部活動費など。就学支援制度は区域外就学なら使えますが、被災地の学校に籍を置いて、一時的に2次避難先の学校に体験入学している場合は、使えません。罹災証明の判定にかかわらず、被災者みなさんの平等な支援を願います。(珠洲市、中1世帯)

その他の自由記述
⚫住宅は一部損壊で暮らしはできるが、当たり前に水が出ない、当たり前の暮らせない家庭への補助がないし半壊以上は対象者になるが、お金が当たり前にかかる子育て世代は全く支援されず全てにおいて税金の免除や減免も半壊でなければ受ける事ができません。一部損壊でも苦しい子育て家庭はたくさんあります、多子家庭の補助、減免をして頂きたいです。(七尾市、高2、小6世帯)
⚫賃貸物件がなく、住む場所をどうすべきか悩んでいます。早く住める場所が選べるくらいに住む場所が増えることを願います。仕事もなくなり変更せざるをえなかったり正規の仕事もなかなか見つからないのも不安です。(穴水町、小6世帯)
⚫希望が持てる方針を打ち上げて欲しい。見捨てられ感があります。(能登町、高1世帯)
⚫生活再建支援金や義援金を貰っても、今の現状では正直生活がキツイです。ギリギリです。食べ盛り育ち盛りの子ども達を抱えている側にしたら、キツイですよね。お腹いっぱい食べさせてあげたい。(輪島市、高1、中3、中2世帯)

<本調査結果を受けての「セーブ・ザ・チルドレン」の今後の活動>
能登半島地震から2025年1月1日で1年を迎える中、本調査結果から、子どもを含む被災地域の人々がおかれた厳しい状況がより具体的に明らかになりました。
セーブ・ザ・チルドレンは、今回の結果を受けて、子どもに関わる公的な支援制度の改善などを国や自治体、社会に働き掛けていきます。また、子どもや保護者などの声に基づいて、能登半島地震・奥能登豪雨の影響にある子どもたちの支援を続けていきます。

<能登子どもサポート給付金概要>
【対象者】
以下の要件1、2両方にあてはまる世帯の現在小学6年生または中学校、高校などに在学している子ども
※学校は、国公立(県立・市立など)および私立、特別支援学校、通信制・定時制高等学校、中等教育学校、高等専門学校などの学校(一条校:学校教育法第一条に該当する学校をさす)に加え、一条校以外の各種学校、外国人学校、フリースクールも含みます。
1. 2024年1月の能登半島地震もしくは9月の奥能登豪雨発生時に石川県七尾市、穴水町、能登町、珠洲市、輪島市のいずれかに在住(罹災証明住所が左記5市町内、セーブ・ザ・チルドレン活動地域)
2. 2024年1月の能登半島地震もしくは9月の奥能登豪雨により災害時居住していた住宅が一部損壊・準半壊・半壊・中規模半壊・大規模半壊・全壊のいずれかに認定
※現在、上記の市町以外に避難・引っ越しした世帯の子どもも対象になります。
【給付内容】 子ども一人につき一律3万円(返還の必要なし)
【申請期間】 2024年11月1日(金)正午~12月16日(月)正午

<セーブ・ザ・チルドレン概要>
1919年に英国にて創設。現在、世界約120ヶ国で子ども支援活動を展開する国際NGOです。日本では1986年にセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが設立しました。2024年1月の能登半島地震の発災を受け、被害の大きかった地域のうち、石川県七尾市、穴水町、能登町、珠洲市、輪島市で緊急支援活動を実施。子どもたちや保護者のニーズにもとづき、避難所で緊急物資の提供や災害時の子どもの居場所「こどもひろば」を実施したほか、学校などへの備品支援や給食補食支援、放課後児童クラブ(学童保育)支援員向けに子どものための心理的応急処置研修を行うなど、これまでに7,000人以上の子どもや大人に支援を届けました。

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