国際NGOセーブ・ザ・チルドレン、乳幼児期の見えにくい貧困実態を明らかに:国内最大規模約500世帯の「乳幼児生活状況調査」初実施
PR TIMES / 2025年2月12日 13時45分
経済的に困難な状況にある世帯では、約半数が紙おむつ、約4割が粉ミルクを買えないことも保護者の7割以上が「孤独」を感じることが判明
子ども支援専門の国際NGOである公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(理事長:井田純一郎、本部:東京都千代田区、以下セーブ・ザ・チルドレン)は、乳幼児がいる経済的困難な状況にある子育て世帯の調査を実施しました。幼い子どもを育てるにあたっての経済的負担感や、ひとり親の孤独といった実態、また実際に求められている支援を把握することが目的です。
3歳以下の乳幼児がいる、非課税世帯、児童扶養手当受給世帯などを対象に、2024年6-8月にアンケートを行い、同様の調査では国内最大規模となる約500世帯(全国)から回答を得ています。
本調査では、経済的な理由により、保護者のおよそ半数が紙おむつを、また約4割が粉ミルクを買えなかった経験がある※ことがわかりました。また、子育て中に孤独感を感じる人は7割以上いる一方で、6割以上が乳幼児健診時の相談対応に不満や心理的ハードルを抱えていることが明らかとなりました。
※完全母乳育児を選択している人は含まない。
本調査結果を踏まえ、低所得世帯向けの紙おむつなど育児用品の支援や、特に支援が必要な妊産婦への対策強化を、こども家庭庁をはじめ関係省庁や自治体へ訴えていきます。
【アンケート調査結果(全文)】
https://www.savechildren.or.jp/news/publications/download/nyuyoji2025.pdf
<主な調査結果> 「深刻な物的・経済的な困窮状況」と「母親の孤立」が明らかに
- 経済的困難な状況にある乳幼児の子育て世帯のおよそ半数(49.2%)が、経済的な理由により紙おむつが買えなかった経験が「ある」と回答した。その際の対応として74.6%が「おむつを替える回数を少なくした」と回答した。
- 39.6%が、経済的な理由により粉ミルクが買えなかった経験が「ある」と回答した。その際の対応として「粉ミルクを薄めて飲ませた」が41.1%と最も多く、次いで「粉ミルクをあげる量を減らした」が27.9%、「粉ミルクをあげる回数を減らした」が26.8%だった。
- 子育て中の孤独感について聞いたところ、孤独感を感じることが「よくある」が34.8%、「時々ある」が37.5%と、「よくある」「時々ある」を合わせると7割以上が孤独感を感じていることがわかった。また、49.0%が「経済的な理由から適切な養育ができないのではないかと思ったことがある」と回答した。
- 乳幼児健診時に子どもの健康以外の悩み事や不安について、24.6%が「相談しようと思わなかった」と回答、また18.1%が「相談したが解決しなかった、気持ちが楽になることはなかった」、13.8%が「あまり相談できなかった」、6.5%が「まったく相談できなかった」と回答しており、6割以上が相談について、何らかの困難や心理的ハードルを抱えていることがわかった。
<調査概要>
⚫ 調査目的:乳幼児(3歳以下の子ども)を育てる世帯の生活状況を把握し、経済的負担感や悩み、求める支援などを把握すること
⚫ 調査対象:当会の支援事業「ハロー!ベビーボックス」や「子どもの食 応援ボックス」等を利用した世帯のうち、3歳以下の子どもを育てる世帯
⚫ 調査方法:上記世帯に対し、オンラインアンケートをメールにて案内。本調査報告書記載の質問についてはすべて任意回答
⚫ 調査期間:2024年6月22日~8月6日
⚫ 有効回答数:480世帯(人)
⚫ 調査協力:長崎大学教育学部 小西祐馬准教授
⚫ 調査結果:https://www.savechildren.or.jp/news/publications/download/nyuyoji2025.pdf
※貧困研究など行う、長崎大学・小西祐馬准教授による講評も記載しています
<主な調査結果>
⚫ 紙おむつを買えなかった経験とその際の対応について
経済的な理由により紙おむつが買えなかった経験が「ある」と回答したのは49.2%であり、その際の対応として74.6%が「おむつを替える回数を少なくした」と回答した。乳幼児の抵抗力は未熟であり、不衛生な状態が長時間続くことで、おむつかぶれなどの肌トラブルや感染症などにもつながるリスクがある。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/5097/323/5097-323-362ebbe9835b4962fe4577e9272c2bc9-758x376.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
⚫ 粉ミルクを買えなかった経験とその際の対応について
経済的な理由により粉ミルクが買えなかった経験についてたずねたところ、「ある」と回答したのは39.6%だった。その際の対応として「粉ミルクを薄めて飲ませた」が41.1%と最も多く、次いで「粉ミルクをあげる量を減らした」が27.9%、「粉ミルクをあげる回数を減らした」が26.8%だった。経済的理由から離乳食開始前の乳児へ適切な方法で栄養が与えられておらず、乳児の発達や健康への影響が懸念される。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/5097/323/5097-323-b0715e2b621a5698ffbe68f986a80dac-769x232.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/5097/323/5097-323-bea18d19a0e8d1c50af563423c06986c-753x275.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
⚫ 子育て中の孤独感や子どもの養育について
子育ての中で孤独感を感じることが「よくある」が34.8%、「時々ある」が37.5%と、「よくある」「時々ある」を合わせると7割以上が孤独感を感じていることがわかった。また、乳幼児の子育てについては、49.0%が「経済的理由から適切な養育ができないのではないかと思ったことがある」と回答しており、経済的理由による子育て不安が大きいことがわかる。
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/5097/323/5097-323-4f41d9e2fe5d4aa6b4578242d7ba8da6-757x281.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/5097/323/5097-323-c50231697cf9714c9b6e89ebc6440442-798x356.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
⚫ 乳幼児健診時の相談について
24.2%が「相談できて、解決した、気持ちが楽になった」と回答した一方、24.6%が「相談しようと思わなかった」と回答した。また「相談したが、解決しなかった、気持ちが楽になることはなかった」「あまり相談できなかった」など、合わせて6 割以上(グラフ赤枠部分)がネガティブな反応を示しており、相談機能が十分に機能していないことが示唆される。
[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/5097/323/5097-323-fc33a2481d770623a3ef74f28e9953c1-775x350.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
<本調査結果を受けての今後の活動>
セーブ・ザ・チルドレンは本調査結果を踏まえ、低所得世帯向けの紙おむつなど育児用品の支援や、特に支援が必要な妊産婦への対策強化を、こども家庭庁をはじめ関係省庁や自治体へ訴えていきます。
また、低所得世帯の育児費用の負担を軽減し、少しでも安心して赤ちゃんを迎える準備ができるよう、引き続き「ハロー!ベビーボックス」を通じて「安心、安全な環境に生まれ育つ」といった子どもの権利を保障するため、支援を継続していきます。
<セーブ・ザ・チルドレンの日本の子どもの貧困問題解決への取り組み>
セーブ・ザ・チルドレンは、2010年から日本の子どもの貧困問題解決への取り組みを開始し、現在、1)経済的に困難な状況にある子どもや保護者への直接支援、2)調査の実施や教材の普及など社会啓発、3)子どもの貧困対策の拡充のための政策提言 という 3つの柱をもとに活動しています。 2022年5月からは経済的に困難な状況にある低所得世帯やその他さまざまな困難を抱える妊産婦とそのパートナー、家族の育児費用の軽減を目的とし、新生児向けの育児用品を提供する「ハロー!ベビーボックス」を実施しています。
2024年までの3年で計4,073箱を配布し、2025年も本取り組みを継続予定です。
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