【テレビで大反響】「ヒマさえあればスマホでゲーム」という人、そして子どもたち。その“目”は大丈夫? 問い合わせ殺到のNHK番組を書籍化! 『子どもの目が危ない』が6/10(木)に発売!!
PR TIMES / 2021年6月4日 13時15分
子どもたちの間で、視力検査ではわからない「近視」が急増中。眼球の形が変わり、元に戻らなくなって近視が進行してしまうのだ。「隠れ近視」の実態を詳細にレポートし、科学的に根拠のある解決策までを一挙に提示!
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今年1月のNHKスペシャル「わたしたちの“目”が危ない」には放送直後から問い合わせが殺到しました。無理もありません、視力検査では本当の近視の実態はつかめず、子どもたちの間ではその倍の規模で「眼球が伸びてしまう」近視が拡がっているというのです。
大人も例外ではありません。近視は成人でも進行し、強度の近視になると緑内障で3倍、白内障で6倍、網膜剥離で22倍、発症リスクが高まる可能性も指摘されています。
2020年春、子どもの近視は史上最悪を記録。小学生の34%、中学生の58%、高校生の68%に上りました。
そこへ襲ったのがコロナ禍。誰もが外へ出ず家の中でスマホ、ゲーム、パソコンに接する時間が増えました。
すでに眼科医の常識になっているのが、「30センチ以内を20分以上見続けると眼球が伸び、近視が進んで元に戻らなくなる」ということ。番組が600人規模の調査を行うと、はたして休校明けに近視の子は3割も増加していました。この危機に、親は、学校は、どう対処すればいいのでしょうか?
本書では科学的根拠に基づく治療法から、すぐできる「進行抑制策」、そして大人の眼精疲労にも効果てきめんの眼鏡・コンタクトレンズ選びまでを、豊富な事例とともに紹介します。
本文より
「近視」。この言葉を聞いて、深刻なイメージを持たれた方はどれほどいるだろうか。
私たち一般の人間はもちろん、専門家たちにすら「近視はメガネをかけて(コンタクトレンズをつけて)視力を矯正すれば、日常生活を問題なく送ることができ、それ以上のことは必要ない(あるいは、できない)」と少し前まで考えられてきた。しかし近年、そうではないということが急速に明らかになりつつある。
世界保健機関(WHO)もレポートを公表し、2050年には世界人口の半数である約50億人が近視になるとの研究機関の試算を引用。その上で、これに伴って失明する人の数も急激に増加する可能性があるとして、「公衆衛生上の危機」と警告を発している。
日本も例外ではない。それどころか、日本が属する東アジアは「最も近視の多い地域」だ。文部科学省が行う「学校保健統計調査」でも、視力1.0未満の子どもの数は増え続け、2019年度には高校・中学校・小学校で、調査を開始して以来最悪の数値が記録された。まさに「超近視時代」の到来である。
視力1.0未満の子どもの割合
[画像2: https://prtimes.jp/i/18219/325/resize/d18219-325-312392-0.gif ]
NHKの取材班が専門家と協力して2020年に独自に行った約600人の小学生の目の調査からも、全体の半数以上、6年生では8割近くが近視だという実態が浮かび上がってきた。
現代の子どもたちの目に、いったい何が起こっているのか。取材を進めると、驚くような事実が、次々とわかってきたのである。
まず、近視の子どもの目では眼球の長さが伸びてしまっている、ということ。眼球は一度伸びると元に戻ることはない。この伸びによって、白内障や緑内障など様々な合併症のリスクが上昇。進行が強度に至った一部の人では目の機能が著いちじるしく低下し、目だけでなく、うつ病など意外な病気との関連も報告され始めている。
一方、リスクだけではなく近視への対策方法も明らかになりつつある。世界中の研究者が、この危機に立ち向かう方法について調べ、成果が上がり始めているのである。その最も大きなものが、「近視の進行を抑制する新しい治療法」と「近視は生活の習慣を変えることで対策できる」ということだ。
遺伝だからしょうがない……とも考えられてきた近視。しかし、それを引き起こす原因も、また対策のカギも、私たちの毎日の生活の中に隠されていることが、研究結果から次々と証明されてきているのだ。
また、子どもはもちろん、すでに近視になってしまっている大人にもできることがある。それは、自分にぴったりのメガネやコンタクトを選ぶことだ。その方法については、第4章で詳しく紹介したい。
じつは、4万人以上の目を診察してきた専門家を取材したところ、診療実感として、メガネやコンタクトが目に合っていないという人は8~9割に及ぶ……という衝撃的な言葉が返ってきた。合わない矯正を行うことで、「ピントが合いづらい」「目が熱い・痛い」といった症状のみならず、頭痛や肩こり、めまいなどの眼精疲労につながっている人が非常に多いというのだ。しかも、子どもの場合には眼精疲労だけでなく、近視進行のリスクを高めてしまうこともわかってきている。
目や近視の分野は、身近で関心が高いからこそ、「誤った常識」が世の中に蔓延している。一方で、近年の研究で明らかになった「新常識」や「対策」も多く、まだまだ世の中に十分浸透しているとは言えない。まずは「知ること」から始めていただければと思う。
それが、「超近視時代」にあって、あなたの子どもの、そしてあなた自身の目を守るための着実な足がかりになるはずだ。
目 次
序章 超近視時代の“常識〞を更新しよう
第1章 子どもの目に異変が起きている ――知られざる“8割近視〞の実態
第2章 近視はなぜ危ないのか ――合併症からうつ病まで
第3章 海外に学ぶ最新の近視対策 ――治療・予防法はここまで進んでいる
第4章 「過矯正」が近視を悪化させる ――メガネ(コンタクトレンズ)の本当の選び方
著者紹介
大石 寛人(おおいし・ひろと)
NHK制作局・第3制作ユニット(科学)番組ディレクター。筑波大学大学院数理物質科学研究科(博士前期課程)修了後、2011年にNHK入局。NHKスペシャルやクローズアップ現代などの番組を担当し、「防災」「原子力」「近視」などのテーマを中心に取材。
商品情報
[画像3: https://prtimes.jp/i/18219/325/resize/d18219-325-863913-2.jpg ]
NHK出版新書
子どもの目が危ない
~「超近視時代」に視力をどう守るか
著者:大石寛人、NHKスペシャル取材班
出版社:NHK出版
発売日:2021/6/10
定価:913円(税込)
判型:新書判
ページ数:192ページ
ISBN:978-4-14-088657-1
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