「競技を観に来て下さい」体操男子 内村航平選手が書籍『栄光のその先へ』発売記念イベント
PR TIMES / 2017年1月29日 17時35分
~ららぽーと豊洲にてミニトーク&サイン本お渡し会を開催~
オリンピック個人総合2連覇&世界体操競技選手権個人総合6連覇という栄光の中にいる内村航平選手。しかし彼の言葉を紐解くと、そこには「みなさんを感動させたい」「この経験を下の世代に伝えたい」「体操をもっと知ってほしい」という思いが、徐々に湧き上がってきたことがわかります。今年からプロに転向した内村選手のこの真摯な思いは、記念イベントで本人の口から直接多くの方に届けられました。
本日1月29日、アーバンドック ららぽーと豊洲・1F「センターエントランス」にて、体操男子・内村航平選手の書籍『栄光のその先へ 内村航平語録―8年無敗の軌跡』(ぴあ)発売記念イベントが開催されました。
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19歳で初出場した2008年の北京オリンピックで銀メダルを手にし、全世界の注目を集めた内村選手。その後、2012年ロンドン、2016年リオデジャネイロと、これまでに日本代表として3度オリンピックに出場し、個人総合2連覇を含む7つのメダル(金3、銀4)、世界体操競技選手権の個人総合では、世界最多の6連覇を含む19個のメダル(金10、銀5、銅4)を獲得してきました。また、今年12月からは、日本体操界初のプロ選手に転向。日本体操界のさらなる発展のため、歩みを進めようとしています。
彼をそこまで体操に駆り立てるものは何なのか? 彼の体操への思いとは―。1月25日に発売された書籍『栄光のその先へ 内村航平語録―8年無敗の軌跡』では、2008年から2016年までの8年間、彼が残してきた言葉の数々を写真とともに収録。前半は彼の印象的な言葉を、後半は「内村航平クロニクル」と題し、個人総合優勝38連勝を続けるなかでの成長や変化を年代順に追い、読み解きます。
イベントには、紀伊國屋書店・ららぽーと豊洲店 にて、同書を予約購入した先着150名が参加。内村選手が同書からピックアップした3つの言葉にまつわるミニトークショーと、サイン本のお渡し会が行われました。
会場に内村選手が登場すると、参加者や通りかかった買い物客から大きな拍手。内村選手から「みなさん今日はお集まりいただき、ありがとうございます。本が発売されて、語録集なんですけど、少しでも何かみなさんの心に響くものがあれば、活かしていただきたいと思っています。今日はよろしくお願いします」という挨拶に続き、トークショーのスタートです。
1つめのトークテーマは、同書96ページの言葉「演技をするときに一番に思うことは見ているみなさんを感動させること」から。北京オリンピックのころからこういう思いを持つようになったという内村選手は「体操というのは、見ている人に感動を与えられる競技だと思いますので、そういったところを重視していかないと、点数にも反映されないし、自分が競技者として、何をやってるのかわからなくなってしまう」と語りました。
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続くテーマ「僕が経験してきたことを伝えていかなきゃな、と。どうにかして伝えていきたいに変わった」(P65)では、今年からプロに転向したことを踏まえ、「世界選手権6連覇というのと、オリンピック2連覇というのは、体操選手としては初めて残せた成績ですので、この経験を下の代にいかにどうやって伝えていくか、そして見ているみなさんにどう伝えていくかということが、これから先、僕のやっていく仕事だと思いますし、今後の体操界にもつながること。どうにかして伝えていきたい」とコメント。今年はテレビ番組に多数出演するなど、新たな一面も見せており、インタビュアーから「今日は大勢の方がいらっしゃってますが、手を振っても恥ずかしくないですか?」と聞かれると、「全然恥ずかしくないです」と手を振る場面も。
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ラストのテーマは「イメージで120%作っておいて練習でその集中力のまま1本やる。試合と同じ気持ちで1本バチッとやって決めたら、それはもう試合をやったのと同じ」(P121)。会場には親子連れも多く、“集中力”のコツについて「1つ大きな目標をたてるということは大事なんじゃないかなと思います」とアドバイスを。「僕は、一番大きな目標をまずたてて、今だと東京オリンピックに出場するという目標から、目標を細分化するというか、1日1日の目標に変えていって、それを1つ1つ達成するというところからはじめてるんです」と説明すると、来場者みな真剣な表情で聞き入っていました。
最後に「みなさんに会場に足を運んでいただいて、競技を見て、何かを感じてもらえたら、僕はそれだけでもすごくうれしいので、できれば会場に足を運んで、競技を観に来て下さい。よろしくお願いします」とメッセージを送った内村選手。最後にもう一度、笑顔で会場に手を降ってくれました。
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<内村航平選手書籍『栄光の先へ』発売記念イベントコメント>
内村選手:みなさん今日はお集まりいただき、ありがとうございます。本が発売されて、語録集なんですけど、少しでも何かみなさんの心に響くものがあれば、活かしていただきたいと思っています。今日はよろしくお願いします。
●トークテーマ1
「演技をするときに一番に思うことは見ているみなさんを感動させること」(P96)
内村選手:これは2009年12月のコメントなんですけど、このころから徐々に結果を残すことよりも、みなさんに何を伝えたいか、演技でどういうことを伝えたいかと。体操というのは、見ている人に感動を与えられる競技だと思いますので、そういったところを重視していかないと、点数にも反映されないし、自分が競技者として、何をやってるのかわからなくなってしまうというところもあって、見ている人に感動を与えることをやっていかないといけないのかなと思って、この言葉が出たんだと思います。
MC:いつくらいからこういう気持ちに変わりましたか?
内村選手:2008年に初めてオリンピックに出場させていただいて、その翌年に、個人総合で初めて世界チャンピオンになって、初めて金メダルを手にしたときに、結果以上にそういうところを求めていかないといけないのかなというふうに変わったので、やはり北京オリンピック後だと思います。
MC:まだ19、20歳ごろですね。そのことで体操自体も変わったということですか。
内村選手:そうですね。体操自体も変わりましたし、自分の意識もすごく変わりました。
●トークテーマ2
「僕が経験してきたことを伝えていかなきゃな、と。どうにかして伝えていきたいに変わった」(P65)
MC:プロ転向と大きな関わりがあるかと思います。そこのところをお聞かせ下さい。
内村選手:そうですね、やはり、世界選手権6連覇というのと、オリンピック2連覇というのは、体操選手としては初めて残せた成績ですので、この経験を下の代にいかにどうやって伝えていくか、そして見ているみなさんにどう伝えていくかということが、これから先、僕のやっていく仕事だと思いますし、今後の体操界にもつながることだと思いますので、どうにかして伝えていきたいという思いがありました。
MC:先日テレビ番組にも出られていましたが、今後もそういう機会が増えるということですか。
内村選手:そうですね、この1月もテレビ出演やイベントなど、すごく出せてもらって、そういうところで体操の素晴らしさ、自分の演技の見どころなどを語っていくことで、体操が広がるんじゃないかなと思っているので、そういうことも今後は徐々にやっていきたいなと思っています。
MC:内村選手は恥ずかしがり屋の印象がありますが、メディアに出る恥ずかしさはないですか?
内村選手:もうないですね。最初の頃、19歳、20歳くらいのときは、あまり好きじゃなかったし、自分で伝えていきたいという思いもあまりなかったんですけど、やはり、成績を残すにつれて、どうにかして伝えていきたいなっていうふうに変わっていきました。今は恥ずかしさは全然ありません。
MC:今日は大勢の方がいらっしゃってますが、手を振っても恥ずかしくないですか?
内村選手:全然恥ずかしくないです(笑)。
MC:2020年、我々日本人にとって大切なイベント、東京オリンピックへの強い思いがあるかと思いますが、いかがですか。
内村選手:この近くが拠点になると思うんですけど、なかなか自分の生まれた国でオリンピックが見られるというチャンスもないんですが、僕の場合は競技者として、目指せる年齢でもありますし、そこは絶対に目指さないといけないところだと思います。日本でオリンピックをやることによって、日本の素晴らしさも世界に伝えられると思うので、日本の素晴らしさとともに、競技としての素晴らしさも世界に発信していけたらいいなと思っています。
MC:先日28歳の誕生日を迎えられましたが、年齢、衰えに対する恐怖みたいなものはありますか?
内村選手:ありますね。先日、中村俊輔さんと対談させていただいたんですけど、中村俊輔さんも長く競技をやってこられて、衰えというのは絶対くるものなので、そこはそこで認めて、いかに自分の武器を強みにしていけるかというヒントをくださったので、そういうことを経験していって、僕もこれからまたどんどん強くなれるんじゃないかなと。
MC:6種目やってこそのという思いもあるかと思いますが。
内村選手:リオオリンピックが終わったあとはもう、体操はお腹いっぱいですという感じだったんですけど(笑)、でもフツフツとこみ上げてくるものがあり、自分は今まで6種目で体操をやってきて、これだけ世界のみなさんを驚かせてこれたと思っているので、そこは引き続き同じようにやっていけたらいいなと思っています。
●トークテーマ3
「イメージで120%作っておいて練習でその集中力のまま1本やる。試合と同じ気持ちで1本バチッとやって決めたら、それはもう試合をやったのと同じ」(P121)
MC:今日お子様もいらっしゃっているので、“集中”についていいヒントになると思います。
内村選手:なかなか本番を想定して練習をやるというのは難しいことなんですが、ただやればいいというものじゃないと思っていて。同じ状況を自分でリアルに作り出して、そこでやった1本と、ダラダラ何本も続けたものとは全然違うと思います。体操はすごくイメージが大事な競技なんですけれども、何事においてもそうだと思います。いろんなことを想定して、いい準備をした中できちっとやるということをやれば、なんでもうまくいくんじゃないかなと僕は思っています。
MC:そう思うようになったのは何歳くらいですか?
内村選手:2010年くらいですね。21歳くらい。若い頃は、何回も練習をたくさんできる時期なんですけど、徐々に年齢が上がっていくにつれて、なかなかうまく体も動いてくれない。気持ちでなんとか持ちこたえるしかないという練習に変わってからは、集中力を極限まで高めてやる1本というのがすごく重いなと感じたので、そこから変わってきました。
MC:集中力を高めるコツみたいなものがあったら教えていただければ。
内村選手:僕は、一番大きな目標をまずたてて。今だと東京オリンピックに出場するという目標がある中で、そこから目標を細分化するというか、1日1日の目標に変えていって、それを1つ1つ達成するというところからはじめてるです。ほんとに1つ大きな目標をたてれば、モチベーションもおのずと上がりますし、調子が悪いときでも、その目標を絶対達成したいということを考えてやれば、集中が一気に上がるところがあるので、1つ大きな目標をたてるということは一番大事なんじゃないかなと思います。
MC:最後に一言いただいて、手を降って終わりにしましょう。
内村:なかなか体操ってどういうものが伝えづらいんですけど、やはり、試合会場で観て伝わるものがたくさんあると思います。みなさんに会場に足を運んでいただいて、競技を見て、何かを感じてもらえたら、僕はそれだけでもすごくうれしいので、できれば会場に足を運んで、競技を観に来て下さい。よろしくお願いします。
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