TBM、カーボンリサイクル技術を用いた低炭素素材「CR LIMEX」の販売を開始
PR TIMES / 2024年12月27日 11時15分
~ CO2固定化技術により、省CO2実現のためのプラスチック代替素材及び製品の早期社会実装を図る ~
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/16815/369/16815-369-6231d18da20fa69166af300f2c375eba-1800x940.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
株式会社TBM(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:山崎敦義、以下TBM)は、今年の世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)で発表した、カーボンリサイクル技術を活用した低炭素素材「CR LIMEX(シーアール ライメックス)*」の販売を開始したことをお知らせします。今回、販売を開始する「CR LIMEX」は、CO2由来の炭酸カルシウムと再生プラスチックを組み合わせた、射出成形対応の素材です。
カーボンリサイクルは、カーボンニュートラル実現に貢献する革新的技術として世界的に注目されています。日本政府が推進するGX(グリーントランスフォーメーション)戦略においても重要な取組の1つとして位置付けられています。政府の「カーボンリサイクルロードマップ」のカーボンリサイクルを拡大していく絵姿 では、従来の汎用バージンプラスチックの代替となるカーボンリサイクル製品の普及開始時期が2040年頃からと設定されています。
TBMが開発した「CR LIMEX」は、排ガス由来の CO2と工場から排出されるカルシウム含有廃棄物等を低環境負荷プロセスで化学合成したCCU炭酸カルシウムを主原料としています。副原料である樹脂部分には工場から排出される廃プラスチックを再資源化した再生プラスチックを使用しているため、カーボンニュートラルへの貢献とプラスチックの資源循環を推進し、従来の汎用バージンプラスチックと比較して環境負荷の低減が可能です。本素材開発については既に国内特許を取得し、CO2固定化技術の先進的な実用化を実現しました。
今後TBMは、鉱物由来の炭酸カルシウムを主原料とする従来のLIMEXの普及を促進しながら、CO2の固定化技術による「CR LIMEX」の普及と新たな用途開発を進め、同時にカーボンクレジットの創出も目指して参ります。
*「CR LIMEX」も従来のLIMEX素材の定義と同様に、炭酸カルシウムなどの無機物を50%以上含む無機フィラー分散系の複合素材に該当します。(CR:Carbon Recycleを意味しています)
■ 背景
世界中で温室効果ガスの削減が求められ、気候変動対策が急務となる中、カーボンリサイクル技術の普及は、カーボンニュートラルの社会づくりに大きく貢献できると期待されています。IEA の予測によると、エネルギー起源の CO2排出量の削減技術の内、カーボンリサイクル技術を含む CCUS(Carbon Capture, Usage and Storage:CO の回収・貯留)による削減量が占める割合は、2070年時点で約19%とされており、電化や再生可能エネルギーに次ぐトップ3に入っています*1。
日本政府のGX戦略において、カーボンリサイクルは成長投資分野として位置付けられており、革新的な技術と産業の創出が期待されています。2050 年のカーボンニュートラル目標の実現に向けて策定された「カーボンリサイクルロードマップ」では、従来の汎用バージンプラスチックの代替として、カーボンリサイクル製品の普及開始時期を2040年頃としており、カーボンリサイクル技術の社会実装と普及促進を掲げています*2。
世界でもカーボンリサイクル推進の動きが加速しており、アメリカは「Inflation Reduction Act(IRA)」を通じて、CCUS技術に対する補助金や税制優遇を実施しています。EUは「Fit for 55」や「欧州グリーン・ディール」によりCO2削減・再利用技術を推進し、さらにカーボンプライシングの導入が技術開発を後押ししています。
カーボンリサイクル市場規模は2022年の約18兆円から、2050年までには約277兆円に達すると見込まれており、そのうちCO2利活用製品の市場は2022年の約9兆円から、2050年までには約71兆円に達すると予測されています*3。
※1.IEA “Energy Technology Perspectives 2020”
※2.経済産業省 資源エネルギー庁「カーボンリサイクルロードマップ」
※3.富士経済「カーボンリサイクル/CO2削減関連技術・材料の世界市場を調査」
■ CO2由来の炭酸カルシウムと再生プラスチックを組み合わせた「CR LIMEX」の特徴
1.排ガス由来のCO2の固定化を実現
排ガス由来のCO2を化学合成したCCU炭酸カルシウムとして固定化することで、素材全体の約25%(重量比)にCO2を含んでいます*。製品に使用された場合は、焼却処理をされない限り、排ガス由来のCO2の長期固定化が実現できます。
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2.再生プラスチックを使用し、プラスチックの資源循環にも寄与
副原料となる樹脂部分に、廃プラスチック由来の再生プラスチックを使用することで、カーボンリサイクル技術によるCO2の有効活用だけでなく、プラスチックのマテリアルリサイクルを通じた資源循環にも寄与します。
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3.温室効果ガス排出量と石油由来プラスチック使用量を削減
バージンプラスチックと比較して、原材料調達・ペレット製造・焼却時における、温室効果ガス(GHG)排出量は約34%、石油由来プラスチックの使用量は約34%の削減が見込め、脱炭素や資源保全にも貢献します*。
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*推定に基づく概算値であり、保証値ではありません。製造条件等に応じて、数値変更の可能性があります。また、温室効果ガス(GHG)排出量や石油由来プラスチックの使用量は、今後のグレード追加や変更等により変動する可能性があります。
4.炭酸カルシウムの制御技術を活用し、安定した成形性を付与
これまでLIMEXの開発で培ってきた炭酸カルシウムの制御技術を活用することで、「CR LIMEX」においても既存のプラスチック製品の成形設備による安定した製品化が可能です。
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■ これまでの取組と今後の展開
TBMは、これまで「CR LIMEX」の開発において、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「地域に眠る技術シーズやエネルギー・環境分野の技術シーズ等を活用したスタートアップの事業化促進事業」に採択され、また、東北大学とも共同研究を実施してきました。2024年1月には、世界経済フォーラムの「Unicorn Community (ユニコーン・コミュニティ)」の一員として参加したダボス会議にて、「CR LIMEX」 のプロトタイプとなる射出成形製品やシート製品の試作品を発表しました。また、素材開発と並行して、経済産業省とNEDOが開催した「カーボンリサイクル産学官国際会議」での登壇や出展、宮城県多賀城市との包括連携等を通じて、「CR LIMEX」素材及び製品の社会実装に向けた取組を推進しています。
今後はCO2 の固定化技術による用途開発をはじめ、 様々な業界のメーカーや関連企業、 脱炭素の取組を推進する自治体との連携を強化し、カーボンクレジットの創出も目指して参ります。
[ご注文・お問い合わせ先]
「CR LIMEX」 の購入を検討されている方、また環境配慮の取組や現行品の見直しを検討されている方は、お問い合わせフォーム (https://tb-m.com/contact/)よりご連絡ください。
■ 「CR LIMEX」(シーアールライメックス)とは
石灰石を主原料とする従来のLIMEXで使用されていた鉱物由来の炭酸カルシウムを、排ガス由来のCO2と、コンクリートスラッジや鉄鋼スラグ等工場から排出されるカルシウム含有廃棄物等を低環境負荷のプロセスで化学合成したCCU炭酸カルシウムに置き換えることで、カーボンニュートラルへの貢献を推進する低炭素素材です。
[詳しくはこちら] CO2を回収・再利用した「CR LIMEX」について(TBM HP)
■ 株式会社TBM
代表者 :山崎 敦義
所在地 :東京都千代田区有楽町1-2-2 15F
設立 :2011年8月
資本金 :1億円(資本準備金含み、120億3546万円 / 2023年12月時点)
事業内容 :環境配慮型の素材開発及び製品の製造、販売、資源循環を促進する事業等
URL :https://tb-m.com/
*本リリースに記載された会社名および商品・サービス名は当社の商標または登録商標です。
*本リリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。
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