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【報道参考資料】ユニセフ・エボラ出血熱3カ国・情勢レポート 終息に向け、強化される感染予防対策

PR TIMES / 2015年2月3日 17時48分

感染疑いの子どもが報告されず、リベリアで学校再開の障壁に



[画像1: http://prtimes.jp/i/5176/416/resize/d5176-416-822224-2.jpg ]



【2015年2月3日 東京発】
エボラ出血熱の感染が続くシエラレオネ、リベリア、ギニア。現地の状況とユニセフの
活動を、ユニセフ現地事務所 情勢レポートをもとに、日本ユニセフ協会 広報室が翻訳・
編集し、ご報告します。

※各国の情勢レポートの原文は、 シエラレオネ< http://j.mp/1tZqXWG >、
リベリア < http://j.mp/1zOvwpt >、ギニア< http://j.mp/1LGHeWj >でご覧いただけます。

* * *

■■ギニア・ユニセフ情勢レポート
学校再開を果たす。学用品を35万人に配布。
【2015年1月21日 コナクリ(ギニア)発】

※本報告書の統計は、世界保健機関(WHO)が発表する週間報告に基づくものです。
(1月18日時点)

■概要
・1月19日、ギニア政府は学校を再開しました。ユニセフとパートナー団体は衛生キット
を事前に配布し、子どもたちが安全に学校に戻れるように教員を研修しました。


■ユニセフの取り組み
<保健>
・パートナー団体とともに、「子ども保健の日(Child Health Days)」キャンペーンと
題して予防接種の補強プログラムを行いました。保健リスクが高い19地区において
大きな効果を発揮しました。
・ビタミンAを6~59カ月の子ども59万4,878人に提供。
・12~59カ月の子ども48万9,847人に虫下しの治療薬を提供。
・子ども8,809人にBCGを提供。
・子ども1万4,039人にpenta 3(5種混合ワクチン)提供。

<水と衛生>
・学校再開のために2万5,800セットの学校用衛生キット(146万7,252人分)を最も被害が
大きい地域に配布しました。
・2014年3月以降、エボラの影響を受けた全地区に500万以上の石けん、消毒用の塩素、
殺菌剤を調達しました。

<栄養>
・ユニセフ、WHO、世界食糧計画(WFP)は、「治療センターにおける感染者(おとなと
子ども)の栄養管理に関するガイドライン」を共同発行しました。ユニセフは38万5,000
米ドル分の栄養支援物資を調達しました。
・9月以降、治療センターにいる患者1,114人、エボラ孤児とデイケアにいる子ども1,300人
が栄養面での支援を受けました。
・患者、および感染者との接触者3,200人に高カロリービスケットを提供しました。
・重度の急性栄養不良の子ども3,000人が、最もエボラの影響を受けている地域で栄養ケア
を受けました。

<子どもの保護>
・両親または親の一方をエボラによって亡くした孤児の子ども4,113人が特定されました。
・1,087人の地域ボランティアによって、エボラ出血熱の影響を受けた子ども1万6,044人
(両親または親の一方を失ったエボラ孤児の子ども2,598人を含む)が心のケアを提供
しました。

<教育>
・2014年~2015年の学年度が2015年1月19日に再開されました。政府からの要望により、
ユニセフは子どもたちが安全に学校に戻れるように以下の支援を提供しました。
・教員8万657人 に、エボラの症状と学校でエボラの感染を防ぐ方法に関する研修を実施。
・学校に衛生キット4万8,615セットを配布。
・感染が疑われる場合の効果的な管理手順の整備・実施 。
・校に通うギニアの子ども35万人に学用品を提供。

<その他>
・広報チームは放送局4局に安全な埋葬についてのビデオを配布しました。ビデオでは、
イスラム教やカトリック教の宗教指導者が、宗教的な観点でエボラから身を守るための
安全な埋葬についてメッセージを寄せています。


* * *


[画像2: http://prtimes.jp/i/5176/416/resize/d5176-416-578714-1.jpg ]



■■リベリア・ユニセフ情勢レポート
エボラに感染した子どもおよそ2,000人が未だ特定されていない模様。
この状況のなかでの学校再開を懸念。
【2015年1月21日 モンロビア(リベリア)発】

※本報告書の統計は、リベリア保健社会福祉省が発行する報告書に基づくものです。
(1月18日時点)

■概要
・保健社会福祉省によると、1月18日時点で、リベリアのエボラ出血熱の感染者数は累計
で8,468人となりました。感染数は1週間の新規感染者が300人以上であった2014年8月・
9月のピーク期より減少し、2015年1月18日週の感染者数は8人となっています。
・流行当初からユニセフが提供する、命を守るために必要不可欠な支援物資は、1万84
立方メートル(2,380万米ドルに相当)分に上ります。これらは、エボラ出血熱の予防
や、各家庭や地域ケアセンター、エボラ治療ユニット、早期隔離・治療拠点、一時的
ケアセンター、トランジット・センター、医療施設といったさまざまなレベルでの治療
ケアを行うために提供されています。
・エボラ孤児と登録された子どもは4,519人に上ります。特定された子どもたち全員が
心のケアを受けています。一方で約7,500人の子どもたちがエボラ孤児の可能性があると
みられています。


■ユニセフの取り組み
<子どもの保護>
・保健社会福祉省によると、人口の55%を子どもが占めているにも関わらず、感染者に
占める子どもの割合はわずか16%であったことが明らかとなりました。同様に、エボラ
出血熱による死亡者に占める子どもの割合は17%でした。したがって、エボラに感染
した子ども2,000人相当が未だ特定されていないと考えられます。報告されていない
子どもの感染者の存在は、学校を再開する際、感染を広げるような深刻な問題となる
可能性があります。

<保健と栄養>
・定期予防接種強化活動の第2弾として、5歳未満児にはしかの予防接種が開始されます。
ユニセフは予防接種の重要性に関する啓発活動に加え、ワクチンの保冷管理と予防接種
チームへの支援を行っています。
・2014年12月に、重度の急性栄養不良の5歳未満児483人がマルギビ県のユニセフが支援
する栄養不良治療プログラムに入りました。

<水と衛生>
・モントセラド県を含めた6県で、合計で1万5,185人の住民が衛生改善とエボラに関する
認識向上のためのメッセージを受け取りました。これに加え、モントセラド県と
マルギビ県の世帯に配布する衛生キット2,100セットが送られました。エボラ流行以来、
ユニセフは石けんや漂白剤などが入った衛生用キットを、影響が大きい地域と5つの県
の5万6,730世帯に提供しています。手洗いの啓発活動を通じたこうしたキットの正しい
使用と水質の改善は、下痢や熱、嘔吐を防ぎ、エボラに感染の疑いがあるとみなされる
症例を少なくすることにつながります。エボラは感染初期に特別な症状があるわけでは
ないため、マラリアや腸チフス、コレラなどの細菌性感染症でよく見られる症状と
エボラを混乱させる原因となる可能性があります。

<教育>
・ユニセフは保健社会福祉省ならびに主要パートナーとともに、学校再開へのプロセス
における関係者(親、子ども、教員、事務員、コミュニティ、PTA)の主な行動と責任
に焦点をあてた学校再開に向けた手順(簡易版)の作成を進めています。

<開発のためのコミュニケーション>
・ユニセフは、社会啓発活動に焦点をあてたチームで、主要な役割を担っています。
・グランド・ケープ・マウント県において、最前線で活動する人々と宗教・伝統的指導者
890人を対象にオリエンテーションを実施。


* * *
[画像3: http://prtimes.jp/i/5176/416/resize/d5176-416-541648-0.jpg ]



■■シエラレオネ・ユニセフ情勢レポート
保護者と離れ離れになった子どもや孤児1万5,000人以上
【2015年1月21日 フリータウン(シエラレオネ)発】

※本報告書の統計は、シエラレオネ保健衛生省が発行する日刊報告書に基づくものです。
(1月19日時点)

■概要
・家族の追跡ならびに再会ネットワークを通じてユニセフによって登録された子どもは、
両親、または一方の親を失った子ども8,019人と保護者が不在または離れ離れとなって
いる子ども565人を含めた1万5,623人となりました。


■ユニセフの取り組み
<保健>
・保健員が技術と自信を持って定期的な保健・予防接種拡大プログラムを5歳未満児に
確実に提供できるよう、保健員の訓練を行うため、ユニセフは保健衛生省と地区保健
管理チームを引き続き支援しています。今週、508の保健所で働く1,016人に訓練が
行われました。

<栄養>
・急性栄養不良の総合管理の一環として、 149地域のうち59地域(260コミュニティに相当)
で5歳未満児の計1万901人がコミュニティ・レベルで検査を受けました。合計で154人の
重度の急性栄養不良の子どもが特定され、食事治療プログラムのための施設に搬送され
ました。一方で内科的な合併症を伴う35人が、小児科や栄養面のケアを受けるために
入院しています。合計で214箱のすぐ口にできる栄養治療食が使用されました。ユニセフ
は24のエボラ治療ユニット、10のエボラ治療ユニット兼エボラ待機センター、56の
エボラ待機センター、21の一時的ケアセンター、19の観察用一時的ケアセンター、そして
栄養支援を直接行う46の地域ケアセンターを設置しています。

<水と衛生>
・エボラ・センターが確実に安全な水源にアクセスできるよう、ユニセフとパートナー
団体の支援を受けて定期的な整備と水質調査が行われました。2014年6月以降、7地区で
活動するユニセフの水と衛生に関するパートナー団体が、エボラ予防メッセージを60万
2,590人以上に提供しました。

<子どもの保護>
・エボラの影響を受けている子ども365人が、シエラレオネの社会福祉・ジェンダー・
子ども担当省とユニセフによって特定されました。296人(男の子161人、女の子135人)
は家庭内で隔離され、6人(男の子4人、女の子2人)は治療中であることが確認され
ました。51人(男の子26人、女の子25人)または登録されている子どもの17%は、
一方もしくは両方の親を失っており、13人(男の子3人、女の子10人)または登録されて
いる子どもの4%は保護者が不在または離れ離れになっています。
・エボラ出血熱の流行が確認されて以来、これまでに心のケアが必要と確認された子ども
1万1,194人のうち9,314人(83%に相当)が心のケアを受けています。

<教育>
・緊急ラジオ教育プログラムの視聴者調査が行われました。10地区の2,801世帯が訪問を
受け、子どもがラジオ教育プログラムを聞いているか調査されました。初等教育を受け
ている子どもがいる世帯の51.3%が放送を聞いていました。ユニセフは教育省や
パートナー団体とともに、エボラの予防、啓発活動、心のケアに関する教員のための
訓練用資料を作成するためのワークショップを開きました。

<開発のためのコミュニケーション>
・性交渉を通じた配偶者へのエボラの感染に関する、さらなる懸念が一部地域で確認
されています。回復者と配偶者に危険性と予防法について、更なる教育と
カウンセリングが必要です。


* * *

■参考情報
1月28日のWHO発表によると、エボラ出血熱の流行が始まって以来、感染者は2万2,000人
を超え、約8,800人の死亡が確認されました。一方、ギニア、リベリア、シエラレオネ
では、2014年6月最終週以来はじめて、1週間の新規感染者の合計が100人を下回り
ました。感染者数は、シエラレオネとリベリアでは減少が続いており、ギニアでは前週
に比べて増加しています。このことから、エボラへの対応は、感染のスピードを減速
させることから、流行を終息させることへと移ったと発表しました。感染者・死亡者の
内訳は以下の通りです。

ギニア 感染者 2,917人 死亡者 1,910人
※医療従事者162人感染(うち88人死亡)
リベリア 感染者 8,622人 死亡者3,686人
※医療従事者371人感染(うち179人死亡)
シエラレオネ 感染者 10,518人 死亡者 3,199人
※医療従事者283人感染(うち221人死亡)
マリ 感染者8人 死亡者6人
※※2015/1/18  終息宣言
ナイジェリア 感染者20人 死亡者8人
※医療従事者11人感染、2014/10/20終息宣言
セネガル 感染者1人 死亡者0人
※2014/10/17終息宣言
スペイン 感染者1人 死亡者0人
※医療従事者1人感染
米国 感染者4人 死亡者1人
※医療従事者3人感染
英国    感染者1人    死亡者0人
※医療従事者1人感染
合計 感染者 22,092人 死亡者 8,810人

出典:WHO EBOLA RESPONSE ROADMAP SITUATION REPORT UPDATE 28 January 2015


* * *

■ 本件に関するお問い合わせ
日本ユニセフ協会 広報室
TEL:03-5789-2016  FAX : 03-5789-2036  Eメール:jcuinfo@unicef.or.jp

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