新型コロナウイルス緊急医療援助:エアーテント式治療ユニットと共に医療チームをイランへ派遣
PR TIMES / 2020年3月23日 18時35分
国境なき医師団(MSF)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の緊急医療援助として、イランにエアーテント式治療ユニットと緊急対応チームを送り、現地の病院でより多くの重篤患者に対応できるよう援助する。
[画像: https://prtimes.jp/i/4782/471/resize/d4782-471-860709-0.jpg ]
エアーテント式治療ユニットを空輸
MSFはフランス・ボルドーのMSF物流拠点から、イラン国内で2番目に感染者数が多いイスファハン州に向けて、50床のベッドを備えるエアーテント式治療ユニットを空輸した。到着後、アミン病院の敷地内に設置される。この治療ユニットは、厳しい医学的管理のもとでケアを受け続ける必要がある重篤患者を治療できるよう整備されている。
さらに、救急医、集中治療室(ICU)医師、ロジスティシャンで構成される9人のMSF緊急対応チームを派遣し、この設備の運営にあたる。チームはイラン保健当局と緊密な連携をとりながら、地元の医療スタッフと協力して活動を進めていく。
MSFイラン事務所代表のジュリー・ルヴェルゼはこう話す。「イランは周辺一帯の国々と比べて新型コロナウイルスの影響を圧倒的に大きく受けており、イスファハン州はそのイランの中でも2番目に深刻な状況です。 私たちの援助により、地元の保健医療の負担が軽減されることを願います。感染拡大にあたってイラン当局から支援要請を受け、特に必要とされる、最重症患者の治療援助を申し出ました」
イランにおける長年の経験
MSFは1991年にイランで活動を始めて以来、複数の緊急事態に対応してきた。2003年のケルマーン州バム郡の震災や、ロレスタン、ゴレスタン、フゼスタンなど国内の複数の州を見舞った2019年の洪水被害はその一例だ。
MSFは緊急援助を行うと同時に、首都テヘランとラザヴィー・ホラーサーン州マシュハド市で難民や困窮者を対象とした通常プログラムを継続しているが、新型コロナウイルス感染症流行の影響で、一部の活動は縮小を余儀なくされている。 これらの活動では2012年からテヘラン市南部で、また、2018年以降はマシュハド市でも、保健医療の受けられない困窮者を対象に、医師・助産師の診療、感染症のスクリーニング検査、C型肝炎の治療、心のケアといったプライマリ・ヘルスケアを提供している。
欧州でも緊急援助を展開
新型コロナウイルスの世界的な大流行を受け、MSFは現在、イタリアでも援助を行い、北部の特に流行の深刻な地域の病院を支援。フランスとベルギーでは、ホームレス、移民、保護者のいない未成年者など特に脆弱な人びとの検査・ケアに協力 している。スペインでも、医療機関の患者受け入れ能力を高めるため、担当局との連携を進めている。
MSFは、以前から医療援助プログラムを展開している国において、今回の危機に応じて活動の見直しを行い、新型コロナウイルス感染者の検査やケア提供の可能性について地元保健当局との調整を進めている。
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