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ハイチ:新型コロナウイルス感染者急増――MSFは増床対応し、注意喚起

PR TIMES / 2020年6月17日 21時40分

カリブ海のハイチで新型コロナウイルスの感染が急拡大している。過去3週間弱で陽性者の数は、100人から2600人余りに急増し、50人が死亡した。国内で検査できる施設は2カ所に限られ、実際の感染者数ははるかに多いとみられる。国境なき医師団(MSF)は5月16日、首都ポルトープランスにドルイヤール治療センターを開設、受け入れている患者の多くは、受診が遅れたため重症化している。



[画像1: https://prtimes.jp/i/4782/482/resize/d4782-482-792361-0.jpg ]

国内感染者の75%が首都に集中

同治療センターは重症患者に特化し、現在25人を治療している。ハイチでMSFの活動責任者を務めるハッサン・イッサは、「陽性の検査結果を持って来院する患者もいれば、酸素や入院が即必要な患者もいます」と話す。

MSFは同治療センターの病床数を当初の20から45に増床。これまでに150人余りの患者を受け付け、その半数近くが入院し、その他約50人が通院による経過観察を受けている。

人口400万人のポルトープランスは国内最大の流行発生地であり、感染者数は全体の75%、死者数は全体の60%を占めている。感染者の60%は20~44歳であり、27%は45~65歳だ。

対策遅れるスラム

現在、感染例は国内10県すべてで報告されており、ハイチ政府は緊急事態宣言を出して、人びとにソーシャルディスタンシング(社会的距離の保持)とマスク着用を要請。しかし、ほとんどの人はこの指示を守れていない。特に人口が密集する首都のスラム住民はその傾向が強く、感染者数最多を押し上げる要因となっている。

MSFは、ポルトープランスと南部に位置するポルタピマンとポールサリューの全ての支援先医療機関に、トリアージ区画と隔離室を設置。また、南部レカイ市にある中央病院にも、トリアージ区画と10床を備えた隔離施設を設置した。

ハイチをさらに悩ませているのは、隣国ドミニカ共和国から数千人単位でハイチ人移民が帰還し続けていることだ。ドミニカはカリブ海諸国最大のクラスターが発生し、1万7000余りの感染例が報告されている。
[画像2: https://prtimes.jp/i/4782/482/resize/d4782-482-424227-1.jpg ]


感染症への偏見も深刻化

「感染拡大のペースが上がるにつれて、病気を取り巻く偏見も増しています」。ハッサン・イッサは、多くの人が、症状があるにもかかわらず、医療機関を受診しないことを懸念している。「十数人の患者が病院到着時に死亡しました。危篤状態に陥って到着した患者も大勢います。そうした偏見による受診の遅れを避けるために、MSFは健康教育活動を続けて、症状が出たらすぐに治療を受けるよう呼びかけています。治療の成功率も大幅に引き上げられます」

ハイチの医療体制は従前から機能不全で、このパンデミックには対応できないとの懸念がある。一部の地域では、新型コロナウイルス患者受け入れ用に設置されたセンターが攻撃された。また、個人用防護具不足とスタッフの感染を受けて複数の医療機関が閉鎖され、産科、小児科、外傷ケアをはじめとする医療事情の悪化に拍車をかけている。医療機関に個人用防護具を備えなければ、ケアを続け、スタッフを保護することもままならない。

また、検査依頼がラボに殺到していて結果が出るまでの待ち時間が長期化しているため、検査体制の拡充も課題として浮上しつつある。病気のまん延抑制だけでなく、適切かつ迅速に治療を開始するための対策が求められている。

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