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イラク:国内避難民130万人に迫る新型コロナウイルスの脅威

PR TIMES / 2020年7月14日 19時40分

新型コロナウイルス感染症が流行するイラクでは、住まいを追われた国内避難民130万人余りが、今なお過密で不衛生な避難民キャンプで暮らしている。国境なき医師団(MSF)は、そうした国内避難民が新型コロナウイルスに対し非常に脆弱な状態にあると強く懸念するとともに、新型コロナ以外の医療サービスの継続提供が不可欠だと指摘する。



[画像1: https://prtimes.jp/i/4782/486/resize/d4782-486-392295-0.jpg ]


感染予防がままならない住環境

「イラクの国内避難民は、長年ひどい暮らしを強いられてきました。公式あるいは非公式のキャンプに身を寄せながら、不安定で、しばしば過密な状態に置かれています。MSFが活動するキルクーク県ライラン・キャンプ など数カ所の避難民キャンプでは、すでに新型コロナウイルスの感染者が確認されています。現時点ではその他の場所での症例は見られませんが、最も弱い立場にあるキャンプ内の人びとが自ら感染防止策を行うことは難しく、今後このウイルスが及ぼす影響を懸念しています」とMSF活動責任者を務めるグル・バドシャーは話す。

ライラン・キャンプで感染患者が出たことを受け、MSFは20床のトレーラー式隔離・治療施設を設置。また、感染が疑われる患者のトリアージ(※)や、予防策の周知活動も行っている。しかしキャンプの過密で不衛生な環境では、人との安全な距離の確保や、感染が疑われる人の隔離といった防御策を、それぞれ個人が行うことは不可能に近い。 ※ 重症度や緊急度などにより治療の優先順位を決めること

「キャンプでは、複数の世帯が1つのテントに押し込まれて暮らし、適切な衛生設備が整っているわけでもありません。また日々の生活の中で、他の避難民との接触を避けることは困難です。援助が不足しているので、感染の危険性が高まることを知りながら、家族を養うために外に出て仕事を探すしかないのです」。MSF医療コーディネーターのテティアナ・ピリペンコはそう訴える。
[画像2: https://prtimes.jp/i/4782/486/resize/d4782-486-162006-1.jpg ]


新型コロナウイルス対策とともに従来のサービスを

ライラン・キャンプでMSFは、感染症以外の病気の治療や心のケア、リプロダクティブ・ヘルスケア(性と生殖に関する医療)も提供している。キャンプの不衛生な環境に加え、糖尿病、高血圧、心臓・腎臓病などの基礎疾患を抱える人は、特にウイルスの影響を受けやすく、重症化を避けるには継続的なケアが必要だ。

バドシャーはこう述べる。「キャンプの人びとが新型コロナのみならず、従来通りの医療サービスも利用できることが重要です。MSFがイラク全域で行っている活動プログラムを継続し、現時点での医療ニーズを適切に満たすには、今後も援助団体の立ち入りと移動の自由が維持されなければなりません」

MSFは今年4月にイラク保健省による新型コロナウイルス対策への協力を開始した。モスル市で運営していた術後ケアセンターを新型コロナの隔離・治療施設に切り替えるとともに、現地で感染患者を受け入れる主要医療機関を支援している。また首都バグダッドでは、保健省が管轄する新型コロナ治療病院にて、集中治療室(ICU)でのケアや、感染予防・制御の支援を行っている。さらに、アルビル県やバグダッドにある地元の医療施設も支援し、技術面や設備面の補助や、感染予防・制御に関するスタッフへの研修を行っている。その一方で、国内各地の行ってきた医療プロジェクトも大部分を継続している。

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