順天堂大学と湧永製薬株式会社が共同研究契約を締結
PR TIMES / 2023年2月27日 18時15分
― 熟成ニンニク抽出液が肺線維症進行に及ぼす影響を明らかにする ―
順天堂大学(東京都文京区、学長:新井 一)と湧永製薬株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:湧永 寛仁、以下、湧永製薬)は、2023年2月1日に、「ニンニク含有成分を用いた肺線維症治療の検討」に関する共同研究契約を締結しました。本共同研究は、肺の線維化進行に対する熟成ニンニク抽出液の効果や機序について明らかにすることを目的としています。
[画像: https://prtimes.jp/i/21495/506/resize/d21495-506-945315-pixta_89041631-0.jpg ]
肺線維症と治療の現状について
間質性肺炎の一種である肺線維症は免疫異常や薬剤、環境因子などが原因となり、肺の間質という部分に線維化が起こる難治性疾患です。原因がはっきりしない特発性肺線維症、および、あらゆる肺線維症の中でも進行性の線維化を伴うケースは特に予後不良です。これらの病気では抗線維化薬が治療に用いられますが、既存の薬剤では進行速度を遅くする程度の限定的な効果であるのにも関わらず副作用が多いのが現状です。そのため、より有効で、副作用の少ない新規薬剤の登場が待たれています。
<共同研究の背景>
順天堂大学医学部呼吸器内科学講座(主任教授:高橋和久)の加藤元康助教らのグループでは、ニンニク成分に肺線維化の抑制効果があることを培養細胞やモデルマウスで確認し、ニンニク成分の臨床応用研究を進めてきました。特に患者数が多いとされる特発性肺線維症(IPF)および進行性肺線維症(PPF)は、線維化の不可逆的な進行により呼吸不全をもたらす予後不良の疾患であるため、ニンニク成分が有効な治療薬 および治療法に繋がることが期待されています。
湧永製薬で開発された熟成ニンニク抽出液は、約2年間生ニンニクを熟成させることにより生ニンニク 特有の不快臭・刺激臭が軽減され、胃粘膜刺激の少ない成分へ変化し安全性が高まることが明らかとなっています。湧永製薬の中央研究所では、熟成ニンニク抽出液の基礎研究を長年進めており、抗炎症作用、肉体疲労改善作用、免疫調整作用、末梢循環改善作用など、様々なエビデンスを見出してきましたが、呼吸器 疾患に対する作用は未だ確認されていません。
本共同研究は、こうした湧永製薬の開発シーズと順天堂大学の臨床プラットフォームをマッチングさせた順天堂大学の研究開発支援プログラム「GAUDI :Global Alliance Under the Dynamic Innovation」により 実現しました。
<共同研究の概要>
本共同研究は、加藤元康助教を研究代表者とし、同グループが有する肺線維芽細胞を使った肺線維化抑制評価実験ならびにブレオマイシン肺線維症モデルによる動物実験により、熟成ニンニク抽出液および含有成分の肺線維化進行に及ぼす効果や作用機序の解明について、2023年2月から2024年3月までを第一期共同研究として進めます。その後は臨床応用研究への展開を視野に入れています。
<順天堂大学/医学部呼吸器内科学講座について>
順天堂大学は、1838年に設立されたオランダ医学塾「和田塾」に端を発し、今につながる日本最古の医療教育機関です。医学部をはじめとした7学部、大学院3研究科、6附属病院からなる「健康総合大学・大学院大学」で、教育、研究、実践・診察という3つの柱を通じた国際レベルでの社会貢献と人材育成を進めています。また、順天堂大学医学部呼吸器内科学講座では、呼吸器専門医の教育、育成に加えて研究活動にも注力しています。学内共同臨床研究(膠原病と間質性肺炎、肺がん患者に対する化学療法などの臨床試験、呼吸リハビリテーション等)や他施設との臨床検討会等でも指導的立場にあるほか、非臨床基礎研究も積極的に推進しています。
<湧永製薬株式会社について>
湧永製薬は、1955 年の創業以来、ロングセラーの滋養強壮剤『キヨーレオピン』シリーズをはじめとした一般用医薬品や健康補助食品の開発・製造・販売を手掛けてきました。また、独自のバイオ技術を応用した試薬・診断薬の開発や、医療用医薬品候補物質を生み出す創薬技術を活かした、優れた製品の開発を通じて、社会貢献を目指しています。
本社所在地:東京都新宿区荒木町13番4号(住友不動産四谷ビル7F)
代表者:代表取締役 湧永 寛仁
事業内容:一般用医薬品、食品、試薬・診断薬の製造・販売、医療用医薬品の研究開発
ウェブサイト:http://www.wakunaga.co.jp/
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