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イエメン:新型コロナ第2波で医療機関がひっ迫――MSFは国際機関の援助拡充を要請

PR TIMES / 2021年3月29日 19時45分

イエメンでは主要都市アデンをはじめとする国内各地で、入院が必要な新型コロナウイルス感染症の重症患者が激増している。国境なき医師団(MSF)は、国際機関に援助の拡充を要請するとともに、市民に予防策を徹底するよう呼びかけている。



[画像1: https://prtimes.jp/i/4782/512/resize/d4782-512-214205-0.jpg ]


第2波でひっ迫する医療機関

6年間に及ぶ紛争の影響で、イエメンの医療体制は機能不全に陥っており、集中治療室(ICU)で治療できる人数も限られている。MSFが支援するアデンにある国立病院の新型コロナ治療センターは、ICU11床を備え、最大で46人の入院患者を収容できるが、現在ICUは満床だ。

MSFの現地活動責任者ラファエル・ファイヒトは、「イエメンで活動している全ての医療・人道援助団体に、新型コロナの緊急対応を拡大するよう求めています」と訴える。イエメンの新型コロナ対策は、感染予防の啓発から、予防接種、酸素療法に至るまで全面的に不足しており、国際社会による援助拡充が不可欠です。イエメンへの援助資金を削減した国際機関にも、迅速な対応を求めます」

限られた医療設備 困難な重症患者の治療

「残念ながら、患者の多くが危篤状態で病院に運ばれてきます」。イエメンでMSFの医療コーディネーターを務めるライン・ルーテンは話す。「ほとんどの患者は、高度な医療処置と高濃度の酸素が必要です。また、ICUでの人工呼吸が欠かせない患者もいますが、酸素の中央配管も液体酸素もなく、酸素ボンベで対応することの多いイエメンでは、人工呼吸は技術的に難しく、非常に高度なケアが必要です」

MSFは市民に対し、ソーシャルディスタンスの保持、手洗い、マスク着用などの感染予防策を徹底するよう啓発活動を行っている。また重い症状が出ている場合は、早急に専門医療機関を受診するよう呼び掛けている。
[画像2: https://prtimes.jp/i/4782/512/resize/d4782-512-230037-1.jpg ]


公平なワクチン普及の課題

現在MSFの活動は、イエメン保健省と国立病院の協力もとに行われている。支援する新型コロナ治療センターには、合計約100人の医師、看護師、サポートスタッフが24時間体制で対応にあたっている。

ファイヒトは、「イエメンの保健当局からは必要な協力を受けられていますが、ここ数週間の感染者数の激増には警戒と懸念を覚えます。人口の半分が予防接種を終えた国もある一方で、イエメン国内では現時点でひとりも予防接種を受けていません。MSFが以前から訴えている不平等なワクチン普及の課題があらためて浮き彫りになりました」と話す。

アデンにある新型コロナウイルス感染症治療センターは、2020年の第1波発生時にMSFが設立。その後、医療体制の改善に伴いイエメン保健省に移譲していたが、今年3月初旬の感染者数急増を受けて、3月15日より、保健省および国立病院の協力のもと、緊急援助活動を再開した。重症患者に対応するためMSFは、医療コーディネーター1名、集中治療医2名、集中治療室看護師2名、ロジスティシャン(物資調達、施設・機材・車両管理などを担当)2名で構成された緊急チームをアデンに派遣している。

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