イエメン紛争 子どもにとって世界最恐国のひとつ 毎日平均で約8人の子どもが死傷 【プレスリリース】
PR TIMES / 2015年8月19日 16時19分
18歳未満人口の8割に緊急支援が必要
[画像1: http://prtimes.jp/i/5176/537/resize/d5176-537-351997-1.jpg ]
※ 本信は、ユニセフ本部が発信した情報をもとに、日本ユニセフ協会が翻訳したものです。
※ 原文は、http://www.unicef.org/media/media_82940.html でご覧いただけます。
※ 報告書(英語)は、http://j.mp/1Lk8R9E にてご覧いただけます。
【2015年8月19日 サヌア(イエメン)発】
イエメンでは国全体を巻き込む紛争の直接的な影響を受け、毎日平均8人の子どもが死傷していることが、ユニセフ(国連児童基金)が発表した報告書によって明らかになりました。
報告書『イエメン:脅威に晒される子ども時代(原題:Yemen: Childhood Under Threat)』では、暴力が激化した約4カ月前から、400人近くの子どもが殺害され、600人以上の子どもが負傷したと伝えています。
アラブ諸国の中で最も貧しいこの国は、現在起きている紛争によって荒廃の一途を辿っています。保健サービスは破壊され、子どもの栄養状態は悪化し、学校は閉鎖され、ますます多くの子どもたちが武装グループによって徴用されています。
[画像2: http://prtimes.jp/i/5176/537/resize/d5176-537-855821-2.jpg ]
「イエメンで起きている紛争は、特に子どもたちにとって大きな悲劇です」とユニセフ・イエメン事務所代表のジュリアン・ハーネスが語ります。「子どもたちは爆弾や銃弾によって殺され、生き延びた子どもたちも病気や栄養不良の脅威に直面しています。これ以上、このような状態が続いてはなりません」
報告書は、イエメンは子どもにとって世界最恐国のひとつと述べるとともに、紛争は今を生きる子どもたちの人生を破壊し、子どもたちの将来にも恐ろしい禍根を残すであろうと強調しています。
国全体で、イエメンの18歳未満の人口の80%にあたる1,000万人近くの子どもたちが、緊急に人道支援を必要としており、130万人以上の人々が、自宅からの避難を余儀なくされています。
報告書のなかでは、この危機が子どもたちにもたらしている複数の影響を次のように述べています。
3月に衝突が激化して以降、少なくとも子ども398人が殺害され、子ども605人が負傷。
紛争下で徴用または使用された子どもの数は、2倍以上に増加。2014年は156人だったのが、2015年に入り、現在までに確認されている人数は377人。
今年3月26日以降、900の保健施設が閉鎖され、1,520万人が基本的な保健ケアにアクセスできていない。
今年末までに、180万人の子どもたちが栄養不良状態に陥る可能性がある。
燃料の不足やインフラの破壊、治安悪化により、安全な水と衛生施設へのアクセス/維持に対して支援を必要としている人々は、2,040万人に上っている。
3,600近くの学校が閉鎖され、180万人の子どもたちが影響を受けている。
ユニセフはこの紛争が起きた当初から、イエメンにおける人道支援活動の中心的な役割を担っています。子どもたちの重要なニーズに応えるため、ユニセフのスタッフは国内を駆け回り、安全な水の提供や、下痢やはしか、肺炎、栄養不良の子どもたちへの治療ケアなど、命を守る支援を続けています。
過去6カ月以上にわたり、ユニセフは紛争の恐怖に苦しむ15万人以上の子どもたちに心理社会的支援を提供しました。そして、28万人が不発弾や地雷から身を守る方法を学びました。
[画像3: http://prtimes.jp/i/5176/537/resize/d5176-537-102713-3.jpg ]
しかしながら、必要とされる支援に対し、支援活動に必要な資金は大幅に不足しています。ユニセフがイエメンの人道支援に必要としている1億8,260万米ドルのうち、これまでに集まった資金はわずか16%です。ユニセフが世界中で実施している緊急支援の中でも、イエメンにおける緊急支援は最も資金不足が深刻なもののひとつです。
「支援を切実に待っている子どもたちに支援を届けるために、私たちは緊急に資金を必要としています。ただ何もせず、この人道的大惨事による苦しみを子どもたちに被らせてはならないのです」
ユニセフは、この紛争に関わるすべての当事者に対し、国際人道法に則り、学校や水道、保健施設などの重要な役割を持つインフラや、民間人を攻撃の標的にしないよう、繰り返し求めます。そしてこの紛争を止めることが急務であることを、改めて強調します。
[動画: http://www.youtube.com/watch?v=hVSCFcgZhB8 ]
* * *
日本ユニセフ協会では、イエメンなど人道危機下にある国や地域で行われているユニセフの支援活動を支えるため、ユニセフ『人道危機緊急募金』を受け付けております。
[表: http://prtimes.jp/data/corp/5176/table/537_1.jpg ]
■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(http://www.unicef.org/)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する36の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国36の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (http://www.unicef.or.jp/)
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