高経年マンションの「修繕積立金不足」解消に向けた新たな取組み 令和5年度の「マンションストック長寿命化等モデル事業」に認定
PR TIMES / 2023年12月2日 18時40分
当社独自の「瑕疵保険」を用い大規模修繕工事実施時期を延伸し、修繕積立金会計を健全化する仕組みを開発
野村不動産パートナーズ株式会社(東京都新宿区/代表取締役社長 問田 和宏、以下当社)と当社が管理受託しているアーバニティ王子(東京都北区)の管理組合は、国土交通省が支援する「マンションストック長寿命化等モデル事業※1」において令和5年度採択事業の補助金交付申請を行い、交付決定通知を受領しましたのでお知らせします。
採択された事業は、築35年のアーバニティ王子における「大規模修繕の実施時期の計画的な見直しを伴う緊急性の高い排水管改修工事」です。今後、急増する高経年マンションの適切な維持管理を行うため、老朽化マンションの長寿命化に向けて、先導性が高く創意工夫を含む改修や修繕の取組として、令和4年度の「計画支援型」で採択・実施した計画を、実際の工事として実施する「先導的再生モデルタイプ(改修工事支援)※2」として採択いただきました。
[画像1: https://prtimes.jp/i/25694/577/resize/d25694-577-dc0786c02aeda87e0cce-6.jpg ]
※1マンションストック長寿命化等モデル事業
今後急増する高経年マンションについて、適切な維持管理を促進するとともに改修や建替によるマンションの円滑な再生を図る取組を促進する為、老朽化マンションの再生検討から長寿命化に資する改修や建替え等を行う先導的な再生プロジェクトを公募し、国が事業の実施に要する費用の一部を補助することにより、優良事例・ノウハウを収集しマンションの再生に向けた全国への普及展開を図ることを目的とした事業
※2 「先導的再生モデルタイプ(改修工事支援)」に認められる事業
一定の要件(1.25年以上の長期修繕計画に基づく修繕積立金額を設定していること2.修繕積立金額が長期修繕計画額と概ね一致するもしくは計画より余裕があること3.ライフサイクルコストの低減につながる長寿命化改修であること4.新たな技術の導入や工期短縮に資する工法の工夫があること等)を満たすマンションにおいて長寿命化に向けて先導性が高く創意工夫を含む改修や修繕の取組として認められる事業
1. 本事業の取組背景
国土交通省「平成30年度マンション総合調査※3」によると、約35%の管理組合が計画上の修繕積立金の積立額に比べて不足している結果となっています。特に築30年以降のマンションでは、「給排水管」・「エレベーター」・「サッシ」の更新など大型工事が集中する時期と大規模修繕工事の時期が重なる傾向があり、資金不足となる可能性があります。
アーバニティ王子においても、専有部分の排水枝管の漏水事象が発生したことで排水管の更新工事が予定より前倒しとなり、大規模修繕を予定していた築35年に時期が重なりました。日々の暮らしに必要不可欠な排水枝管の更新工事と大規模修繕工事を同時期に実施するためには、大きな一時金が必要となっていました。このような高経年マンションにおける修繕積立金不足の解消および適切な修繕の実現を目的に、当社独自の「瑕疵保険」を用いた大規模修繕工事実施時期延伸の仕組みを開発しました。
※3 国土交通省「平成30年度マンション総合調査」 https://www.mlit.go.jp/common/001287570.pdf
2. 本事業の概要
[画像2: https://prtimes.jp/i/25694/577/resize/d25694-577-015582cd4d835c2154d5-7.jpg ]
1.課題の解消策 :「瑕疵保険」による大規模修繕工事時期延伸と修繕積立金会計の健全化
当社独自の「瑕疵保険」を用いることにより、大規模修繕工事を5年延伸し、緊急性の高い排水管を更新(一部更生)します。単純に大規模修繕工事を先送りにするのではなく、外壁・屋上防水の劣化状況調査を実施し、指摘箇所へのメンテナンス補修を行うことで、5年間の防水保証を行います。これによって、漏水等のリスクを回避しながら、大規模修繕工事実施時期を延伸し、その期間に修繕積立金会計の健全化を図ることができます。
また、「瑕疵保険」における外壁調査はドローンで全体を調査し改修必要箇所を特定し、外壁クラック補修等のメンテナンス補修は、仮設足場を設置せずブランコ作業で出来る内容とすることで、軽微な費用に抑えます。
[画像3: https://prtimes.jp/i/25694/577/resize/d25694-577-1630d357ba70214d7faa-7.jpg ]
[画像4: https://prtimes.jp/i/25694/577/resize/d25694-577-57bb83231aba1beac9fa-3.jpg ]
[画像5: https://prtimes.jp/i/25694/577/resize/d25694-577-48508cf95fcfe51a5406-7.jpg ]
2.課題の解消策 :緊急性の高い排水管更新の実施とライフサイクルコスト・イニシャルコストの抑制等
排水管更新は、将来の更新時期を延伸できる樹脂管を採用しライフサイクルコストを抑制します。加えて、一部配管には集合管(既存は2本の配管を1本にする)を採用することでイニシャルコストを削減し、修繕積立金会計の健全化に繋げています。
また、全戸調査の結果を活かした専有部分の給水・給湯管の一斉工事を提案し、希望住戸に対しては共用部の排水管更新直後に工事を行います。前年度の「計画支援型事業」で取得した3D データを活用した図面を作成するとともに、全戸調査を踏まえた専有部分の配管状況や使用上の注意点等を記した「メンテナンスのしおり」を作成し、将来の維持管理に繋げていきます。
[画像6: https://prtimes.jp/i/25694/577/resize/d25694-577-eabdb21a7ee2e664c6fb-5.jpg ]
当社は、これからも管理業務に関するさまざまな社会課題の解決に正面から向き合い、お客様に「安全・安心」と「快適」を提供する最良のパートナーであり続けることを目指して、管理業務に取り組んでまいります。
参考)過去のプレスリリース
➢ 令和2年度の「マンションストック長寿命化等モデル事業」に認定~当社が管理受託しているコープ野村東六
郷の共用部排水管改修工事~(2021年2月24日)
https://www.nomura-pt.co.jp/cms/files/news/n2021022400083.pdf
➢ 令和4年度の「マンションストック長寿命化等モデル事業」に認定 ~当社が管理受託しているアーバニティ
王子の共用部改修計画~(2022年9月30日)
https://www.nomura-pt.co.jp/cms/files/news/n2022093000106.pdf
[画像7: https://prtimes.jp/i/25694/577/resize/d25694-577-4f0b629e0b4bba4591f1-6.jpg ]
※野村不動産グループの重点目標(マテリアリティ)を国連のSDGs(持続可能な開発目標)に当てはめて整理し
ております。
サステナビリティの取組み詳細は以下をご確認ください。
URL:https://www.nomura-re-hd.co.jp/sustainability/
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