25年余をかけて完成したブルックナー未完の「第9」、サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルによる完全録音盤がクラシックチャート1位獲得!

PR TIMES / 2012年5月16日 14時56分



ブルックナーといえば19世紀に活躍したオーストリアを代表するクラシック作曲家。そのブルックナーが未完成のまま遺した「交響曲第9番」が、サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(以下、ベルリン・フィル)の演奏で、2012年5月9日に日本先行発売され、サウンドスキャン・ジャパンの週間Classicアルバムヒットチャート200(2012/4/9〜2012/4/15)で1位を獲得しました。シューベルトの「未完成」と並び有名な未完成曲に、サイモン・ラトルとベルリン・フィルが挑んだ今回の作品は、日本のみ世界唯一、SACD(CDハイブリッド盤)での発売になります。

 1896年10月11日に人生最期の日を病床で迎えたブルックナーは、その日まで「交響曲第9番」の作曲を続けていたといわれています。第1楽章から第3楽章までは完成していたものの、最終章の第4楽章は冒頭部と、全容のスケッチのみが残されました。クラシックに詳しい音楽ライター木幡一誠氏は日本盤CDの解説で「(ブルックナーの)住まいは一般市民が容易にアクセス可能な場所であり」「部屋に散らかった譜面を"記念品よろしく持ち去った"」と記しています。その後、残されたスケッチを元に完成が試みられ、これまで複数の完成版が発表されてきました。
今回サイモン・ラトルが使用した楽譜は最も学究性が高いクリティカル・エディションといわれる「サマーレ、フィリップス、コールス、マッツーカ版(SPCM版)」で、4人の音楽学者・作曲家が25年以上の歳月をかけて復元し、2010年にさらに改訂が行なわれたヴァージョンです。その経緯や内容は日本盤ブックレットで詳細に解説されています。

ブルックナー「交響曲第9番」は、2011年11月のベルリン・フィルのアジア・ツアーでも取り上げられましたが、その際は、通常通り第1~3楽章が演奏されました。そして、2012年2月の演奏会で、今回収録された終楽章付きの「2012年補筆完成版」が世界初演、初録音されたのです。

 現在、EMIミュージックのウェブサイトでは、昨年の来日時にサイモン・ラトルが記者会見でこの作品のレコーディングについて語った映像が公開されています。ラトルは「もうひとつの“存在しなかった大聖堂”を手に入れることが可能になったと受けとればよいのではないでしょうか。そのステンドグラスの1枚1枚は、必ずしも作曲家の意図どおりに位置していないかもしれませんが……。」「スコアの再構成に関して必要な主題や素材の統合は、いわばルービックキューブを正しい位置に合わせるような作業に等しいと思えてきます」との意味のことを語っています(木幡一誠氏のCD解説より)。
 また、4楽章の演奏も収録された最新の特別映像では、「この第4楽章は、もっと演奏されるべきです。ブルックナーが最後の傑作をどんな構想で作ったか知る機会を増やすべきです」(サイモン・ラトル)とも語っています。(http://www.youtube.com/watch?v=3p7H2sHMXmw

 といっても、第3楽章で終わる演奏に慣れてしまっているファンにとっては最終章は「蛇足」として捉えられることもあり、EMIのサイトでは、佐伯茂樹氏による4楽章の必要性の理解が深まるような解説を掲載しています。

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