「Red Bull Ice Cross World Championship Yokohama 2020」を全力で楽しむための、5つのポイント
PR TIMES / 2020年2月14日 17時25分
2020年2月15日(土)に横浜市・臨港パークで2度目の開催を迎えるRed Bull Ice Cross World Championship 。この「闘うスケート」を楽しむためにおさえておくべき5つのポイントをご紹介!
ポイント1.:ざっくり言うと氷上のかけっこ!
アイスクロスは、急な傾斜やターン、連続バンプなど難所が盛り込まれた氷の特設コースを4人1組で滑り降りるダウンヒル競技。ざっくり言うと氷上のかけっこだが、今年も開催される横浜大会のように最高峰の世界選手権ともなれば、絶壁みたいな傾斜を駆け下りるセクションもあるため、最高時速が60~80キロになることも。
[画像1: https://prtimes.jp/i/13670/608/resize/d13670-608-806906-1.jpg ]
大きなドロップといった難所はスタート直後に多いため、スタート時は緊張感もMAXに。
「Riders ready!」の掛け声の後、「5 seconds warning!」の合図から5秒以内のどこかのタイミングで鳴るスタート音と同時に、選手たちは一斉に飛び出す。
スタートの飛び出しは大きなアドバンテージになるが、コース上には鋭いカーブや凸凹の障壁が次々と選手を襲うので、コーナーワークや細かなテクニック、駆け引きなども勝敗を大きく左右する。
猛スピードなので、少しの接触やミスで選手がド派手に「クラッシュ」することも多く、ゴール直前で大どんでん返しも起こりえる。見ごたえと迫力満点のいわば「最狂のかけっこ」なのだ。
なお、昨シーズンまでは最大規模の大会がRed Bull Crashed Ice、それ以下の大会がATSX Rider’s Cupとして運営されたが、今シーズンからは、Red Bull Ice Cross World Championship(レッドブル・アイスクロス世界選手権)として、ATSXのシリーズ戦に統一した。
ポイント2.:冬季スポーツの新常識になる!?
アイスクロスの大会は、欧米とロシアを中心に冬季に開催される。カテゴリーは4つに分かれていて規模の大きなものから順に、ATSX 1000
ATSX 500
ATSX 250
ATSX 100となっている。ATSXとは、大会を管理運営するAll Terrain Skate Cross Federationの略で、同協会の承認レースを意味する。
上位3レースは国際大会で、ATSX 100は国内大会。数字は、優勝した選手が獲得するポイント数を表す。言うなれば、テニス選手がATP(男子)やWTA(女子)で、最高峰のグランドスラムを目指しながら、ファイナルズや500シリーズなど、さまざまな規模のツアー大会に参戦して世界ランキングのポイントを稼ぐように、アイスクロス選手たちもATSX承認レースを転戦し、シーズンを通じて獲得したポイント総数で、年間チャンピオンが決まる。
[画像2: https://prtimes.jp/i/13670/608/resize/d13670-608-919702-2.jpg ]
昨シーズンに続いて今シーズンも開催される横浜大会は上記「グランドスラム」にあたる最高峰・ATSX 1000のカテゴリー。大舞台らしい華やかな会場づくりが特徴で、レースの他にもショーが行われるほか、場内のあちこちで出店やサイドアクトが充実するので、フェス感覚で楽しめる。
アイスクロスの世界選手権が始まったのは、それぞれ男子部門が2010年、女子部門が2016年、次世代カテゴリーとして男女16歳以上20歳未満が出場するジュニア部門が2017年から始まっている。欧米やロシアで人気が高まったアイスクロスにとって、アジア圏にある日本での大会開催は、ファン層を拡大し、より競技の認知度と「格」を全世界的に高めるための大きなステップアップとなる。
現在、世界最高峰の国際スポーツイベントとして認められているスキークロスやスノーボードクロスも、アイスクロス同様にモトクロスから着想を得て発展したスポーツだ。近年はエンターテインメント性の高いスポーツへの注目も多様な方向から高まっているので、アイスクロスもそうした競技に追従し、更なる一大ムーブメントを起こす未来もそう遠くないかもしれない。
ポイント3.:独自のルールに独特なウェア
レース中にクラッシュ劇が起こった場合など、「巻き込まれた側」となった選手がゴールにたどり着いた直後に、ボタンらしきものをイライラしながら押すシーンが見られる。これは、いわゆるビデオ判定を要求したということ。
[画像3: https://prtimes.jp/i/13670/608/resize/d13670-608-529542-3.jpg ]
時に起こる豪快なクラッシュは、見る側からすれば最高にスリリングだ。けれども、健全なスポーツ競技なので、当然ながら悪質とみなされる接触プレーはご法度。それをリプレー検証で見極める。
なお、このシステムによる異議が唱えられるのは、最高峰のATSX 1000シリーズのみ。まさかのどんでん返しでレースが終わったと思ったら、さらにビデオ判定で順位が入れ替わるということも起こるので、最後の最後まで見逃さないようにしたい。
また、生傷の絶えない選手たちを守るのが、装着しているプロテクターやヘルメット。主にはアイスホッケーの防具が使われているが、パックが飛んでくるなどの危険はないため、より動きやすいモトクロスや他のスポーツ用にカスタマイズされた防具を使っている選手も。
また、スケート靴はエッジを浅く加工したり、オーダーメイドでつくったりと選手それぞれで工夫を凝らしている。
ちなみに、ユニフォームの左胸にある数字のワッペンは、昨シーズンのランキング順位。トップ選手は、順当に上位に食い込むだけでなく、遅れを取ったり、転んだりしても挽回するなど、多彩な技をみせてくれるので、注目して観戦するとより楽しくなるはずだ。
ポイント4.:注目の日本人選手は?
今シーズンも参戦する日本人選手で、最も長く参戦しているのが山本純子。2010年から参戦を続け、唯一のアジア人という不毛の時期も乗り越え、逞しくアイスクロスの研鑽を磨いてきた。自己最高位は4位だが、常に安定のトップ10入りを見せているので、今度こそ悲願の表彰台なるか、と期待が募る。
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男子では、インラインスケート・ハーフパイプで100を超える金メダルを獲得してきた「安床兄弟」の弟・武士(たけし)が、昨シーズンから続いて今シーズンも参戦する。兄のエイトは、「今後はサポート的な役割を担う」として昨シーズン限りでアイスクロスを引退。
お互い選手として切磋琢磨してきた「インライン最強兄弟」の新コンビネーションによる挑戦が見られるのは、アイスクロスだけかもしれない。
理論派で驚異の伸びしろを見せているのは、長年プロアイスホッケー選手として活躍してきた鈴木雅仁。昨シーズンはオールドルーキーとして参戦すると横浜大会で71位、ボストン大会で83位に終わった悔しさを胸に、オフに猛特訓。
今シーズンは、ATSX 500の初戦ユーデンブルク大会で28位、第2戦プラ・ルー大会で29位と躍進。男子で20位台に食い込むのは並大抵ではないので、今年の横浜大会でどんな滑りを見せてくれるのか楽しみだ。
鈴木と同じく昨シーズンにルーキーとして参戦した大学生の山内斗真は、類まれな身体能力を発揮して、ATSX 1000のボストン大会のジュニア部門で日本人初表彰台(3位)を獲得した。
今シーズンからはシニア部門のみとなるが、アスリートとしてだけでなく、明るさを爆発させたようなキャラクターで海外でも人気を集める新星に注目したい。
ポイント5.:歴代のチャンピオン、注目のトップ選手
アイスクロスで最も成功しているのが、昨シーズンの年間王者キャメロン・ナーズ(アメリカ)。男子ではダントツの18度の優勝を誇る。
スタートの飛び出し、柔らかな膝づかいが持ち味で、いわゆる先行逃げ切り型で危なげなくレースを制することも多く、「圧倒的な速さ」を披露するスター選手だ。
そのナーズとこの5年、白熱の王者争いをしてきたのが、スコット・クロクソール(カナダ)。2015年と18年の年間王者だが、2016年・17年・19年シーズンはナーズが王座に就いた。ストライドがパワフルなスコットは、巻き返し力も高く、競り合いにも強い。
スコットの兄のカイルも、2012年の王者でトップ選手。昨シーズンのランキングも4位と王座奪還を予感させている。
他にも、兄弟トップ選手としてマルコとルカのダラーゴ兄弟(オーストリア)はじめ、今シーズンはジュニアで表彰台を経験した若い選手やロシア勢が、母国でのATSX 1000大会の開催を前に勢いを見せている。
女子は、世界選手権が始まった2016年と17年はジャクリーン・レジェール(カナダ)が年間女王になるも、続く18年と19年はアマンダ・トルンゾ(アメリカ)が連覇。
これを僅差の3位で追ってきたミリアム・トレパニエ(カナダ)、フィギュアスケート・ペアでオリンピアンのアナイー・モラン(スイス)がさらに力をつけて優勝争いに名乗りをあげている。
Written by Yoko Matsuyama
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