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九州大学大学院が生体肝移植患者への骨格筋電気刺激の介入によるミオスタチン濃度およびサルコペニアへの影響を確認。研究成果が「Hepatology Research」に掲載

PR TIMES / 2025年1月14日 17時15分



九州大学大学院 筒井由梨子医員を筆頭著者としたグループは、株式会社MTG(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:松下剛)の骨格筋電気刺激装置を使用し、生体肝移植患者への骨格筋電気刺激装置の介入を行い、血清ミオスタチン濃度およびサルコペニアに与える影響を明らかにしました。

ミオスタチンはマイオカインの一種で、骨格筋の成長を抑制する作用があると知られています。生体肝移植患者はミオスタチンが過剰に分泌されてしまい、加齢や基礎疾患に伴い骨格筋量や筋力、身体機能が低下するサルコペニアになりやすく、肝硬変患者のサルコペニア有病率は37.5%と報告されています※。また、サルコペニアは肝細胞癌(HCC)の肝切除や肝移植を受けた患者の予後不良とも関連することがわかっています。

ミオスタチンはレジスタンストレーニングのような運動によって減少することが確認されていますが、生体肝移植を受ける患者の多くは日常生活を送る上での基本的な動作能力が限られるため、筋力強化トレーニングに耐えることができません。そのため、生体肝移植前の運動療法によるミオスタチン値が減少する可能性は低いと考えられます。現在、生体肝移植患者のサルコペニアの治療的介入として、ミオスタチンの阻害に焦点が当てられていますが、効果が証明されている薬は報告されていません。

骨格筋電気刺激装置は認知症高齢者の筋肉量の増加やバランス維持に有用な介入ですが、生体肝移植を受ける患者に対する骨格筋電気刺激装置の効果は明らかになっていません。

そこで本研究は、骨格筋電気刺激装置を用いて生体肝移植を受ける患者の周術期における血清ミオスタチン濃度とサルコペニアの影響を明らかにしました。

※Tantai X, Liu Y, Yeo YH, Praktiknjo M, Mauro E, Hamaguchi Y, et al. Effect of sarcopenia on survival in patients with cirrhosis: a meta-analysis. J Hepatol. 2022;76(3):588-99.

■目的
生体肝移植を受ける患者の周術期における骨格筋電気刺激装置が、血清ミオスタチン濃度およびサルコペニアに与える影響を明らかにすること。

■方法
末期肝疾患で生体肝移植を予定している20歳以上且つMELDスコアが15点以上の患者を対象に、生体肝移植前から退院まで骨格筋電気刺激装置を適用しました。血清サンプルはプロトコル開始前と手術直前に採取し、筋肉量は介入開始前と生体肝移植の1ヶ月後にCTを用いて評価しました。
骨格筋電気刺激装置は両脚の大腿部に1日2回、20分間適用しました。CT画像より、両脚の大腿中央部レベルでの大腿四頭筋の面積、および第3腰椎レベルでの大腰筋指数(PMI)を算出しました。


[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/29736/631/29736-631-30f6befc61920a84837e95b9090c780f-800x410.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]



SIXPAD group = 介入群 
Control group = コントロール群 

■結果
介入群は血清ミオスタチン濃度が有意に改善されました。コントロール群の生体肝移植1ヶ月後の大腰筋指数は介入前よりも低かったにもかかわらず、介入群では維持されました。また、介入群、コントロール群ともに生体肝移植1ヶ月後の大腿四頭筋の面積は介入前より低下しましたが、介入群はコントロール群よりも維持されました。

【結果の一例】
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/29736/631/29736-631-09a68eabc8a04e87f8270fae3b22e866-777x922.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
p < 0.05、*p < 0.01


[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/29736/631/29736-631-28c6e0b6e84287406111c8c463896dfd-800x794.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
p < 0.05、*p < 0.01、***p < 0.001


■結論
生体肝移植前から骨格筋電気刺激装置を適用することにより、血清ミオスタチン濃度は低下し、骨格筋量は保持されました。

論文の内容はこちら
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/hepr.14027


■タイトル
Impact of electrical muscle stimulation on serum myostatin level and maintenance of skeletal muscle mass in patients undergoing living‐donor liver transplantation: Single‐center controlled trial

■著者
Yuriko Tsutsui, Shinji Itoh, Takeo Toshima, Sachiyo Yoshio, Shohei Yoshiya, Takuma Izumi, Norifumi Iseda, Katsuya Toshida, Yuki Nakayama, Takuma Ishikawa, Yukiko Kosai‐Fujimoto, Kazuki Takeishi, Tomoharu Yoshizumi

■掲載雑誌
Hepatol Res.2024;1-11.

MTGは、自社開発のみならず、大学との産官学の共同研究や、他企業との共同開発に取り組むことで、先進のテクノロジーと最高峰の知恵を融合させ、革新的なブランドを創出してまいりました。今後も、世界中の人々に生き生きとした前向きな人生を送っていただくための商品やサービスを提供し、多くの方の健やかな身体づくりをサポートしてまいります。

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