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多剤耐性結核に新たな短期治療法が誕生──endTBコンソーシアムが試験結果を発表

PR TIMES / 2023年11月16日 18時15分

パリで開催中の「第53回世界肺の健康会議」で11月15日、初めて発表された臨床試験結果が、多剤耐性結核またはリファンピシン耐性結核(MDR/RR-TB)治療に4つの新しい改良型の短期治療法(以下、レジメン)で効果があるというエビデンスを明らかにした。国境なき医師団(MSF)、パートナーズ・イン・ヘルス(PIH)、インタラクティブ・リサーチ・アンド・ディベロプメント(IRD)が主導し、国際医薬品購入ファシリティ(ユニットエイド=UNITAID)が資金援助するチームは、endTBコンソーシアムを結成し、2017年にこの第III相ランダム化比較試験(RCT)を開始。6年にわたる臨床試験の結果は、従来の治療法より短期で、安全性や効力は同等の治療を確立するものとなった。



[画像1: https://prtimes.jp/i/4782/653/resize/d4782-653-d543bcb2ef9c8e36f582-0.jpg ]


長く困難な治療



MDR/RR-TBは2つの最も効果的な結核の第一選択薬、リファンピシン単独(RR-TB)またはリファンピシンとイソニアジド(MDR-TB)両方に耐性を示す結核菌によって引き起こされる病気。毎年およそ50万人が罹患し、その多くが死亡している。現在、世界中でさまざまなMDR-TBレジメンが使用されているが、多くの人びとは依然として、長期(最長24カ月)かつ効果が弱く(2018年の治療成功率はわずか59%)、急性精神病や永久難聴を含むひどい副作用を引き起こすことが多い従来の方法で治療を受けている。こうしたレジメンの患者は、治療の全期間を通じて最大1万4000錠もの薬を服用しなければならず、痛みを伴う毎日の注射に何カ月も耐えなければならない患者もいる。

この試験では、従来の治療法と同等の効力と安全性を提供しながらも、治療期間を3分の2まで短縮できる、3つの新しい薬物療法レジメンが発見された。endTBレジメンは、短期間のMDR-TB治療における重要な選択肢となり、BPaLMと呼ばれる、有効性が高く短期間だが特定の患者に適さないMDR-TB治療レジメンの使用を補完できる。世界保健機関(WHO)によって推奨されれば、患者にやさしいこれらの新しいレジメンは、年齢、妊娠の有無、MDR-TB患者に多い併存疾患に関係なく、治療期間の短期化を実現する。

さらに、この試験は、ベダキリンあるいはリネゾリドを使用できない患者に対する代替療法として、第4のレジメン使用も裏付けている。これら2剤のうち少なくとも1剤は、現在WHOが推奨しているMDR-TB治療レジメンに含まれている。

様々な患者に対応可能に



[画像2: https://prtimes.jp/i/4782/653/resize/d4782-653-fdea203a35718ec6d8d2-1.jpg ]


endTB試験には、7カ国(ジョージア、インド、カザフスタン、レソト、パキスタン、ペルー、南アフリカ)から754人の多様な患者が登録された。この中には、青少年や薬物乱用障害などの併存疾患を持つ患者など、これまで除外されてきた人びとも含まれ、試験中に妊娠した参加者も試験を継続した。この試験では5つの9カ月治療レジメンを評価し、患者にとってより良い結果をもたらしているレジメンを割り当てるという形をとった。

「私たちは、世界中の貧しい人びとを困難に陥れる多剤耐性菌との闘いにおいて、重要な一歩を踏み出そうとしています。この成果は、苦境に立たされている人びとに希望を与えるということであり、最も弱い立場にある人びとを襲う病気の継続的な研究と技術革新の緊急性に加え、公金を受領する民間企業の説明責任がいかに重要であるかを強調しています。しかし、薬によっては価格の高さがハードルとなっています」と、PIHにおけるendTBの共同責任者で、グローバル・ヘルスと社会医学が専門のキャロル・ミトニック教授(ハーバード大学医学大学院)は指摘する。

MSFのendTBプロジェクトリーダーであり共同責任者のロレンツォ・グリエルメッティ医師は「長い間MDR-TBは忍容性が低くかつ限られた治療法しかない脅威として立ちはだかってきました。しかし、ついに私たちはMDR-TB患者にやさしく、個別治療を可能にする、複数の革新的な全経口短期レジメンのエビデンスを発表しました。世界中の弱い立場にある人びとを苦しめてきたこの病気との闘いにおける極めて重要な瞬間です。さらに、RCTに多様な状況の人びとが参加したことで得られた汎用性は、この成果を素晴らしいものにしています」と振り返る。

新規治療へのアクセスを全ての人に



UNITAID事務局長のフィリップ・デュネトン医師は「この結果は、最も危険で治療が困難なタイプの結核の治療法を待つ世界中の人びとに新たな希望を与えるものです。私たちは今後の結核治療の基盤となる研究を手にしたのです。薬は必要な場所で手に入ります。WHOに推奨されれば、この質の高いエビデンスは、全ての薬剤耐性結核患者に適した、より良い治療法の選択肢へ速やかに変化を遂げるでしょう」と語った。

endTB臨床試験は、MDR/RR-TBに対する5つの試験レジメンを、2つの異なる解析集団で標準治療に対して評価した。endTBレジメン1、2、3は、両方の主要解析集団で対照薬に対して非劣性を示し、RR-TBの治療における成功を立証した。参加者の間でレジメン1、2、3はそれぞれ89.0%、90.4%、85.2%と結果は非常に良好。レジメン5も85.6%と強い治療効果を示し、主要解析集団の1つでは対照群の80.7%に対して非劣性であった。非劣性を正式に証明するためには、両集団における一貫した結果が必要だが、レジメン5は他の推奨治療を受けられない患者の代替療法として有望である。

前述の新規治療法を実際に利用できるようにするためには、タイムリーで質の高い医療を受けるまでのハードルを全て取り除かなければならない。上記の試験結果は、多くの人から治療への障壁を取り除くものであり、endTBコンソーシアムは、これからも質の高い結核治療の普及と経済的負担改善に向けて、提言を続けていく。

臨床試験結果の詳細は こちら(英文):https://endtb.org/endtb-clinical-trial-results

[表: https://prtimes.jp/data/corp/4782/table/653_1_590e718036a9f6754368430936b6f6b7.jpg ]


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