令和元年度地球温暖化防止活動環境大臣表彰の受賞について
PR TIMES / 2019年12月2日 16時15分
東京地下鉄株式会社(本社:東京都台東区、代表取締役社長:山村 明義、以下「東京メトロ」)と東芝インフラシステムズ株式会社(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長:今野 貴之、以下「東芝」)は、丸ノ内線新型車両2000系向けに共同で開発した省エネルギー技術「二次電池SCiB(TM)適用 鉄道車両用次世代駆動システムの開発、導入」で、環境省が主催する「令和元年度地球温暖化防止活動環境大臣表彰」を受賞し、本日12月2日(月)に表彰が行われました。
東京メトロと東芝は長年にわたり環境負荷低減の為、鉄道車両の省エネ化を目指してまいりました。この度、丸ノ内線新型車両2000系にて、最新の非常走行用電源装置、インバータ装置、主電動機(モーター)の3つを組み合わせた駆動システムにより、従来と比較して27%もの省エネを実現しました。これら3つを組み合わせたシステムの導入事例は世界初となります。この取組みが評価され「令和元年度地球温暖化防止活動環境大臣表彰」を受賞する運びとなりました。
地球温暖化防止活動環境大臣表彰は環境省が主催し、地球温暖化防止に顕著な功績のあった個人または団体に対しその功績をたたえるもので、今回は「対策技術先進導入部門」で受賞しました。
東京メトロと東芝は、これからも共に技術開発、省エネ化を進め環境負荷低減に努めてまいります。
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表彰式の様子
(左から東芝 今野社長、八木環境大臣政務官、東京メトロ 山村社長)
「二次電池SCiB™適用 鉄道車両用次世代駆動システムの開発、導入」詳細
鉄道は他の交通機関に比べて環境負荷の小さい移動手段とされていますが、列車の運行は多くの電気エネルギーが必要であり、地球温暖化の防止に向けて、更なる環境配慮が求められています。
東京メトロと東芝は、鉄道車両システムのさらなる省エネ化を進めるため、以下の3つを組み合わせた駆動システムを、世界で初めて東京メトロ丸ノ内線に導入しました。これにより、2010年に改修した丸ノ内線02系PMSM(永久磁石同期電動機)車両に比べ、27%の消費電力量削減を実現しました。
1.高性能リチウムイオン電池SCiBTM搭載の「非常走行用電源装置」
停電により列車が駅間に停車した際などでも、車両に搭載した非常走行用バッテリより列車に給電し、最寄りの駅まで移動するための装置である「非常走行用電源装置」に、東芝が開発した高性能リチウムイオン二次電池であるSCiBTMを搭載しました。本装置では、バッテリでの回生吸収機能、力行アシスト機能も検証しており、電車がブレーキをかけた際に発電される電力を蓄え再利用することができ、エネルギーの損失を低減しています。
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非常電源装置
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高性能リチウムイオン電池SCiB™
2.All-SiC素子採用の「VVVFインバータ装置」
車両のモーターに供給する電気の制御を行う「VVVFインバータ装置」に、新開発のAll-SiC※素子を採用しました。これによりエネルギー損失を大きく低減し装置の小型化を実現、非常走行用電源装置の搭載スペースを確保しました。
※ SiC(Silicon Carbide:炭化ケイ素)
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VVVFインバータ装置
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All-SiC素子
3.新型モーター「PMSM」
永久磁石を回転子に使用しているモーターである「PMSM」を前述の「VVVFインバータ装置」に特化した設計にしました。これにより、高効率のモーターであるPMSMの更なる高効率化と回生性能を向上することに成功しています。
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PMSM
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従来車との消費エネルギー比較
なお、これらの製品開発の一部は,国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から東芝が支援を受けた「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」の実証開発「All- SiCデバイスを用いた高効率小型電力変換器システムの開発」の一環として実施しました。
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