「宇宙技芸」を提唱する哲学者ユク・ホイ、メディアアーティストの藤幡正樹など世界4都市から哲学者、キュレーター、アーティストが集う。国際シンポジウム「アート&テクノロジーの相対化に向けて」(全2回)開催
PR TIMES / 2024年11月21日 16時40分
デジタルテクノロジーによる変革の時代に、芸術と技術が社会において果たすべき役割とは?哲学的な視点とキュレーションから、アート&テクノロジーの新たなコンテクストを導く。
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[左から]藤幡正樹、ジョンソン・チャン、ユク・ホイ、斯波雅子(撮影:Dave Krugman)、リシャルトゥ・W・クルシュティンスキー(Photo:Katarzyna Piądłowska, mat. NInA)
東京都及び公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京が運営するシビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]では、メディアアートのパイオニアである藤幡正樹氏と協働し、香港、ポーランド、ニューヨーク等を拠点に活動する哲学者やキュレーターを交え、アート&テクノロジーについて歴史と地域、表現とメディアとの関連から考える全2回のシンポジウム「アート&テクノロジーへの相対化に向けて」を開催します。
本シンポジウムは、2024年5月よりスタートした全8回からなるCCBTの連続ミートアップ「アート&テクノロジーの問い」の最終章となるものです。本イベントには定員の4倍もの応募があり、現在は100名以上が受講するCCBTの人気シリーズとなっています。今回のシンポジウムでは、アートとメディアテクノロジーに関する海外の事例を紹介するとともに、哲学的な視点から、未来に向けて芸術と技術が社会において果たすべき役割を提示していきます。
開催概要
アート&テクノロジーの相対化に向けて (全2回) 日英同時通訳付【要事前申込・先着順】
第1回 アート&テクノロジーから宇宙技芸へ 日時:2024年12月1日(日)15:30~19:00
登壇者:ユク・ホイ(哲学者)、ジョンソン・チャン(キュレーター)、藤幡正樹(メディアアーティスト)
モデレーター:原島大輔(思想家)
第2回 アート&テクノロジーの地政学、次世代への視点 日時:2025年1月19日(日)14:00~17:30
登壇者:リシャルトゥ・W・クルシュティンスキー(キュレーター)、斯波雅子(非営利団体BEAF共同創設者兼ED)、藤幡正樹(メディアアーティスト)
会場:シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT] 入場無料 ※YouTube配信あり
公式サイト:https://ccbt.rekibun.or.jp/events/artandtechnology9-10
主催:東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京 シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]
企画制作:シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]
国際シンポジウム「アート&テクノロジーの相対化に向けて」グローバル化の進展とテクノロジーの急速な発展において、アート&テクノロジーの表現領域は、様々なステークホルダーと連携したイノベーション、そして地球や自然、テクノロジーとの共生に対し、様々な試行を生み出しています。これらの分野は、未来に向けたアートの領野を拡充する最も可能性に満ちた分野であると言えます。
国際シンポジウム「アート&テクノロジーの相対化に向けて」は、哲学的な視点とキュレーションの実践から、アート&テクノロジーの新たなコンテクストを導くための学びの機会です。第1回では、技術多様性=宇宙技芸から、技術概念の地域性と多様化を踏まえ「アート」の重要性を改めて考えていきます。また、第2回では、各地域にある歴史的な技術概念の違いやWeb3を見据えたアート業界の最先端の状況から、アート&テクノロジーが果たすべき社会的な役割を提起します。
なお、本シンポジウムは当日、YouTubeでの配信も行います。
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「アート&テクノロジーへの問い」開催風景
※本シリーズは、CCBTにおいて国内外の研究者等をパートナーとし、シビック・クリエイティブの実現に資するための研究、開発とその公開を推進する「リサーチ・パートナー・プログラム」の一環として実施しています。
第1回「アート&テクノロジーから宇宙技芸へ」
2024年12月1日(日)15:30~19:00
登壇者:ユク・ホイ(哲学者)、ジョンソン・チャン(キュレーター)、藤幡正樹(メディアアーティスト)
モデレーター:原島大輔(思想家)
ユク・ホイ氏は、話題の著書『中国における技術への問い―宇宙技芸試論』などを通じ、「アジアに哲学はあるのか?」という問いに立ち向かい、技術概念の多様化をめざし「宇宙技芸」を提唱する哲学者です。一方のジョンソン・チャン氏は、国際的美術のプラットフォームへの適合とは異なる方法で、中国の美術の形成を牽引してきたキュレーター/教育者です。本シンポジウムでは、「アジアにアートはあるのか?」という問いから、アート&テクノロジーが導くアジアにおける文化芸術の新たなコンテクストを考えていきます。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/38211/737/38211-737-11e3464055ced0d868c2df18e7334a85-423x423.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
ユク・ホイ(Yuk Hui)[香港] 哲学者
エラスムス・ロッテルダム大学教授として、同大学の「Human Conditions(人間の条件)」研究プログラムを担当。著書である『On the Existence of Digital Objects』(2016)、『中国における技術への問い―宇宙技芸試論』(株式会社ゲンロン、2016)、『再帰性と偶然性』(青土社、2019)、『芸術と宇宙技芸』(春秋社、2021)、『Post-Europe』(2024)、『機械と主権』(春秋社、2024)などは十数か国語に翻訳されている。「哲学と技術のリサーチネットワーク(Research Network for Philosophy and Technology)」主宰、バーグルエン哲学・文化賞審査員。
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ジョンソン・チャン(Johnson Chang)[香港] キュレーター
ジョンソン・チャン(チャン・ツォンズン/張頌仁)は、香港初の中国現代美術を扱うギャラリーとして1983年にオープンしたハンアート・TZ・ギャラリーの創設者でありオーナーおよびディレクター。中国の現代美術を国際的に押し上げた立役者として知られる。1970年代後半から展示企画を手がけ「The Stars: 10 Years」(1989)や「China’s New Art Post 1989」(1993~97)などの展覧会を実施し、ジャン・シャオガン(張暁剛)、ゾン・ファンジ(曾梵志)、ワン・グァンイ(王広義)、ファン・リジュン(方力鈞)らアーティストの進出を支援した。アジア・アート・アーカイブ(AAA)共同設立者、中国美術学院(杭州)客員教授。
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原島大輔(Harashima Daisuke)[日本] 思想家
基礎情報学/表象文化論。早稲田大学次世代ロボット研究機構研究助手。著書に「Cybernetics for the 21st Century Vol.1」(共著、Hanart Press、2023)、『未来社会と「意味」の境界』(共著、勁草書房、2023)、『メディア論の冒険者たち』(共著、東京大学出版会、2023)、『AI時代の「自律性」』(共著、勁草書房、2021)、『基礎情報学のフロンティア』(共著、東京大学出版会、2019)など。論考は、『美術手帖』、『思想』、『現代思想』、『ユリイカ』などにも掲載。訳書に、ユク・ホイ『再帰性と偶然性』(青土社、2022)、ティム・インゴルド『生きていること』(共訳、左右社、2021)。
第2回「アート&テクノロジーの地政学、次世代への視点」
2025年1月19日(日)14:00~17:30
登壇者:リシャルトゥ・W・クルシュティンスキー(キュレーター)、
斯波雅子(非営利団体BEAF共同創設者兼ED)、藤幡正樹(メディアアーティスト)
第2回では、ポーランド、欧州でアート&テクノロジーの分野を牽引してきたキュレーターと、ニューヨークと日本をつなぎ、次世代に向けた新たなプラットフォームを構築するプロデューサーを迎えます。
写真発明以上のインパクトを持ったデジタルテクノロジーによる変革は、「アート」の地政学を再編しうるのか? デジタルテクノロジーを中心的な課題とするメディアアートなどの表現は、未来に向けてアートの領野を拡充する最も可能性に満ちた分野と言えます。ここでは、各地域にある歴史的な技術概念の違い、Web3を見据えたアート業界の状況などを交えつつ、作品に対する評価、これからのアート&テクノロジーが果たすべき社会的な役割について提起していきます。
[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/38211/737/38211-737-f2934edba006edc8d3c32aa0f9d5b5a8-265x283.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
リシャルトゥ・W・クルシュティンスキー(Ryszard W. Kluszczyński)[ポーランド] キュレーター
博士(アート・メディア論)、メディアアート研究者、作家。ポーランドのウッチ大学ニューメディア&デジタル文化学科教授、同大学アート&サイエンス研究所所長。メディアアートやサイバーカルチャー、アート、科学、テクノロジーと政治の相互関係を研究。2011年よりグダニスクのワジニャ現代アートセンター「アート&サイエンス・ミーティングプログラム」アートディレクターを務める。巡回展「United States of Europe」(2011~2013)の共同キュレーター、国際現代アート展「第2回メディエーションズ・ビエンナーレ」(2010、ポズナン)のキュレーターおよびウジャズドフスキ城現代アートセンター(ワルシャワ)の映像&マルチメディアアート部門のチーフ・キュレーター(1990~2001)を歴任。
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撮影:Dave Krugman
斯波雅子(Shiba Masako)[USA/日本] 非営利団体BEAF共同創設者兼ED
ニューヨークを拠点に、アジア文化系団体のマネジメントやアート&テクノロジー分野で活動。アジアン・カルチュラル・カウンシル日本財団の初代事務局長を務めた後、2024年にブルックリン実験アート財団(BEAF)を共同設立し、日米の文化交流と研究を支援している。また、ブロックチェーンアート会社ONBDを共同創設し、宇宙事業スタートアップSpacetainment社のアート事業統括として、ISS外壁での史上初の作品展示を実現し、その作品を大阪関西国際芸術祭で公開した。NFT専門家としてWebXやNFT NYCに登壇し、村上隆個展のカタログに寄稿するなど、アートとテクノロジーを融合した活動を展開している。
―これまでの開催―
連続ミートアップ「アート&テクノロジーへの問い」2024年5月より藤幡正樹氏とCCBTが協働して開催してきた連続ミートアップ「アート&テクノロジーへの問い」。ここでは、鑑賞者、アーティスト、学者など、新たな創造的視点を探求する幅広い層を対象に、アートとテクノロジーの交差点から未来の社会を構築するための学びの場を提供してきました。科学・芸術・哲学・技術と、その関係性を読み解く各レクチャーには、毎回100名以上の参加者が集い、藤幡正樹氏とともに討議をしてきました。
本レクチャーの内容は、CCBTウェブサイトにて公開しています。
【これまでの実施】
・第1回:人間として生きる(ガイダンス)
・第2回:道具と装置(人間について)
・第3回:猛烈最短美術史(絵画史)
・第4回:鑑賞と関与(見ること)
・第5回:コンセプションとメディウム(孕むこと)
・第6回:生命と機械(知ること)
・第7回:総復習!アート&テクノロジーへの問い
・第8回:作品と表現(価値について)
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[画像9: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/38211/737/38211-737-6f9177ef51775dbb40d18530d0b7772f-872x872.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
藤幡正樹(Fujihata Masaki)[日本] メディアアーティスト
日本のメディア・アートのパイオニア。80年代より、コンピュータ・グラフィックス作品、彫刻作品、インタラクティブ・アート作品を制作。1996年にネットワークをテーマにした作品「Global Interior project」でアルス・エレクトロニカ・ゴールデンニカ受賞。2000年代にはイメージと仮想空間の問題やGPSを使ったフィールドワーク・シリーズを展開。2018年には香港で、また2022年にはロサンゼルスで、歴史をテーマとした大型のARのパブリック・アート・プロジェクト「BeHere / 1942」を実現。近年は「Brave New Commons」「My First Digital Data」と、NFTを扱ったプロジェクトを展開している。
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