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東京五輪中止! そのときアスリートたちは?『幻のオリンピック』

PR TIMES / 2020年8月4日 16時45分

陸上、サッカー、水泳・・・若くして夢を絶たれたオリンピック選手たちの人生に光を当てる。



[画像: https://prtimes.jp/i/13640/778/resize/d13640-778-520819-0.jpg ]


国家がスポーツの理念をすり替え、利用してきた。
2020年7月24日に開会し、今頃は熱狂の最中に違いなかった東京オリンピック。新型コロナウイルスの蔓延により延期が決定し、来年の開催にも一部、疑問の声が上がっている。今後、世界規模でコロナは収束するのか、ワクチンや治療薬の開発は進むのか、予断を許さない状況だ。7年前、「TOKYO!」の発表とともに歓喜に沸いたあの瞬間、このような事態を誰が予測しただろうか。スポーツファンはもちろんのこと、夢の舞台を信じ、黙々と練習に励んできたアスリートにとっては、心中穏やかでない状況だと察する。実際、延期により競技引退を決めた選手もおり、人生を狂わされたといっても過言ではない。

実は、かつての日本には、競技人生のみならず命までも奪われたアスリートたちがいたーー。

1940年に開かれる予定だった“幻の東京五輪”。活躍が期待された選手たちは、戦争一色に染まる時代の中でスポーツの晴れ舞台から去り、戦地へと送られた。有名なアスリートたちは、国威発揚のために“宣伝効果”の高い激戦地に送り込まれ、多くの者が遠く離れた地で無念の死を遂げた。その数、わかっているだけでも37人。本書は、関係者たちの貴重な証言をもとに、若くして夢を絶たれたオリンピック選手たちの人生に光を当てる。

«それぞれに一瞬の輝きを放った三七の青春。その最期に彼らを待ち受けていたのは、時代という大きなうねりの中で、名声ばかりでなく、その命までも利用しようという国の思惑だった。スポーツを、兵力を増強するための「手段」として、アスリートの死を戦意昂揚のための「伝説」にして、国家がスポーツの理念をすり替え、利用してきたという事実だ。
ベルリンオリンピックで陸上短距離代表として出場した一人のランナーは、戦いの舞台をトラックから戦場に移し、国に命を捧げた。その死は陸軍大将に「皇国青年の士気を昂揚す」と称賛され、人々の戦意を煽る道具とされた。同じ大会で優勝候補のスウェーデン相手に「ベルリンの奇跡」と呼ばれる番狂わせを果たしたサッカー日本代表。エースストライカーは最期の瞬間まで「サッカーがしたい」という思いを吐露し、短い人生を終えた。
一九三二年のロサンゼルス大会、続くベルリン大会あわせて金九、銀七、銅七のメダルを獲得し、世界を席巻した日本競泳陣。水泳は戦争で役に立つ「国防競技」となりオリンピックに出場した選手たちがその指導にかり出された。やがて、戦局の悪化にともない、その強靭な肉体と精神力が買われ、トップスイマーたちは激戦地へ赴く。そして、彼らは二度と泳ぐことはなかった・・・・・・。»

2019年8月18日に放送されたNHKスペシャル「戦争と“幻のオリンピック” アスリート 知られざる闘い」は、北島康介、長谷部誠、朝原宣治がガイド役を務め大きな話題となった。
今回、同番組の放送時間(49分)では収まりきらなかった証言や重要資料を、あますところなく加えて書籍化!
いま再び、東京五輪が混乱する中、スポーツと平和について問う。

〈目次〉
はじめに

第一章 国を背負ったアスリート・鈴木聞多
なぜ彼は自ら志願して戦争に行ったのか/八〇年経って見つかった映像/ オリンピックへの道/「日本は大会をボイコットすべし」/ 選手村には日本流の風呂が/ナチスが発案した「聖火リレー」/ 陸上チームのメダルラッシュ/四選手が同タイム/ 「僕も聞多さんと同じ体験をしてるんです」/君死にたもうことなかれ/ 「怪しい人間は殺します」/葬儀に参列した陸軍大臣

第二章 「ベルリンの奇跡」――サッカー日本代表と戦争
ジャイアント・キリング/「日本人だ。日本人だ。日本人だ」/ 逆転ゴールを決めた俊足ストライカー/ 「戦争に行きたくない。サッカーを続けたい」/ 日本のサッカー界を苦しめたもの/途絶えた松永からの手紙/ 戦地でサッカーを教えていた/ガダルカナル島「最後の戦い」

第三章 幻となった東京オリンピック
発見された手帳/史上最強の代表チームを作った男/一高在学中に「自由形」で優勝/ 「水に如何に力を加えるか」/オリンピック水泳史上未曾有の戦果/ 調整に失敗したベルリン大会/一九四〇年大会を帝都・東京に/ 東京オリンピック中止/「ナショナリズムが世界平和を脅かす」/ 松澤の「面従腹背」/戦争とスポーツをめぐる議論/河童踊り

第四章 もうひとつのオリンピック
九六歳の証言者/「軍服を着て泳いだこともあった」/ 「最後に最高の記録を人生に残したい」/そして観客たちは立ち上がった/ 沖縄戦で帰らぬ人となったオリンピアン/「俺は泳いで与論島に行く」/ 元祖アイドルスイマー/夜の神宮プールで/戦没者たちへの涙

第五章 一九六四年「平和の行進」
ロンドン五輪をはるかに超えた水泳日本選手権/ 「国旗」のスペシャリスト/「まるで学徒出陣のようですね」/ 前代未聞の計画を実行する同志/巧妙かつ大胆な作戦

あとがき
日本人「戦没オリンピアン」一覧
おもな参考文献・資料

[表: https://prtimes.jp/data/corp/13640/table/778_1.jpg ]



【著者紹介】
NHKスペシャル取材班
大鐘良一(NHK報道局スポーツ情報番組部 チーフ・プロデューサー)
中元健介(NHK報道局スポーツ情報番組部 チーフ・ディレクター)
篠崎貴志(NHK報道局社会番組部 チーフ・ディレクター)
山登義明(フリーディレクター/プロデューサー)
森田 超(NHK報道局社会番組部 チーフ・プロデューサー)
吉田宏徳(NHKグローバルメディアサービス チーフ・プロデューサー)

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