イエメン:コレラ感染拡大、前例にない規模に-1カ月で7万件、600人が死亡【プレスリリース】
PR TIMES / 2017年6月5日 15時32分
今後2週間で13万件に上る恐れ
【2017年6月2日 サヌア(イエメン)/ジブチ(ジブチ)/アンマン(ヨルダン)発】
前例にない規模のコレラの流行に見舞われているイエメンを訪問し、ユニセフが実施している支援活動を見届けたユニセフ(国連児童基金)中東・北アフリカ地域事務所代表ヘルト・カッペラエレが、以下の声明を発表しました。
* * *
[画像1: https://prtimes.jp/i/5176/938/resize/d5176-938-149937-0.jpg ]
イエメンでは信じ難いほど急速にコレラの感染が拡大しており、子どもたちを取り巻く状況は、以前の厳しさに増して、惨事と化しています。この約1カ月の間に、コレラ感染が疑われる症例は7万件近く、死亡者数は600人近くと報告されています。コレラ感染が疑われるケースは、今後2週間で13万件に拡大すると見込まれています。
現地で機能している数少ない病院の一つで、トリアージが行われていたところを訪問した私は、瀕死の状態にある子どもたちの痛ましい光景を目にしました。体重が2キロにも満たない小さな赤ちゃんが、必死で生きようとしているのです。
その子どもたちのうち何人かは、夜のうちに命を落としたのではないかと危惧します。
多くの家族は、子どもを病院に連れてくる費用を、必死で工面しました。
しかし、この子どもたちはまだ恵まれています。イエメンでは、コレラや下痢性疾患、栄養不良など、簡単に予防や治療が可能な疾患が原因で、毎日数えきれない数の子どもたちが、静かに命を落としているのです。
[画像2: https://prtimes.jp/i/5176/938/resize/d5176-938-566967-1.jpg ]
これ以上多くの子どもの命がコレラによって奪われないよう、限られた時間の中、懸命に活動する保健員たちに会いました。彼らは、約9カ月間も給料が支払われていないのにも関わらず、献身的かつ決意をもって取り組んでいます。彼らは、イエメンにおける陰の英雄たちです。私たちは、彼らが切実に必要とする医療物資やその他の支援を提供するために、あらゆる手を尽くさなければなりません。イエメンのすべての関係当局は結束して、公務員の給料の支払いを再開しなければなりません。
コレラの流行が4週間前に始まってから、ユニセフはパートナー団体と協力して支援を実施しています。現地で活動するユニセフのチームは、イエメン全土の100万人以上に安全な水を提供し、医薬品、経口補水塩、下痢性疾患キット、点滴液を含む、命を守るための救援物資40トン以上を届けました。
保健、水と衛生、栄養、コミュニティへの啓発における緊急支援を迅速に提供するためには、国際社会によるさらなる努力が必要です。ユニセフは、コレラのさらなる流行拡大を防ぐための活動資金として、直ちに1,600万米ドルを必要としています。
しかし、最も重要なのは、すべての紛争当事者が、イエメンの子どもたちのことを最優先に考え、政治的合意により平和的に紛争を終結させるべき時が来ているということです。それが、イエメンの子どもたちの命を守り、彼らが健康に成長することを助ける究極の方法なのです。
* * *
■本信はユニセフ本部が発信した情報をもとに、日本ユニセフ協会が編集・翻訳したものです。本信の原文は、 https://www.unicef.org/media/media_96139.html からご覧いただけます。
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ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
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※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
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