NFCリーダライタICに新たな性能基準を導入

EMVCo 3.0への準拠を簡略化し、NFCアプリケーションに強化された機能セットを追加

多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス（NYSE：STM、以下ST）は、決済端末の設計を簡略化し、新しいEMVCo 3.0のカード、モバイルおよびウェアラブル機器の非接触相互運用性試験への準拠に役立つ革新的な機能を搭載したNFCリーダライタICであるST25R3916を発表しました。

STの新しいNFCリーダライタICは、電磁界強度をEMVCoの制限値内に抑え、距離が無い状態での過出力によるカードやスマートフォンなどへの損傷を回避するダイナミック・パワー・アウトプット（DPO）を搭載した初のNFCリーダライタICであるST25R3911Bの機能を継承しています。ST25R3916には、アクティブ波形補正（AWS）が追加されており、エネルギーを継続的に管理してアンテナの離調に対する波形の安定性を向上させます。DPOとAWSを合わせて使用することで、カード、ウェアラブル機器およびスマートフォンなどをエミュレートするリファレンス近接型ICカード（PICC）を多種使用して実施する試験が簡単になり、新たに設計した端末のEMVCo 3.0認定取得を加速させます。

STR25R3916には、優れた感度を実現する業界初のノイズ抑制レシーバ（NSR）が追加されており、端末が液晶ディスプレイ（LCD）のノイズを、NFC対応スマートフォンやICカードからの負荷変調信号と間違えないようにします。そのため、設計者は最高のユーザ体験の実現に向けたLCDモデルを選択することができます。低ノイズのシールドLCDの使用が不要になったことで、ディスプレイの選択肢が広がり、製品コストを低減することができます。

また、ST25R3916は、内部のLDOを使用した場合は最大出力1.6W、外部のレギュレータを追加すればそれ以上の出力が可能で、小型アンテナによるセットアップでも確実に接続できる適切な電磁界強度を実現します。

ST25R3916は、決済端末の他にも、アクセス管理システム、ゲーム機器、IoT機器、ブランド保護、サプライチェーン・システム（製品設定、認証、トレーサビリティなど）といった幅広い産業およびコンスーマ・アプリケーションにおいても優れた性能を発揮します。

さらにST25R3916は、自動アンテナ・チューニング（AAT）、自動EMD（電磁妨害）処理、省電力の静電容量式（IWU）および電磁誘導式ウェイクアップ（CWU）、およびリーダ/ライタ、P2P、カード・エミュレーションの各モードのサポート機能を搭載しており、製品開発期間の短縮や、関連するNFC規格への準拠に必要になるすべての機能を提供します。

ST25R3916は、包括的な無償ソフトウェア・ツールでサポートされています。PCベースのソフトウェアは、レジスタや各種機能へのアクセスを可能にし、ST25Rシリーズのすべての製品のISO-DEPおよびNFC-DEPレイヤを含む主要技術に対して、完全なRF/NFC抽象化（RFAL）を実現します。また、無償のEMVCo L1ソフトウェア・パッケージもご利用いただけます。

ST25R3916は現在量産中で、QFNパッケージ（32ピン、5 x 5mm）で提供されます。単価は1000個購入時に約3.40ドルです。

詳細についてはウェブサイトをご覧ください。
（ https://www.st.com/ja/nfc/st25r3916.html ）

また、ブログ記事もご覧いただけます。
（ https://blog.st.com/emvco-30-nfc-card-payment-st25r3916/?icmp=tt10578_gl_pron_feb2019 ）

STマイクロエレクトロニクスについて
STは、私たちの暮らしに欠かすことのできないエレクトロニクス機器に、優れた性能と高い電力効率を特徴とした半導体を提供する世界的な総合半導体メーカーです。あらゆるシーンで活躍するSTの製品は、お客様が開発する次世代モバイルやIoT機器の他、よりスマートな自動車、工場、都市および住宅を可能にします。STは、生活をより豊かにする技術革新を通じ、「life.augmented」の実現に取り組んでいます。STは、10万社を超えるお客様に半導体を提供しており、2018年の売上は96.6億ドルでした。さらに詳しい情報はSTのウェブサイト（ http://www.st.com ）をご覧ください。

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STマイクロエレクトロニクス（株）
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