11月の食品値上げ282品目 11カ月ぶりに前年上回る 2025年の値上げ予定、1000品目を突破 24年を上回るペース
PR TIMES / 2024年11月1日 16時40分
定期調査:「食品主要195社」価格改定動向調査―2024年11月
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株式会社帝国データバンクは、2024年11月以降における食品の値上げ動向と展望・見通しについて、分析を行った。
<調査結果(要旨)>
- 11月の食品値上げは282品目 11カ月ぶりに前年を上回る
- 11月は「加工食品」が最多 「菓子」は91品目、35カ月連続で値上げ実施
- 2025年の値上げ予定、1000品目を突破 粘着質な値上げ続く見通し
次回調査の公表予定
2024年12月分・2025年以降の発表は2024年11月29日(金)午前9時
11月の食品値上げは282品目 11カ月ぶりに前年を上回る
主要な食品メーカー195社における、家庭用を中心とした11月の飲食料品値上げは282品目を数えた。前年同月(139品目)を143品目・102.9%上回り、2023年12月以来、11カ月ぶりに前年を上回った。
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11月の値上げとしては、しょうゆなどの調味料や洋生菓子等に限定された2023年と異なり、正月用品やふりかけ製品、チョコレート製品など、多岐にわたる食品分野で値上げとなったことが、品目数を押し上げた。また、1回あたりの平均値上げ率は11月単月で16%だった。
2024年通年の値上げ品目数(予定含む)は12月までの累計で1万2458品目となり、年間の平均値上げ率は17%となった。10月は年内最大となる約2900品目の値上げが実施されたものの、年末にかけて値上げは沈静化傾向で推移しており、24年通年の値上げは前年比6割減の1万3000品目以下にとどまるとみられる。
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2024年の値上げ要因では、最も多いのが「原材料高」(92.7%)となった。前年通年(96.2%)を3.5pt下回ったものの、嗜好品ではチョコレートやコーヒー、調味料では大豆などで原材料価格上昇の影響がみられ、引き続き高い水準での推移となった。トラックドライバーの時間外労働規制などが要因となって上昇が続く「物流費」(68.5%)、プラ包装容器などの「包装・資材」(66.6%)、「円安」(28.3%)、「人件費」(26.6%)といった値上げ要因の割合も、前年を大幅に上回った。
2025年の値上げは、10月31日時点の概算で1033品目を数えた。前年の同時期に判明した24年の値上げ品目(498品目)を大幅に上回っている。
11月は「加工食品」が最多 「菓子」は91品目、調査開始以降35カ月連続で値上げ実施
食品分野別に2024年11月の値上げをみると、ふりかけ製品などを中心とした「加工食品」が全食品分野で最も多い124品目となり、11月全体の4割超を占めた。加工食品が全食品分野で最多となるのは9月以来2カ月ぶりとなる。
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「菓子」(91品目)では、収束の兆しがみられないカカオ豆の価格高騰による影響を受け、チョコレート製品の値上げが続いた。また、菓子は2022年の集計開始以降35カ月連続で値上げ品目が発生した。
今後の見通し:2025年の値上げ予定、1000品目を突破 粘着質な値上げ続く見通し
2024年における飲食料品の値上げは、2023年に引き続き「原材料高」の影響を受けた。また、食品フィルムやトレー、段ボールといった包装資材、ドライバーの働き方改革に伴う物流費の上昇といった影響が強まったほか、円安による輸入インフレも加わった。他方で、PBなど安価な代替製品への需要シフトや、値上げ後に購入点数が減少するといった動きが定着したことから販売価格の引き上げに消極的な姿勢も一部でみられた。総じて、値上げを含めた価格設定の判断が非常に難しい1年だったことも、前年に比べて値上げの勢いが弱まった要因となった。
足元では、コメ不足に伴うパック米飯の一斉値上げなど特徴的な傾向もみられるものの、2024年通年の値上げは前年実績比で4割程度の1万3000品目以下で着地するとみられる。
2025年の値上げでは、24年のトレンドを引き継いで、モノ由来の値上げが当面主流になると想定される。10月31日までに判明した25年の値上げ予定は既に1000品目を超えており、前年同時期時点で判明した、24年に実施予定の値上げ品目を上回った。
2025年の値上げ要因では、円安などの要因に低下傾向がみられる一方、物流費や包装資材費などの要因が24年を大きく上回る水準で推移している。原材料価格でも、薄力粉系を中心とした小麦粉が製粉各社で25年以降に値上げとなり、パンや洋菓子、加工食品を中心に広く影響が及ぶ可能性がある。賃上げなどに起因する人件費由来の値上げ割合は、判明する1-4月分で24年通年を大幅に上回っており、最低賃金の大幅引き上げなどでさらに高まる可能性がある。
値下げや価格据え置きを維持可能な好材料には乏しく、2025年は粘着質な値上げの継続が見込まれ、品目数は24年を上回って推移する可能性が出ている。
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