JAXA・スカパーJSAT・JR西日本鉄道の故障予測AI技術を宇宙機へ活用するため事業共同実証活動を開始ー地上から宇宙まで機器メンテナンスの課題解決を目指してー
PR TIMES / 2024年5月23日 16時15分
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国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(本社:東京都調布市、理事長:山川宏、以下「JAXA」)と西日本旅客鉄道株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:長谷川一明、以下「JR 西日本」)は、JR西日本にて社内開発し業務使用している機械故障予測AI技術について、人工衛星などの宇宙機へ適用することを目指し、2022年10月より事業コンセプト共創活動※1を進めてまいりました。このたび、本取り組みを拡大するために、アジア最大の衛星通信事業者であるスカパーJSAT株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 執行役員社長:米倉英一、以下「スカパーJSAT」)を加えて三者での事業共同実証活動を開始し、実運用への適用に向けた活動を加速させます。
※1 JR西日本とJAXA、故障予測AI技術を活用した宇宙機のヘルスマネジメント事業に関する共創活動を開始
https://www.jaxa.jp/press/2022/10/20221017-1_j.html
共創活動の内容
「JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(以下、J-SPARC)」※2の枠組みのもと、JAXAとJR西日本で進めてきた事業コンセプト共創活動では、JAXA が持つ人工衛星からのテレメトリデータ※3アセットおよび運用ノウハウと、JR西日本が持つ鉄道設備メンテナンスに関するデータ分析・AI開発技術およびその実装ノウハウを掛け合わせることで、人工衛星における故障と異常兆候の検知AIの開発を行ってきました。
これまでの検討から、従来の運用管制では視覚的に確認する事が難しかった外部環境による影響や複数のテレメトリデータの相互関係を可視化させ、人工衛星運用の品質の向上・業務効率化に繋がる複数のAIモデルを構築しました。
この共創活動に、国内外様々なメーカーの人工衛星累計30機以上の運用実績と知見を備えるスカパーJSATが参加することで、商用衛星運用における課題の明確化と衛星テレメトリ解析AIモデルの高度化が可能になります。また、実運用環境での利用に向けた実証を通じ、異常兆候検知AIを通じた衛星運用の品質の向上と業務効率化、これによるさらなる安定運用を目指します。
将来的には、軌道上衛星の有効な利活用事業やリスクヘッジ事業の構想およびその事業性の検討をしていきます。
※2 JAXA 宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)
J-SPARC は、宇宙ビジネスを目指す民間事業者等と JAXA との対話から始まり、事業化に向けた双方のコミットメントを得て、共同で事業コンセプト検討や出口志向の技術開発・実証等を行い、新しい事業を創出するプログラムです。2018年5月から始動し、これまでに48を超えるプロジェクト・活動を進めています。
https://aerospacebiz.jaxa.jp/solution/j-sparc/
※3 人工衛星上で取得された各センサデータやステータス情報のことを指します。具体的には電力、姿勢、通信状態をはじめ、機器の健康状態などが含まれます。
各社の役割
JAXA:
人工衛星の運用に関するノウハウや異常兆候に関する知見を提供し、今後の人工衛
星運用の品質向上・業務効率化に資する知見を獲得します。それらの知見を、衛星コンステレーション等の衛星機体数増加に伴い効率化が求められる衛星運用への適用に活かしていきます。
スカパーJSAT:
星通信事業者として培ってきた運用実績と知見、および保有する人工衛
星のテレメトリデータを提供し、開発された故障予測技術の評価・フィードバックを行いながら、実運用している人工衛星への適用を目指し実証実験を行います。これにより、人工衛星の運用品質の向上・業務効率化を推進するとともに、衛星のヘルスマネジメント事業とスカパーJSATの他事業への水平展開の検討を行います。
JR西日本:
独自のデータ分析組織を有し、自動改札機故障予測をはじめ、社内開発したAI 等を実際の業務に使用しています。AI開発技術、およびその業務実装ノウハウを提供し、JAXA・スカパーJSATの知見を取り込み、宇宙機向け検知AIについて実装のための設計・制作を行います。
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