第5回山田風太郎賞 荻原浩著『二千七百の夏と冬』に決定!
PR TIMES / 2014年10月28日 13時13分
角川書店 ブランドカンパニー
株式会社KADOKAWA 角川書店 ブランドカンパニー(代表取締役社長:松原眞樹、ブランドカンパニー長:堀内大示)と一般財団法人 角川文化振興財団(理事長:角川歴彦)が、2009年に創設しました文学賞 『山田風太郎賞』の選考会が2014年10月27日(月)午後4時より東京會舘(東京都千代田区丸の内3-2-1)にて行われ、選考委員の審査により、荻原浩著『二千七百の夏と冬』が受賞作に決定しました。
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2011年、夏――ダム建設工事の掘削作業中に、縄文人男性と弥生人女性の人骨が同時に発見された。二体は手を重ね、顔を向け合った姿であった。3千年近く前、この二人にいったいどんなドラマがあったのか? 新聞記者の佐藤香椰は次第にこの謎にのめりこんでいく。 紀元前7世紀、東日本――ピナイの村に住むウルクは15歳。5年前に父を亡くし、一家を支える働き頭だが、猟ではまだまだ半人前扱い。いろいろと悔しい目にあうことも多い。近ごろ村は、海渡りたちがもたらしたという神の実“コーミー”の話でもちきりだが、同時にそれは「災いをもたらす」と噂されていた。
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選考委員を代表して選評を述べた筒井康隆氏は、「上下巻の大変な力作。よく調べられた情報がうまくストーリーとマッチしている。この時代をあまり書く人がいないのは古代語を書くのが難しいためだが、古代語に時々振られたルビが現代語になっているのが非常によく効いていて面白い。現代人・古代人のキャラクターいずれについても文句はない。また、(別の選考委員)林 真理子氏も強く推しており、縄文・弥生時代の日常的な描写に大変親近感を覚えたようで、安心して読める作品ではないか」と話しました。
荻原氏は、「縄文時代を舞台にした物語は、いつか書いてみたいと思っていた。原始的で、良くも悪くもストレートな人間の姿を書きたかった。今回やっと念願が果たせた。当時と現代では環境やテクノロジーは違うが、意外と考えていることは似ているのではと思った」とコメントしました。荻原氏には、正賞として記念品(名入り万年筆)と副賞 100万円が贈られました。
「山田風太郎賞」は戦後日本を代表する大衆小説家、故山田風太郎氏の独創的な作品群と、大衆性、ノンジャンル性、反骨精神など氏が貫いた作家的姿勢への敬意を礎に、有望な作家の作品を発掘顕彰するために創設しました。毎年9月1日から翌年8月31日までに単行本として発表された長編および短編の文芸作品(ミステリ、時代、SFなどジャンルを問わない)の中より最も面白いと思われる作品に贈ります。新人、新進、中堅作家の作品が対象となります。第5回選考委員は、赤川次郎、奥泉 光、京極夏彦、筒井康隆、林 真理子 (敬称略・五十音順)が担当しました。
本賞の贈賞式および祝賀会は、11月28日(金)に、いずれも東京會舘にて開催します。角川三賞として、『第34回横溝正史ミステリ大賞』と『第21回日本ホラー小説大賞』(主催:株式会社KADOKAWA 角川書店 ブランドカンパニー、一般財団法人 角川文化振興財団)の贈賞式・祝賀会も、あわせて行います。
<著者略歴>荻原 浩(おぎわら・ひろし)
1956 年埼玉県生まれ。58歳、男性。成城大学経済学部卒業。広告制作会社、コピーライターを経て、97年『オロロ畑でつかまえて』で第10回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。2005年『明日の記憶』で第18回山本周五郎賞を受賞。著書に『誘拐ラプソディー』『神様からひと言』『あの日にドライブ』『四度目の氷河期』『愛しの座敷わらし』『砂の王国』『花のさくら通り』『二千七百の夏と冬』などがある。
山田風太郎賞公式HP http://www.kadokawa.co.jp/award/yamada/
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