"中華圏初"のプロレス小説『リングサイド』日本上陸! 台湾新世代作家が届ける、リングに魅せられた人びとの物語です。本日発売!
PR TIMES / 2021年2月19日 18時45分
この小説はプロレスについて書いている。それはつまり、人生について書いているということだ── 西加奈子(作家)
知りたかった事が書いてあった。みんなの生活の中でのプロレスの存在意義。 そうか。プロレスラーは記憶の中で、画面の中で生き続けるんだなぁ── 棚橋弘至(プロレスラー)
[画像1: https://prtimes.jp/i/13640/1027/resize/d13640-1027-797485-2.jpg ]
本書は、プロレスと出会い、それに魅せられた老若男女の人生ドラマ10編からなります。著者の林育徳【リン・ユゥダー】は、台湾を代表する作家・呉明益に師事する新世代の作家で、本書にてデビューしました。言うまでもなく、熱烈なプロレスファンです。
しかし、台湾ではプロレスはメジャーとは言えず、興行も限られています。ファンが日頃、接するのは日本や米国の興行の衛星中継やケーブルテレビによる再放送です。そうした制約がありつつも、プロレスファンはそれぞれの方法で「愛」を深めていきます。
たとえば、第18回台北文学賞小説部門大賞を受賞した「ばあちゃんのエメラルド」は、三沢光晴氏の試合を楽しみにする「ばあちゃん」が描かれています。しかし、三沢氏は2009年に物故されています。「ばあちゃん」はその事実を知らず、再放送の映像を見ながら三沢氏への熱を持ち続けるのです。主人公の孫はネットで悲報を知ったものの、その事実を「ばあちゃん」に伝えられず――といった物語です。
そのほか、台湾のインディーズ団体を題材にしている短編もあり、台湾という島国でいかにプロレス文化が華開いているかがよくわかります。本書の各話は独立していますが、台湾東部にある花蓮【かれん】がモデルとされる地方都市を舞台として、緩やかに繋がっています。台湾のローカル文化に関心がある方にもオススメです。
なお、本書の装画を担当した阮光民【ルアン・グアンミン】が描いた『歩道橋の魔術師 漫画版:阮光民巻』が、このたび日本の外務省が海外の優れた漫画作品を表彰する「第14回日本国際漫画賞」の優秀賞を獲得しました。台湾を代表する漫画家の世界観が見事に現れた装丁も本書のノスタルジーを演出します
『リングサイド』著/林 育徳 訳/三浦裕子
定価:本体1,800円+税 四六判320頁 小学館
https://www.shogakukan.co.jp/books/09386588
▼「ばあちゃんのエメラルド」一編まるごと公開中▼
https://shosetsu-maru.com/yomimono/tameshiyomi/ringside
[画像2: https://prtimes.jp/i/13640/1027/resize/d13640-1027-294782-1.jpg ]
著者:林育徳【リン・ユゥダー】……1988年台湾・花蓮生まれ。花蓮高校卒業後3つの大学を転々とし、6年かけて卒業。東華大学華文文学研究所(大学院)で、呉明益氏に師事。詩作を中心に創作活動を展開し、全国学生文学賞、中央大学金筆賞、東華大学文学賞、花蓮文学賞、海洋文学賞など受賞歴多数。本作『リングサイド』は大学院の卒業制作。現在も花蓮在住。
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