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イラクの子ども4人に1人に、紛争と貧困の影響【プレスリリース】

PR TIMES / 2018年1月23日 12時1分

国際社会に子どもの権利保護と支援求める



[画像1: https://prtimes.jp/i/5176/1097/resize/d5176-1097-979981-0.jpg ]

【2018年1月19日 バグダッド(イラク)/アンマン(ヨルダン)発】

イラクを訪問したユニセフ(国連児童基金)中東・北アフリカ地域事務所代表ヘルト・カッペラエレは、イラクの子どもたちの状況について以下の声明を発表しました。

* * *

今のイラクは、最も弱い立場にある子どもたちが必要とする人道・開発支援を提供するために、ユニセフが最大規模の支援活動をしている国の一つです。

Ninewa や al-Anbarを含むいくつかの地域では、深刻な暴力の被害を受けている子どもたちが400万人以上います。昨年だけでも、270人の子どもが殺害されました。そして多くの子どもたちが、子ども時代を奪われ、前線で戦闘に参加することを強要されました。前例のないほどの残虐行為に晒された子どもたちは、生涯にわたり身体的・精神的な傷を抱えて生きていくことになります。100万人を超える子どもたちがふるさとから逃れることを余儀なくされました。

いくつかの地域での戦闘は収まった一方で、暴力の激化が続いている地域もあります。この1週間だけでも、バグダットでは、爆弾攻撃が3回ありました。暴力は子どもたちを死傷させるだけではありません。学校、病院、家や道路も破壊します。地域をひとつに繋いできた、社会の仕組みや寛容の文化を引き裂いているのです。


[画像2: https://prtimes.jp/i/5176/1097/resize/d5176-1097-872462-3.jpg ]

言葉で表すことが出来ないほどの破壊を受けたイラク北部の都市モスルで、3年間の暴力で大きな影響を受けた子どもたちに会いました。モスル西部にあるユニセフが最近修復した学校のひとつでは、12歳のヌールの教室に参加しました。彼女は最も紛争が激しかった時に、家族がどうやって町に留まったか話してくれました。シェルターに隠れている時に感じた恐怖を話してくれました。彼女は失った3年間の学校教育を取り戻そうと大変な努力をしているところで、ほかの子どもたちと英語の学習をしています。

人類は、イラクのモスルなど地域において強大な破壊力を証明したかもしれません。しかし、別の強い力が印象に残りました。復興に向けて、前向きに生きようとする決意です。子どもたちは彼らの夢を熱く語り、遊び学ぶことが出来るようになった幸せを共有しています。

私は、激しい戦闘を生き延びた、避難生活をする定年した教員のサミールに会いました。彼は、子どもたちが希望に満ち、生き生きとしていると語りました。子どもたちは学校や遊びを通して、戦争の破壊の影響から立ち直り、克服するための果てしない力を持っていると言います。

貧困と紛争の影響で、イラク全土で300万人の子どもたちの教育が中断されました。教室に足を踏み入れたことのない子どももいます。イラクのすべての子どもの4分の1は、貧困下に暮らします、中でも、過去数十年間最も影響を受けているのは南部の農村部に暮らす子どもたちです。

イラクが選挙とイラク復興支援国際会議に向けて準備を進めている今こそ、子どもたちの利益を優先させ、暴力を終わらせ、貧困と搾取の連鎖を断ち切るための絶好の機会です。

ヌールとサミールそして何百万人もの子どもたちと養育者を代表して、ユニセフはイラク政府と各国政府に対して以下のことを求めます。

イラクの子どもたちと家族が危害から守られ、安全に尊厳を持って暮らせるように、国内全土におけるあらゆる形態の暴力を終わらせること。
避難民キャンプや非公式の仮設居住区に暮らす子どもも含め、最も影響を受けている子どもたちに対して、安全な水、教育、保護、心理社会的ケア、栄養・保健サービスなどの人道支援・復旧支援を引き続き提供すること。
教育に対する迅速かつ長期的投資を加速化させること。イラクの子どもたちも、世界の子どもたちと同じように、教育を受け、より良い明日を希望する権利を持っています。今日の子どもたちは、明日の教師、医師、エンジニア、そして科学者です。今彼らに投資することは、イラクの将来に投資することなのです。



[画像3: https://prtimes.jp/i/5176/1097/resize/d5176-1097-580375-2.jpg ]

2月12日~14日に、クウェートの主催で開催されるイラク復興支援国際会議は、イラクの子どもたちのために、イラク政府と国際社会がより決意を強化するための貴重な機会です。最も強い決意は、新たな計画を発表することではなく、子どもたちの生活に前向きな影響を与えうる子どもたちに対する支援に割り当てられた予算を増加させるという決意です。

加盟国と民間セクターは、財政支援表明を、子どもたちのための確固たる決意にしなければなりません。それは、イラクを暴力の連鎖と貧困の世代間連鎖から断ち切り、平和と繁栄のイラクを再構築するための基礎なのです。

ユニセフとパートナー団体は、イラクの子どもたちに、子どもの権利条約と国際人道法により約束された権利が確かに尊重され満たされるよう、これからも彼らに寄り添っていきます。

■ユニセフの対イラク支援:

ユニセフは、イラク全土の地方自治体と協力し、学校576校の修復および子ども170万人に対する教育資材の提供を支援しました。
2017年1月以降、ユニセフとパートナー団体は、子ども100万人以上を含む、240万人のふるさとを離れることを余儀なくされた弱い立場にある人々に対して、水、食糧および衛生キットを含む命を守る支援を提供しました。
ユニセフは2018年に、イラクの子どもたちが必要とする支援を届けるために、1億8,600万米ドルの資金を必要としています。


* * *

■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)

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