ラテンアメリカとカリブ海諸国で、4人にひとりが児童婚【プレスリリース】
PR TIMES / 2018年4月12日 18時1分
2030年までに2,000万人増加のおそれ
[画像1: https://prtimes.jp/i/5176/1134/resize/d5176-1134-265597-0.jpg ]
【2018年4月10日 パナマ/ニューヨーク 発】
ラテンアメリカとカリブ海諸国は、児童婚や事実婚状態の子どもの割合の高さが過去10年間で改善していない、世界で唯一の地域であると、ユニセフ(国連児童基金)ラテンアメリカ・カリブ海諸国地域事務所は本日発表しました。
ラテンアメリカとカリブ海諸国における児童婚の水準は過去10年間、約25%のまま変わらない一方で、世界の他の地域では減少傾向にあり、特に南アジアではこの10年で、児童婚の割合が50%近くから30%まで下がりました。
ラテンアメリカとカリブ海諸国では、先住民の女の子、農村部に住む女の子、中・低所得層における児童婚や早期の事実婚状態が、都市部や高所得層よりも多くなっています。本地域では、結婚の形式をとらない事実婚の状態の方が、正式の法律婚よりも多い傾向にあります。
「世界の他の地域では、女の子を児童婚から守る成果が出ており、このことは喜ばしいことです。しかし、これは4人にひとりの女性が18歳未満で結婚或いは事実婚状態である私たちの地域には当てはまらないことです」と、ラテンアメリカ・カリブ海諸国地域事務所代表のMaria Cristina Percevalは述べました。「18歳になる前に結婚を強制された女の子たちは、短期的にも長期的にも機会を奪われ、そうしたことが最終的に権利の実現に影響するのです。性的暴力、早く母親になってしまうこと、学校を去ることへのリスクが高まっていることや、仲間から社会的に排除されていることこそ、この地域で女の子たちが置かれている状況を明確に示しています。今行動しなければ、この状況は続き、彼女たちは取り残されてしまうでしょう」
世界では、約6億5,000万人の女性と女の子が子どものうちに結婚し、その10人にひとりがラテンアメリカ・カリブ海諸国の女性と女の子です。取り組みや投資の拡大がなければ、ラテンアメリカ・カリブ海諸国は2030年までに児童婚の割合が世界で2番目に高い地域になると言われており、さらに高いのはサハラ以南のアフリカ諸国のみで、かつて児童婚の割合が世界で最も高かった南アジアを上回ります。この傾向が続けば、2030年までに、新たに約2,000万人のラテンアメリカ・カリブ海諸国の女の子が結婚することになります。
[画像2: https://prtimes.jp/i/5176/1134/resize/d5176-1134-236312-1.jpg ]
この地域で児童婚や早期の事実婚が減っていない背景には、同様に高い割合(世界で2番目)の若年妊娠率と女の子への性的暴力のリスク(10代の女の子110万人が性的暴力を受けたと報告)が挙げられます。ジェンダー間の複合的な不平等が、この地域の女の子たちの選択肢や機会を奪っています。
貧困も、児童婚や早期の事実婚状態と関わっています。ジェンダーの規範、役割や関係が、早期の事実婚状態を受け入れられる、或いはむしろそれを望む、といった人生における信念や決定に影響を与えています。さらに、国の法律にも差があり、18歳未満の結婚が認められているか、或いは両親の同意や法定代理人もしくは司法当局の認可によって結婚できるという例外を定めている場合もあります。
「ラテンアメリカ・カリブ海諸国における女の子の平等は、早期に母親になること、事実婚、暴力や、限られた人生の機会という複合的な原因によって制限されています。潜在能力が活かせず、権利が忘れられていることをこれ以上見て見ぬふりはできません。私たちは、国連人口基金(UNFPA)やUN Womenとともに、地域プログラムを開始し、地域における児童婚を直ちに終わらせることを呼びかけています。他のパートナーの参加も歓迎します」とPercevalは述べました。
* * *
■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ
この記事に関連するニュース
-
空爆続くレバノン、子どもへの影響深刻化-ユニセフ新報告書が指摘、広報官「全面戦争の危険回避し、恒久的停戦を」
PR TIMES / 2024年5月1日 16時45分
-
ガザ危機「人質解放と即時停戦を」ユニセフ事務局長、中東訪問を終え【プレスリリース】
PR TIMES / 2024年4月19日 17時40分
-
スーダン武力衝突1年:1,400万人の子どもに緊急人道支援が必要【プレスリリース】
PR TIMES / 2024年4月16日 17時45分
-
スーダンでの戦闘激化から1年~重度の急性栄養不良に苦しむ子どもたち【プレスリリース】
PR TIMES / 2024年4月15日 17時45分
-
ガザ:戦闘開始から半年、命の危機にさらされる子どもたち-ユニセフの支援報告と今後の優先課題【プレスリリース】
PR TIMES / 2024年4月10日 18時45分
ランキング
-
1日本郵便と西濃が共同輸送 長距離対象、24年問題に対応
共同通信 / 2024年5月6日 17時34分
-
2GWが明けたら次の祝日は7月の海の日…産業医が教える「年間幸福度」を最大に引き上げる有給の賢い取り方
プレジデントオンライン / 2024年5月7日 7時15分
-
3思わずクリック「フィッシング詐欺」メールの巧妙 専門家も見極め困難、2要素認証と「意識」が大切
東洋経済オンライン / 2024年5月7日 9時0分
-
4ドンキの“固すぎる”Tシャツがじわじわ売れている 開発者が生地の厚みにこだわったワケ
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年5月6日 8時0分
-
5「ようやく再出発」ダイハツ本社工場で生産再開 国内の全工場が稼働に 停止から約4か月半…従業員「やっぱり長かった」
MBSニュース / 2024年5月7日 9時20分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください