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5月13日は「母の日」:母乳で育てられていない赤ちゃん760万人【プレスリリース】

PR TIMES / 2018年5月10日 11時1分

家庭の貧富の差が母乳育児期間にも影響



[画像1: https://prtimes.jp/i/5176/1148/resize/d5176-1148-673844-1.jpg ]

【2018年5月10日 ニューヨーク 発】

本日ユニセフ(国連児童基金)は、世界に母乳で育てられていない赤ちゃんの数は、特に世界有数の富裕国で依然として高いとする報告書を発表しました。世界に母乳で育てられていない赤ちゃんは年間約760万人います。

報告書は、母乳が赤ちゃんの命を守り、赤ちゃんと母親を命の危険のある疾病から守り、より高い知能指数(IQ)や教育の成果を上げることに繋がるにも関わらず、高所得国で母乳を飲んだことのない赤ちゃんの割合は推定22%にのぼると指摘しています。なお、低・中所得国の割合は4%です。

「母乳育児は、母親が裕福でも貧しくても、子どもと自分自身に与えることのできる最高のプレゼントです」とユニセフ事務局次長代理シャヒーダ・アズファールは述べました。「母の日を祝う中、私たちは世界中の母親が、母乳で赤ちゃんを育てられるように必要な手助けを提供しなければなりません」

報告書は、少なくとも一度は母乳を飲んだことがある赤ちゃんの割合は、ブータン(99%)、マダガスカル(99%)およびペルー(99%)などの低・中所得国の方が、アイルランド(55%)、米国(74%)あるいはスペイン(77%)よりも高いとしています。高所得国で一度も母乳を飲んだことがない赤ちゃん260万人のうち、3分の1以上が米国で暮らしています。

[画像2: https://prtimes.jp/i/5176/1148/resize/d5176-1148-979227-0.jpg ]

しかしデータは、低・中所得国の中でも、貧富の格差が母親による子どもの母乳育児期間に影響していることを示しています。最貧困層の家庭に生まれた赤ちゃんが2歳の時点で母乳を飲んでいる割合は、最富裕層の家庭に生まれた赤ちゃんより1.5倍高くなります。このギャップが最も高いのは、西部・中部アフリカ地域とラテンアメリカ・カリブ海諸国地域で、最貧困層の家庭に産まれた赤ちゃんが2歳の時点で母乳を飲んでいる割合は、より豊かな層の家庭に生まれた赤ちゃんの2倍近くになります。

「貧しい国の裕福な母親は母乳育児をしない傾向にあり、逆説的ではありますが、豊かな国では貧しい母親がしない傾向にあることがわかっています」とアズファールは述べました。「この所得レベルによるギャップは、各国が、その富の程度に関わらず、すべての母親が母乳育児をするために必要な情報と支援を提供していないということを強く示唆しています」

母乳育児の割合を高めるための主要な要素は国により異なります。インドやベトナムは、母乳育児を保護し推進するための強力な政策を制定しました。トルクメニスタンは、母親が「子どもにやさしい病院」(*)で出産する割合が大変高くなっています。ニュージーランドとスリランカでは、ほとんどの母親が「子どもにやさしい施設」で出産しています。加えて、父親、家族、雇用主や地域社会から支援を受けられるかを含む文化的・政治的背景が決定的な役割を果たします。


[画像3: https://prtimes.jp/i/5176/1148/resize/d5176-1148-736075-2.jpg ]

ユニセフは、世界の新生児に代わって、世界的な解決方法を求めるキャンペーン「Every Child ALIVE」を通して、各国政府、民間企業、市民社会に対して、以下のことを強く求めます。


出生時から2歳までの母乳育児の割合を高めるために予算と認知を高めること。
母乳代替品を安全に使用するための水や衛生環境が整っていない国や地域においては、育児用ミルクなどの母乳代替品(哺乳瓶や乳首も含む)の販売を規制する強力な法的措置を制定すること。
家族の有給育児休暇、および有給の授乳休憩を含む職場での授乳政策を制定すること。
産科施設において「母乳育児を成功させるための10か条」を実践し、病気の新生児に母乳を提供すること。
母親が産後1週間、保健施設で授乳に関する技術的なカウンセリングを受けられるように徹底すること。
保健施設と地域の関係を強め、母親が確実に母乳育児に必要な支援を継続して受けられるようにすること。
母乳育児政策やプログラム、その実践における改善を追跡するためのモニター制度を向上させること。


世界128カ国以上が祝う母の日に、Every Child ALIVEキャンペーンは母親と赤ちゃんを祝い、また彼らの妊娠・出産・誕生を通じて支援を受ける権利を祝います。

*データに関して:
この分析は、123カ国の多様なデータに基づく。低・中所得国に関するデータは、ユニセフ・グローバル・データベースから。高所得国のデータは2016年に医学専門誌『ランセット』に掲載された母乳育児に関する報告から、ウルグアイと米国のデータはユニセフから。中国(2008年)を除き、2010年以降の推計を使用。

*「子どもにやさしい病院」あるいは「子どもにやさしい産科施設」とは、母乳育児のための質の高い支援を提供し、「子どもにやさしい病院イニシアティブ」が定めた「母乳育児を成功させるための10か条」を尊守する施設。

* * *

■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)

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