地下空間用新型鋼管柱(マイエスタス(R))を新たに開発し、製品化します
PR TIMES / 2024年8月28日 17時15分
~支承板の形状を鋼製積層型へ~
東京地下鉄株式会社(本社:東京都台東区、代表取締役社長:山村 明義、以下「東京メトロ」)、メトロ開発株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:野焼 計史、以下「メトロ開発」)、株式会社横河NSエンジニアリング(本社:茨城県神栖市、代表取締役社長執行役員:高木 清次、以下「横河NSエンジニアリング」)は共同で、JIS規格鋼板(以下、「鋼板」)を積層した鋼製積層型支承板が使われた新型鋼管柱を開発し、2024年8月より、「マイエスタス(R)(MY-ESTAS)」として製品化しました。
従来、地下駅箱型トンネルの合成鋼管柱には、鋳鋼製朝顔形支承板(以下「鋳鋼製支承板」)を使用してきました。駅の改良工事等において大量の合成鋼管柱が必要になると、長期間にわたって工場の生産ラインを確保しなければならず、また鋳鋼製支承板の製作工程においては“鋳造”を必要とするため、調達に時間を要するケースもあり、大型プロジェクトを進める上では、鋼管柱の安定調達が課題となっておりました。
この課題を解決するべく、より効率的に生産でき、従来型と同等の強度を有する、鋼板を積層した鋼製積層型支承板(以下、「鋼製支承板」)の開発実験を3社で行ってきました。実験の結果、これまでの鋳鋼製支承板と同等の性能を確認することができ、このたび、この鋼製積層型支承板鋼管柱を「マイエスタス(R)(MY-ESTAS)」として製品化しました。
「マイエスタス(R)(MY-ESTAS)」の特徴は、「製作の効率性」と「調達の安定性」です。支承板の製作工程で “鋳造”を必要とせず、鋼板の切断加工と溶接でより効率的に製作することができ、従来型に比べ、製品納期が短縮されます。また材質も鋼板(SM材)で、部材が調達しやすく、発注者側の鋼管柱の安定調達も図れます。
東京メトログループでは、今後、大型プロジェクトをはじめ、「マイエスタス(R)(MY-ESTAS)」を多く採用するとともに、3社共同で、多くの地下空間工事での導入を提案してまいります。詳細は以下のとおりです。
[画像1: https://prtimes.jp/i/20053/1187/resize/d20053-1187-f47abd7cf1928ac301fd-0.jpg ]
地下空間用新型鋼管柱(マイエスタス(R))について
1 「マイエスタス(R)(MY-ESTAS)」の開発
従来型の鋳鋼製支承板を使用した合成鋼管柱に対して、鋼板を使用した単層タイプの鋼管柱は、開発において、設計軸力の増加傾向により重量化が課題となりました。これを踏まえ、鋳鋼製支承板に近い支圧伝達特性を実現できる構造となるよう、重量を抑えながら鋼板を複数積層した鋼製支承板を採用し、積層型支承板鋼管柱として「マイエスタス(R)(MY-ESTAS)」を開発しました。
[画像2: https://prtimes.jp/i/20053/1187/resize/d20053-1187-1cd9cdd7edf1c39aa13a-0.png ]
2 技術の特長
(1)製作の効率性
製作過程において、鋳型が不要となり、従来型より納期が短縮できます。また、鋼板を切断加工して溶接接合するため、製作の効率性に優れます。
(2)調達の安定性
材質が鋼板(SM材)であり、かつ既存のJIS規格鋼板を活用しているため、効率的に製作できるとともに、鋼管柱の安定調達が諮れます。
[画像3: https://prtimes.jp/i/20053/1187/resize/d20053-1187-0f178e6acbfb07638b09-0.png ]
3 開発実験
鋼製支承板が鋳鋼製支承板と同等の性能を具備するために、必要な設計・施工上の条件を数値解析および実物大の載荷試験に基づいて検討しました。載荷実験では、両支承板を製作して、支承板および支承コンクリートのひずみ分布、および応力度の測定結果を数値解析結果と比較検討し、整合性を確認した上で、鋼製支承板が鋳鋼製支承板と同等の性能を有していることを確認できました。
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4 設計の合理化
鋼製支承板を使用した合成鋼管柱の設計では、様々な土被り・形状寸法を有する地下構造物への適用を目指し、柱部へ作用する設計軸力で、鋼製支承板の形状・寸法を示した標準寸法表を策定いたしました。
これにより、設計軸力を基に、合成鋼管柱の仕様・形状が標準寸法表から読み取ることが可能となり、設計実務の効率化にも貢献できます。
5 令和5年度土木学会賞「論文賞」の受賞
新型鋼管柱の開発における載荷実験や数値解析の検証および設計業務への展開等の両側面を述べた論文が、公益社団法人土木学会が表彰する令和5年度土木学会賞「論文賞」を受賞いたしました。
この「論文賞」は、原則として、土木学会誌、土木学会論文集、その他土木学会の刊行物に研究、計画、設計、施工、考案、維持管理などに関する論文を発表し、独創的な業績を挙げ、これが土木工学における学術・技術の進歩、発展に顕著な貢献をなしたと認められる論文の著書に授与されるものです。
主題 :鋳鋼製朝顔形支承板に代わる鋼製積層型支承板を用いた地下空間用合成鋼管柱の開発
登載誌:土木学会論文集F2(地下空間研究)、Vol.78, No.1, pp.33-50, 2022.
受賞日:2024年6月14日
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