祇園の老舗15代目の書き下ろし! 和菓子の過去・現在・未来への思いをしなやかに綴った、ビジュアル版菓子覚え書きが発売
PR TIMES / 2021年12月7日 11時45分
2021年12月11日(土)発売『祇園 鍵善 菓子がたり』
世界文化社は、書籍『祇園 鍵善 菓子がたり』を2021年12月11日(土)に発売します。
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京都、八坂神社にほど近い祇園町に暖簾を掲げる「鍵善良房」。“鍵善さん”の名前で親しまれる菓子店は、300年の歴史を持つ老舗。店の奥には喫茶席を設け、名物のくずきりなど、できたての甘味お目当てに、いつも多くのお客で賑わう、風格と親しみの両方を持ち合わせる菓子店です。
本書はそんな鍵善良房15代目主人が書下ろした和菓子の世界。美麗な写真とともに、どこから読んでいただいても楽しめるビジュアルブックです。
スイーツブームの中で和菓子の立ち位置とは
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本書の著者である今西善也さんは、1972年生まれ。父である先代が60歳で引退をしたい気持ちを受けて、15代目を継承。当初は和菓子を作るところから修業に入って、いざ経営者という立場になった時に「このままでは和菓子を買う人が先細りするだろう」と危惧を覚えます。そして方針をこう決めました。「新しいお菓子を作るのではなく、今あるお菓子の質を高めること」「自分たちの都合ではなくてお客さんの都合に合わせて仕事をするということ」。古参の職人たちと話し合い、ときに激論を交わす中で「鍵善らしいお菓子はなにか」をともに考える機会となったと綴ります。
そんなお菓子へのまなざしは、InstagramはじめSNS投稿写真で、多くの人々の共感を得ることになります。本書でも、当代が器とお菓子をコーディネート。「ざんぐりとして艶やかで愛らしい」と語る鍵善の菓子を、ときにダイナミックに、ときに瀟洒に。その見せ方もまた新しいお菓子の魅力へと誘います。
和菓子はコミュニケーションツール。人と人の間を埋めるもの
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本書は一老舗の“現在進行形”の菓子帖でもあるのですが、12か月それぞれのお菓子には、この祇園町に育てられた菓子店ならではの「行事・歳時」の思い出が柔らかい文章でニュアンスを添えます。色彩にも形にも「季節」が投影された和菓子は、まさに手のひらの上の小宇宙。しかし、今西さんはこう綴ります。「お菓子は基本、副(そ)えものでなければいけないと思っています。人と人の間にあって、その場を補うもの。和やかにするもの」「お菓子は人と人の間にあってその間を埋めるコミュニケーションツール、主役ではない」と……。
だからこそ、ここ鍵善では、お菓子が果たす役割に細心の心配りがなされます。使う目的が祝儀、不祝儀から始まって、贈答なのかお詫びの品なのかなど、お菓子の詰め方、箱や掛け紙ひとつに至るまで「きれいにととのえる」ことへの並々ならないこだわり。ひとつの美学に近い、祇園の老舗ならではの姿勢が貫かれます。
民藝の美、アーティストとのコラボ
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著者の叔父にあたる鍵善12代目・今西善造氏は、柳宗悦らの民藝運動の芸術家との親交が深く、ここ鍵善には木漆工芸の黒田辰秋の作品がとりわけ多く残されています。本店を入った者の目を奪う対の荘厳な飾り棚。当時のお金で家一軒の普請代だったという価値のあるものでした。
また、顧客や舞妓さんに出前で届けるための「くづきり」用器を信玄弁当の型を模して螺鈿で仕上げた逸品など、黒田辰秋の秀作を所蔵。当代は2021年1月、菓子文化が育んだ美の世界に触れられる場所をと、小さな美術館ZENBIを開館させます。近くには2012年オープンのZENCAFEもあり、ここではテイクアウトではなくその場で食べられる「できたて和菓子」をイメージした甘味が提供されます。また、ここZENBIや知人のギャラリーで個展をするアーティストをイメージした「お誂え菓子」制作など、当代が手掛ける鍵善ならではの新しい世界観も、本書で詳しくご紹介しています。
美しい和菓子の木型
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和菓子は手作りのものですが、それを作る木型もまた手作り。今や職人さんが激減している世界ですが本書では木型の美に触れるページも。菓子屋の宝とされる木型は干菓子はもちろん、主菓子の型など大小さまざま、菓子が愛された時代を映す鏡でもあります。ことに鍵善の看板菓子のひとつ「菊寿糖」は小さな花にいったいいくつの花弁が彫られているのか気が遠くなるほどの至芸で、NHK・BS『美の壺 和菓子スペシャル』(11月20日放送)でもこの木型を新たに彫上げる木型職人が登場しました。
なお、前述のZENBI-鍵善良房-KAGIZEN ART MUSEUMでは、2022年4月3日まで「美しい和菓子の木型展」を開催しています。
https://zenbi.kagizen.com/
<著者プロフィール>
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今西善也(いまにし ぜんや)
京都 祇園にある菓子屋「鍵善良房」の長男として生まれ育ち、同志社大学を卒業後、東京銀座にある菓子屋にて修業。その後、家業を継ぐために家に戻り、2008年に父の意向で社長交代し、江戸享保年間より続く和菓子屋の15代当主となる。連綿と続く京都の菓子の伝統を守りながらも、常に時代に合った菓子作りを心がける。できたて和菓子が楽しめる「ZENCAFE」や美術館「ZENBI」をオープンさせる。
<目次>
第一章 鍵善十二か月
第二章 意匠の美
第三章 木型と焼き印
第四章 包みのこと
第五章 鍵善と云うたら
第六章 未来の菓子帖
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<刊行概要>
『祇園 鍵善 菓子がたり』
■発売日:2021年12月11日(土)
■定価 :3,850円(税込)
■発行 :株式会社世界文化ブックス
■発行・発売:株式会社世界文化社
https://www.amazon.co.jp/dp/4418213244
※一部書店により発売日が異なります
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