小早川秀秋は開戦後すぐに裏切った!? 映画や小説によく描かれる関ヶ原合戦の名場面や逸話の多くは、後世に創作されたものだった!
PR TIMES / 2017年9月6日 18時38分
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◆一般に流布している関ヶ原合戦のイメージは本当か?
慶長5年(1600)9月15日、周囲を山に囲まれた関ヶ原。その西側には、笹尾山の石田三成以下、島津義弘、小西行長、宇喜多秀家、大谷吉継ら西軍の諸将が鶴翼の陣で待ち構える。その南の松尾山には同じく西軍の小早川秀秋が、さらにその東の南宮山には毛利秀元が陣を敷いている。それに対峙する東軍は、北側の右翼に黒田長政、加藤嘉明、細川忠興らが、南側の左翼には福島正則、藤堂高虎らの諸将が布陣、その後方に徳川家康率いる軍勢が控えている。
戦いはこの日の早朝、井伊直政隊の抜け駆けによって始まった。その後、正午ごろまで一進一退の攻防き、勝敗はなかなか見えない。その時、苛立った家康が、旗色をはっきりさせない松尾山の小早川秀秋の陣に鉄砲を撃つよう配下の者に命じた。じつは小早川秀秋は家康に内応していたが、どちらが優勢ともいえぬ戦況を前に逡巡を続け、いまだ松尾山から動かずにいたのだ。
徳川軍の鉄砲が小早川の陣に撃ちこまれた。小早川秀秋はここでついに裏切りを決断、一気に松尾山を駆けおり、麓に布陣する同じ西軍の大谷吉継の陣を攻撃、形勢は一気に東軍有利に傾き、西軍は潰走、“天下分け目の戦い”は東軍の大勝に終わった……。
◆関ヶ原合戦の名場面やエピソードの多くが後世の「創作」だった!
これまで関ヶ原合戦をテーマに数多くの本が出され、映画やドラマがつくられてきたが、そのほとんどが、上記のストーリーをもとに描かれている。多くの人が抱いている関ヶ原合戦のイメージも、ほぼこのようなものだろう。
しかし、この内容の多くが史実かどうか疑わしいものだと言ったら、どう思われるだろうか。じつは、関ヶ原合戦の名場面や逸話の多くは、後世の江戸時代の軍記物などをもとにしたものであり、同時代の史料(一次史料)では確認できないものが多い。
また、両軍の布陣についても、そのもとになっているのは、明治時代になってから陸軍参謀本部が編纂・刊行した『日本戦史・関原役』所収の「関原本戦之図(せきがはらほんせんのず)」という地図だが、これも一次史料に依拠しておらず、参謀本部が創作したものと見られている。
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◆では、関ヶ原合戦とはどんな戦いだったのか?
通説が否定されつつあるとすれば、関ヶ原合戦は、実際はどういう戦いだったのか。株式会社 学研プラス(東京・品川/代表取締役社長:碇 秀行)から9月6日(水)に発売となった雑誌『歴史群像』10月号の第1特集、「通説打破!関ヶ原合戦の真実~“天下分け目の戦い”はこう推移した」は、まさにこのことをテーマとした特集だ。
特集の筆者は、関ヶ原合戦の通説を覆し続けている気鋭の研究者・別府大学教授の白峰旬氏。記事では、近年の白峰氏の研究のエッセンスをもとに、後世に創作されたと思われる話を排除し、同時代史料をもとに関ヶ原合戦を再現した場合、関ヶ原合戦とはどのような戦いだったのか、どのように推移したのかが論じられる。
これにより、映画や小説とはまったく異なる合戦像が浮きぼりになった。そもそも小早川秀秋は合戦当日の朝、ほんとうに松尾山にいたのか? 石田三成が合戦の前日に大垣城から移動したほんとうの理由はなにか? 両軍はほんとうに一進一退の攻防をしていたのか?……まるで歴史の謎を解いていくミステリーのように知的好奇心が刺激され、あなたが抱いている関ヶ原合戦像は完全に変わることだろう。
今年も読書の秋がやってきた。秋の夜長は「歴史群像」のこの記事を読んで、関ヶ原の戦場に思いをはせてみられては。
※株式会社学研プラスは、株式会社学研ホールディングスのグループ会社です。
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[商品概要]
歴史群像10月号
定価:本体935円+税
発売日:2017年9月6日(水)
判型:B5/184ページ
電子版:あり
発行所:(株)学研プラス
歴史群像ホームページ(学研デジタル歴史館)歴史群像10月号紹介ページ
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