あれから『サカナとヤクザ』はどうなった? 暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う。
PR TIMES / 2021年9月1日 19時15分
漫画家/真鍋昌平氏(『闇金ウシジマくん』『九条の大罪』)演出家・映画監督/大根仁氏(『モテキ』『バクマン』)日本エンタメ界の最前線を走る鬼才も大絶賛!!
[画像: https://prtimes.jp/i/13640/1290/resize/d13640-1290-c0c4c53a9dac6450c521-0.png ]
日本漁業・暗黒の歴史書
「人の欲望は止まらない。ルールがあれば反則勝ちした犯罪者がぼろ儲け。知らないうちに自分自身が密漁者の共犯者。高級寿司の時価の舞台裏を犯罪集団に笑顔に拳は当たらない処世術で5年間も潜入取材して伝えてくれた勇気に泣けてくる」
(真鍋昌平氏)
『ヤクザと原発 福島第一潜入記』『潜入ルポ ヤクザの修羅場』など、暴力団に関する潜入ルポで知られる著者が次なるテーマに選んだのは――“ヤクザとサカナ”!! アワビ、ウナギ、ウニ、カニ、サケ、ナマコ・・・「高級魚(サカナ)を食べると暴力団(ヤクザ)が儲かる」という食品業界最大のタブーを暴く。
‹‹密漁を求めて全国を、時に海外を回り、結果、平成25年(2013年)から丸5年取材することになってしまった。関係者にとって周知の事実でも、これまでその詳細が報道されたことはほとんどなく、取材はまるでアドベンチャー・ツアーだった。
ライター仕事の醍醐味は人外魔境に突っ込み、目の前に広がる光景を切り取ってくることにある。そんな場所が生活のごく身近に、ほぼ手つかずの状態で残っていたのだ。加えて我々は日々、そこから送られてくる海の幸を食べて暮らしている。暴力団はマスコミがいうほど闇ではないが、暴力団と我々の懸隔を架橋するものが海産物だとは思わなかった。
ようこそ、21世紀の日本に残る最後の秘境へ――。››
(本書「はじめに」より)
漁師出身のヤクザ、漁協を牛耳る暴力団、暴力団直径の密漁団、密漁品と知りながら買い取る漁業協同組合関係者、密漁者と加工業者をつなぐ“買い屋”・・・。サカナの世界にうごめく悪党たちの懐に入り込んでいく手法は、ヤクザ社会に精通した著者にしかできないものだ。本書の内容はサカナとヤクザにとどまらず、産地偽装、北方領土問題、国際密輸シンジケートにまで迫った、「日本漁業・暗黒の歴史書」でもある。
‹‹日本の漁業を知れば知るほど、密漁など大した問題ではないと思えてくる。実際、ジャーナリスティックに告発したいのではない。だが、食の問題は我々の生きる根幹だ。不正がここまで常態化しているのに、漁業をコントロールすることなどできはしないだろう。
オリンピックでは持続可能で環境に配慮した魚を提供しなくてはならない。ロンドンやリオではMSC/ASC認証が採用された。通称、海のエコラベルと呼ばれる国際基準を当てはめると、日本が提供できるのは北海道のホタテなど数品目しかないため、東京オリンピックではMEL/AELという独自基準を採用した。国際基準は到底クリアできないので、水産庁の外郭団体に審査を担当させ、大幅に基準を甘くした。››
(本書「おわりに」より)
日本の漁業は不正の上に成り立ってきた。そして、「今儲かればそれでいい」「獲れるだけ獲ってやろう」という発想は、資源の枯渇へとつながっている。他人事ではないのだ。
2018年10月11日、豊洲市場の開場当日に刊行された本書をきっかけに、密漁は社会問題として認知されるようになった。しかし、この本の真価はそこではない。事実に基づくという制約があるはずのノンフィクションが、これほどまでにワクワクした楽しい読み物になり得るという可能性を示したことだ。
今回、文庫化にあたり、「サカナとヤクザ」の歴史と現状を追加取材。新たに、佃島の漁師から関東の大親分へ~「“魚河岸の守護神”佃政の数奇な人生」、改正漁業法はザル法なのか? その実効性を探る「密漁社会のマラドーナは生きていた」を書き下ろした。
文庫解説は映画やTVドラマをはじめとする様々な表現の場で異彩を放つ大根仁氏。
「サカナとヤクザ・闇社会の関係性を知り、魚大好き人間として、少なからず罪の意識を感じたことは事実だが、私はこれからも魚を食べ続ける。海に囲まれた国で、魚を食べて育った者として、それが密漁で獲られたものとしても、一度覚えてしまった禁断の美味は忘れられない」
〈目次〉
はじめに
第一章 宮城・岩手 三陸アワビ密漁団VS海保の頂上作戦
第二章 東京 築地市場に潜入労働4ヶ月
第三章 北海道 “黒いダイヤ”ナマコ密漁バブル
第四章 千葉 暴力の港・銚子の支配者、高寅
第五章 再び北海道 東西冷戦に翻弄されたカニの戦後史
第六章 九州・台湾・香港 追跡! ウナギ国際密輸シンジケート
おわりに
新章一 再び東京 “魚河岸の守護神”佃政の数奇な人生
新章二 三たび北海道 密漁社会のマラドーナは生きていた
主要参考文献
解説 忘れられない禁断の美味 大根 仁(演出家・映画監督)
[表: https://prtimes.jp/data/corp/13640/table/1290_1_1e543a8ef45b84632b8405b7b273d8e5.jpg ]
【著者プロフィール】
鈴木智彦(すずき・ともひこ)
1966年、北海道生まれ。日本大学芸術学部写真学科除籍。雑誌・広告カメラマンを経て、ヤクザ専門誌『実話時代』編集部に入社。『実話時代BULL』編集長を務めた後、フリーに。週刊誌、実話誌などに広く暴力団関連記事を寄稿する。主な著書に『ヤクザと原発 福島第一潜入記』『潜入ルポ ヤクザの修羅場』『ヤクザときどきピアノ』など。
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