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バングラデシュ・気候変動:1,900万人以上の子どもの命と将来に影響 - ユニセフ報告書発表【プレスリリース】

PR TIMES / 2019年4月10日 16時40分

洪水、サイクロン、干ばつ、海面上昇など



[画像1: https://prtimes.jp/i/5176/1310/resize/d5176-1310-206253-0.jpg ]

【2019年4月5日 ジュネーブ/ダッカ(バングラデシュ)/ニューヨーク 発】

ユニセフ(国連児童基金)は本日発表した報告書の中で、破壊的な洪水、サイクロンなどの気候変動に関連した自然災害がバングラデシュに暮らす1,900万人以上の子どもの命と将来を危険に晒していると指摘しました。

ユニセフは、新しい報告書『差し迫る嵐:バングラデシュの子どもたちの未来を曇らせる気候変動(原題:A Gathering Storm: Climate change clouds the future of children in Bangladesh)』の中で、バングラデシュの人々は災害に対処し回復する力を向上させてきたものの、子どもたちに迫る気候変動の危険を回避させるためには、より多くの資源と革新的なプログラムが緊急に必要と指摘します。

「気候変動の影響で深刻化した環境の脅威に直面するバングラデシュの最も貧しいコミュニティに暮らす家族は、子どもたちに家や食料、健康や教育を確保することもできなくなっています」と3月初旬にバングラデシュを訪問したユニセフ事務局長ヘンリエッタ・フォアは述べました。「バングラデシュや世界各地において、気候変動は、これまで子どもの生存と発達のために培ってきた多くの進歩を後退させる可能性があります」

報告書は、バングラデシュの平な地形、密集した人口、脆弱な社会インフラという特長が、気候変動によってもたらされる強力かつ予測不能な力に対して特に脆弱であると指摘しています。この脅威はすでに、洪水や干ばつが起きやすい北部の低地地帯から、嵐が吹き荒れるベンガル湾沿いの沿岸地域にまで広く感じられています。



[画像2: https://prtimes.jp/i/5176/1310/resize/d5176-1310-663139-1.jpg ]

ユニセフの報告書は、家族やコミュニティの指導者や役人へのインタビュー調査に基づき、洪水、高潮、サイクロン、干ばつなどの極端な気象現象と、海面上昇や塩水侵入などの気候変動に直接関連する長期的な現象が重なり、多くの家族を貧困と避難生活に追いやっているとしています。そしてその過程において、子どもたちは教育や保健サービス受けられなくなっていると述べています。

最も影響を受ける子どもたち約1,200万人は、バングラデシュ全土を流れる定期的に氾濫する主要な河川網(水系)に囲まれた地域、あるいはその近くに暮らしています。直近の大規模な洪水である2017年のブラマプトラ川の氾濫では、コミュニティの保健所少なくとも480カ所が浸水し、コミュニティにとって必要不可欠な安全な水を得ていた掘り抜き井戸(tube well)5万基が損壊しました。

また、竹やビニールシートで作られただけの脆弱な仮設住居に暮らすロヒンギャの子ども約50万人を含む450万人の子どもが、定期的に強大なサイクロンに見舞われる沿岸地域に暮らしています。

さらに300万人の子どもが、長期化する干ばつの影響を受ける内陸の農業地帯のコミュニティに暮らしています。

報告書は、気候変動が、より貧しいバングラデシュの人々が家とコミュニティを捨て、新たな場所で生活を立て直すことを余儀なくさせる主要な要因であると述べています。多くの人々が向かうダッカなどの主要都市では、子どもたちは危険な形態の労働や早婚を強いられるリスクが高まります。また、バングラデシュでは気候変動のために移動を強いられた人がすでに600万人に上り、その数は2050年までに2倍以上になり得るとする調査も引用しています。

「気候変動が原因で、地方に暮らす家族がふるさとを後に移動するとき、子どもたちの子ども時代は終わります」とバングラデシュ事務所代表エドゥアルド・ ベイグベデルは述べました。「子どもたちは都市で危険や搾取に直面し、搾取や虐待のリスクのある仕事に就くよう仕向けられます」


[画像3: https://prtimes.jp/i/5176/1310/resize/d5176-1310-328451-2.jpg ]

ユニセフは、1990年代初期から行ってきた、防災および減災プログラムに対する投資と行動が、バングラデシュの脆弱なコミュニティを、気候変動の影響の危機に対するレジリエンス(災害等への対応力・回復力)を向上させてきたことを指摘します。例えば、過去数十年間にわたり、サイクロンによる死者数が劇的に減少したことがその成果として挙げられます。

報告書は、国際社会およびパートナー団体に対して、政府が主導している気候変動の影響から子どもを守るための幅広いイニシアティブの実施を支援するよう求めています。例えば、ユニセフがパートナー団体と協力して促進している、沿岸のコミュニティにおける命を守る飲料水を海水の侵入から保護する技術です。「管理された帯水層再充電(Managed Aquifer Recharge)」と呼ばれるこのシステムは、すでに約75のコミュニティに導入され、今後さらに拡大される予定です。

* * *

■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。( www.unicef.org )
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。( www.unicef.or.jp )

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