日本で初めてゲイであることをカミングアウトして牧師となった平良愛香牧師の激動の半生と、男らしくでも女らしくでもなく「自分らしく」生きようとするすべての人へのエールが詰まった一冊を発売
PR TIMES / 2017年10月20日 11時0分
株式会社 学研ホールディングス(東京・品川/代表取締役社長:宮原博昭)のグループ会社、株式会社学研プラス(東京・品川/代表取締役社長:碇 秀行)は、立教大学非常勤講師で牧師の平良愛香氏の著書「あなたが気づかないだけで神様もゲイもいつもあなたのそばにいる」を、11月23日(木)に発売いたします。
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■立教大学、桜美林大学で絶大な支持を得る講師の初著作
著者は立教大学、桜美林大学で「キリスト教学講義」の非常勤講師を務め、神奈川県相模原市の日本基督教団三・一教会の牧師を務める平良愛香氏。
平良氏の講義は毎年、受講希望者が定員を上回り抽選になるほどの人気で、また毎回の講義もほとんど欠席する学生がいません。平良氏は、この講義でキリスト教が長い歴史の中で同性愛者を差別してきたのはなぜなのか、今も同性愛を否とするキリスト教の教派が根拠とするものは何なのか、その根拠となる聖書解釈は妥当か否か、そもそも差別とは何か、といったテーマを通じて「性差別のみならず、社会に構造的にある差別や、無意識に抱いてしまう差別的意識、差別感情から脱却し、一人ひとりの自由と尊厳を尊重する社会を築くために何をすればよいのか」を学生たちと考えています。講義では、男性同性愛者であり、また「同性愛を禁じる宗教」とされてきたキリスト教の信者でもあるという矛盾の中で葛藤した末に「神は同性愛者であるか異性愛者であるかに関わらず、全ての人を愛し祝福する」という考えに至った自身の半生も多く語られます。
そして、そんな平良氏の半生と、人権、セクシュアル・マイノリティに関する入門的な内容を網羅した「性と差別にまつわる特別講義」をまとめた一冊が「あなたが気づかないだけで神様もゲイもいつもあなたのそばにいる」(学研プラス)です。
■ゲイでありクリスチャンであるという矛盾に翻弄された半生
米国統治下の沖縄で牧師の家庭に生まれクリスチャンとして育った平良愛香氏。青春時代を、当時は根強くあった「同性愛は罪」だとするキリスト教の教えと差別、誰にも理解されない孤独感に苦悩しながら過ごしました。高校在学中に「このまま本当の自分を隠していては自分が壊れてしまう」と初めてのカミングアウトを経験。その後、ゲイ雑誌との出会いから「この世界には自分と同じ仲間がたくさんいる」と知り、群馬県高崎市の音楽短大時代には「群馬にもゲイっているのかな?」と友人から問われたことで、「存在しないと思われている限り差別はなくならないのだ」と気づきます。そして「ゲイはあなたの近くにいます。気がついてください。差別しないでください」という思いを込めて、積極的にカミングアウトを重ねるように。やがて「神はすべての人を愛する」という確信と「自分と同じように、同性愛者であることに悩んでいる人、同性愛者でキリスト教を信仰することに苦しんでいる人たちを支えたい」という思いから、同性愛者であることをカミングアウトした上で牧師になることを決意。「同性愛であることを表明している人物が検定試験を受けているが、倫理的に牧師にふさわしいか」と教団の委員会が紛糾する中、合格を勝ち取ります。
■セクシュアル・マイノリティだけでなく、すべての人へのエール
同性愛者でありクリスチャンであるという矛盾に翻弄された青春時代のみならず、牧師となった後も「聖書に反している」という抗議や「お前は悪魔だ」といった嫌がらせの電話を受けるなど、セクシュアル・マイノリティが直面する差別について赤裸々に語られる一方で、初めての彼氏、息子のカミングアウトにはじめは戸惑いつつも「私の自慢の息子はゲイです」と書いたTシャツを着て町へ出かけるようになった母、「同性愛者であることが、神が愛香に与えられた十字架なんだな」と息子を認めた父…セクシュアル・マイノリティとして「自分らしく生きること」を支えてくれる周囲の人々との関係も余すところなく綴られた感動のストーリー。「異性を愛する人であろうと同性を愛する人であろうと、神はすべての人々を祝福している」というメッセージは、セクシュアル・マイノリティのみならず、自分らしく生きようとするすべての人へのエールとなるはずです。
■大学の講義を基にした第六章「性と差別に関する特別講義」
また本書では、「性はタブーではない」「キリスト教と同性愛」「差別とは何か?」「セクシュアル・マイノリティが疎外される理由」「セクシュアル・マイノリティってどんな人?」「バイセクシュアルとアセクシュアル」「トランスジェンダーと性同一性障害」「同性愛とHIVとキリスト教」といったテーマをまとめた「性と差別にまつわる特別講義」を第六章に収録。セクシュアル・マイノリティに関する基本的な知識と共に、同性愛がキリスト教でタブーとされてきた理由とその非合理性、現代社会の中にあるセクシュアル・マイノリティ疎外の実例、差別の本質とその差別をなくしていくには?といった内容が大学での講義をもとにわかりやすく記述されています。
■もっとわかり合うために、ぜひ読んで欲しい一冊です
近年では、数々の企業がLGBTに配慮した施策を推進したり、自治体が同性カップルに対してパートナーシップ証明書を発行する条例や綱要が施行されるなど、セクシュアル・マイノリティを取り巻く社会状況が少しずつよくなっていることは事実です。しかし、そんな中でも2015年には男性同性愛者の大学院生が、友人の大学生に好意を告白したところ、周囲へ同性愛者であることを暴露されてしまい、結果、自殺してしまうという事件が起きました。まだまだ無理解による痛ましい事件が起きていることも事実ですし、多くのセクシュアル・マイノリティが自分の性アイデンティティをオープンにすることができず、孤独な中で悩んでいる状況は続いています。また、表立った差別ではなくても、異性愛者には苦痛ではないことが、同性愛者の立場から見ればとても不合理であり苦痛であるという、「積極的ではないが解消されない差別」も存在しています。これらを少しづつ解消していくために、平良氏は大学の講義だけでなく、自らカミングアウトを続け、セクシュアル・マイノリティと、そこにある差別への理解を深めてもらうための講演を続けています。この書籍を通じ、より多くの人たちに平良氏のメッセージが届くことを願っています。
【著者紹介】
平良愛香(たいら・あいか)
1968年、沖縄生まれ。農村伝道神学校を卒業後、日本で初めて男性同性愛者であることをカミングアウトしたうえで牧師として正式に任用される。日本基督教団四谷新生教会伝道師、副牧師を経て、2003年から神奈川県相模原市の日本基督教団三・一(さんいつ)教会にて主任牧師を務める。1995年よりセクシュアル・マイノリティ・クリスチャンの集い「キリストの風」集会の代表のほか、カトリック中央協議会HIV/AIDSデスクメンバー、平和を実現するキリスト者ネット事務局代表、「いのちの電話相談員全国研修会」講師を務めるなど、キリスト教会外でも幅広く活動、出身地沖縄の基地問題にも積極的に取り組んでいる。現在、農村伝道神学校教師、立教大学非常勤講師、桜美林大学非常勤講師。
[商品概要]
「あなたが気づかないだけで神様もゲイもいつもあなたのそばにいる」
定価:本体1,300円+税
発売日:2017年11月23日(木)
判型:四六判/ソフトカバー/280ページ
ISBN:978-4-05-406611-3
発行所:(株)学研プラス
★電子書籍同日配信予定 ※ストアによって配信日が異なる場合があります。
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Amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4054066119
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