ベネズエラ:人道支援必要とする子ども約320万人【プレスリリース】
PR TIMES / 2019年6月13日 15時40分
ユニセフ、医療支援物資55トン提供
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【2019年6 月7日 ニューヨーク 発】
ユニセフ(国連児童基金)は本日、今年に入ってベネズエラに届けた保健・医療支援物資が55トンに上ると発表しました。最も影響を受けているカラカス首都区、ミランダ州、スリア州、ボリバル州、およびタチラ州の25カ所の病院に届けられた支援物資には、助産キット、抗生物質、マラリア治療薬が含まれます。
「国連による予備調査によると、ベネズエラの子どもの3分の1が、基本的な栄養、保健、教育分野のサービスを受けるために支援を必要としています」とベネズエラへの3日間の訪問を終えたユニセフ広報局長パロマ・エスクデロは述べました。「ユニセフは、30年近くにわたりベネズエラで活動してきました。国が壊滅的な政治・経済危機に見舞われる中、私たちは最も弱い立場に置かれた子どもたちに対して、彼らがどこにいようとも、必要としている支援を届け続けていきます。子どもたちのニーズは、いかなるときであっても政治より優先されるべきものです」
ユニセフは、ベネズエラの現状が、子どもたちが必要不可欠なサービスを受けにくくし、彼らの脆弱性を高めており、この数十年の努力による進展が後退していることを憂慮しています。公式・非公式のデータを基に国連が行った推計は以下のとおりです。
子どもの3人に1人にあたる、約320万人が人道支援を必要としている。
2014年から2017年の間に5歳未満児の死亡数が5割以上増加した。
今年に入って、ジフテリアが疑われる症例が190件、はしかが疑われる症例が558件報告されている。
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エスクデロは、カラカス首都区郊外の保健ケアセンターで、保健員や母親たちと会い、彼らが医療ケアを提供あるいは受けるために、日々直面している難題について聞きました。
「私が話をした人たちは、国の保健医療の状況が極めて厳しい状態にあることを語ってくれました」とエスクデロは言いました。「多くの医師や看護師が国を離れました、医療施設は、医薬品が不足しているために最低限しか機能していません。スペアパーツが不足しているために、移動保健チームと救急車が動けなくなっています。妊婦たちは、その多くが若く貧血症を抱えているにも関わらず必要なケアを受けることが困難です。燃料不足が深刻化しているため、保健施設に行くことすらできないことがあります。出産するために病院にいく妊婦は、出産に必要な物資を持参する必要があります。過去数十年の間に、目を見張るほどの保健ケアの質の向上を図った国にとって、現状は衝撃的なものです」
今回の保健物資の提供を含めると、ユニセフが過去1年間にベネズエラに届けた人道支援物資の総量は200トン近くになります。ユニセフは今年に入ってから、ベネズエラの両方の政治的立場にあるパートナー団体と協力して、以下の支援を行ってきました。
40万人以上に、安全な飲料水へのアクセスを、さらに保健施設、学校、学習センターや子どもにやさしいスペースにおいて、2万5,300人に対して、水と衛生分野のサービスを提供。
5歳未満児7万5,000人近くに対して微量栄養素パウダーを、また3,500人の急性栄養不良の子どもに外来治療を提供。
430万人の子どもと妊婦、および授乳中の女性に対して、虫下しの錠剤を提供。
全国予防接種キャンペーンのために、約900万回分のジフテリアのワクチン、17万6,000回分のはしか、おたふくかぜ、風疹のワクチン、26万回分の黄熱ワクチンを提供。
公立学校に通う15万人の子どもたちのために、教育キット260セット以上を提供。
約1万人の子どもと若者を対象に、社会心理的ケアを提供。
「私たちは、問題の僅か一部に対処しているに過ぎません」とエスクデロは言います。「何百万人もの子どもたちが、予防接種を受け、学校に通い、安全な水を飲み、守られていると感じる必要があります。ユニセフは支援の規模を拡大する計画を立てていますが、子どもたちが必要としている支援を届けるためには、より柔軟性の高い資金が必要です。
ユニセフは、コロンビアおよびブラジルとの国境近く数カ所に事務所を構え、ベネズエラで活動する最大規模の援助機関のひとつとして、支援を拡大しています。
ユニセフがより多くのワクチンを提供し、水と衛生施設を修復し、栄養不良の治療や医療物資を提供し、子どもたちの将来と幸福に必要不可欠な教育と保護を確実に得られるようにするための支援計画を実施するには、より多くの資金が必要です。
「私たちは必要とする子どもたちに質の高い支援を、適切な時期に確実に届ける決意がありますが、私が規模を拡大し、支援現場でのモニタリングを強化するためには、資金援助に頼るしかないのです」
* * *
■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。( www.unicef.org )
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。( www.unicef.or.jp )
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