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TOPPAN、伊藤若冲の幻の作品「釈迦十六羅漢図屏風」を復元

PR TIMES / 2024年7月4日 14時45分

12万の枡目からなる伊藤若冲の幻の大作「釈迦十六羅漢図屏風」が、最先端のデジタル技術と学術的知見の融合で現代によみがえる

TOPPANホールディングス株式会社のグループ会社であるTOPPAN株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:齊藤 昌典、以下 TOPPAN)は、焼失した可能性が高いと考えられる伊藤若冲「釈迦十六羅漢図屏風」をデジタル推定復元しました。白黒で残されたこの作品の図版画像を、高精細にスキャニング、子細な調査により色を推定し、特殊な印刷技法を用いることで、従来の複製絵画等では難しかった立体的な表現まで再現し制作しました。



 なお、本作品はTOPPAN小石川本社ビル地下1階に、開設する「デジタル文化財ミュージアム KOISHIKAWA XROSS(R)(コイシカワ クロス)」のEXHIBITION ROOMにて10月より週末限定で一般公開するほか、8月24日(土)、25日(日)の2日間限定先行公開も実施します。


[画像1: https://prtimes.jp/i/33034/1440/resize/d33034-1440-0889ed1378a035cb3c1c-4.jpg ]

 
 TOPPANでは、失われた文化財や美術品を対象として、デジタル技術を活用した復元に挑戦してきました。これまで、「大坂冬の陣図屏風」(東京国立博物館蔵)のデジタル想定復元や、クロード・モネ「睡蓮、柳の反映」(国立西洋美術館蔵)のデジタル推定復元などに取り組んでいます。今回、これらの復元で得たノウハウを元に、日本を代表する絵師であり、絶大な人気を誇る伊藤若冲による幻の作品「釈迦十六羅漢図屏風」をデジタル推定復元。その姿を伝える小さな白黒図版を読み解き、現代に色鮮やかに蘇らせました。

■ 伊藤若冲「釈迦十六羅漢図屏風」デジタル推定復元について
 伊藤若冲「釈迦十六羅漢図屏風」は、「枡目描き」(※1)という特徴的な画法が用いられた作品のひとつです。現在、行方不明とされる作品ですが、焼失した可能性が高く、当時の白黒の図版(288mm×88mm)のみがその姿を今日に伝えています。
 今回、この白黒写真をもとに、日本美術史家の山下裕二氏(明治学院大学教授)と、荒井経氏(東京藝術大学教授)の監修のもと、デジタル推定復元を行いました。


[画像2: https://prtimes.jp/i/33034/1440/resize/d33034-1440-69936825fcae955daa99-0.jpg ]


[画像3: https://prtimes.jp/i/33034/1440/resize/d33034-1440-c490dfe016db2c324bf8-0.jpg ]

1.調査
 残された白黒写真の図版を高精細にスキャニングして確認したところ、いくつかの点で、伊藤若冲「樹花鳥獣図屏風」(静岡県立美術館蔵)との類似が指摘できました。静岡県立美術館の協力を得て、同屏風の調査を東京藝術大学と実施し、使用された絵具などを調査。枡の描き方など復元の参考としました。その他、類例作品や白黒写真の撮影技法など、様々な観点から白黒写真が伝える情報にアプローチしました。


[画像4: https://prtimes.jp/i/33034/1440/resize/d33034-1440-ad2acbb266561c1debc3-0.jpg ]

2.デジタルによる彩色
 調査を踏まえて推定された色を表現すべく、12万以上もの膨大な数の枡からなる画面を、デジタル上で彩色。絵具ごとの質感の差などを考慮することで、デジタルでの彩色でありながら、肉筆画のような質感を表現しています。





[画像5: https://prtimes.jp/i/33034/1440/resize/d33034-1440-4b4a4b1ca67df385129e-0.jpg ]

3.印刷による立体表現
「枡目描き」作品の特徴でもある立体的な方形を、特殊な印刷技術によって表現。絵具らしい見えかたとなるよう、細かい調整を繰り返しました。





■ 監修者のコメント
「まさにデジタルとアナログの融合の成果」 山下 裕二氏(明治学院大学 教授) 
 この話を最初に聞いた際には、1枚の白黒写真から復元ができる、という話には半信半疑でしたが、さまざまな調査と試行錯誤をおこなった結果、私もその出来栄えに驚くほどの復元が完成しました。ひとえにTOPPANのデジタル技術と東京藝大の皆様のアナログな技術との協力による成果だと思っております。

「手わざの極限をデジタル技術で再現」 荒井 経氏(東京藝術大学 教授)
 12万枡という手わざの極限がデジタル技術で再現された。しかし、これは魔法ではない。それぞれの分野で研鑽してきたTOPPANの技術者たちと東京藝術大学の画家たちによる努力と協働の成果なのである。ここに結実した
「釈迦十六羅漢図屏風」の存在感を多くの方々に見て、感じていただきたい。

■ 「デジタル文化財ミュージアム KOISHIKAWA XROSS(R) 」について
 「デジタル文化財ミュージアム KOISHIKAWA XROSS(R)」は、「文化財を通じて、過去と未来、人と文化が交差する、感性で楽しむデジタル文化財のミュージアム」をコンセプトに開設した、デジタル技術を活用した新しい文化財の鑑賞体験を提案する施設です。
[表1: https://prtimes.jp/data/corp/33034/table/1440_1_80771e2075dbcc932fe51a0c5b017b0e.jpg ]


 ●ビジネス向け公開

[表2: https://prtimes.jp/data/corp/33034/table/1440_2_86c1d395debdfb777327c4be0b6656d5.jpg ]


 ●一般公開(「印刷博物館」による運営)

[表3: https://prtimes.jp/data/corp/33034/table/1440_3_d6dd937463d32c1a268c74658c9d453d.jpg ]


■ 一般向け限定先行公開について
 10月からの一般公開に先駆け、限定先行公開を行います。
[表4: https://prtimes.jp/data/corp/33034/table/1440_4_591512abfae66ba4878553a30fc97b5d.jpg ]








※1 「枡目描き」技法
「樹花鳥獣図屏風」(静岡県立美術館蔵)、「鳥獣花木図屏風」(出光美術館蔵)、「白象群獣図」(個人蔵)において伊藤若冲が用いた技法で、画面を方眼線で約1cm四方の枡に分割し、それぞれの枡に方形の彩色を施していくことで、他にない特徴的な効果を得る。
* 本ニュースリリースに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
* 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。
以  上

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