新型コロナウイルス:子どもたちを分断する教育危機~遠隔教育の環境に格差【報道参考資料】
PR TIMES / 2020年6月16日 14時0分
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【2020年6月5日 ニューヨーク 発】
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックの中で、学齢期の子ども約12億人(注1)が休校の影響を受けており、遠隔教育の格差に直面しています。ユニセフ(国連児童基金)は、学習ツールや技術への公平なアクセスがないことで、世界の教育危機が深刻化するおそれがあると警鐘を鳴らしています。
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「休校の間も学習を続けるために必要な技術や教材へのアクセスは、絶望的なほど不平等な状況です。 また、家庭での学習支援が十分に得られない子どもは、教育への支援がほとんどないのと同じです。すべての学校とすべての子どもに、さまざまな学習ツールを提供し、インターネットへのアクセスを加速することが重要です」と、ユニセフ本部教育グローバルチーフのロバート・ジェンキンスは述べました。「教育危機は、COVID-19が流行する前から存在していました。今、その危機はさらに子どもたちを分断し深刻化しています」
【遠隔教育へのアクセスに関する最新データ】
インターネット
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世界71カ国において、インターネットにアクセスできるのは人口の半数未満に留まっています。この格差がある一方で、今回報告されている127カ国の73パーセントの政府が、休校中にオンラインのプラットフォームを通じて教育を提供しています(注2)。ラテンアメリカとカリブ海地域では、90パーセントの政府が学習継続の手段としてオンラインプラットフォームが含まれていると回答しています(注3)。
アフリカの大部分の国では、インターネットにアクセスできるのは人口の4分の1未満です(注4)。
14カ国におけるユニセフのデータによると、自宅でインターネットにアクセスできる学齢期の子どもは、アクセスできない子どもよりも基礎的な読解力が高いことが明らかになりました。
テレビ
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テレビの所有率に差はあるものの、テレビは政府が遠隔教育を提供するために使用する主要なチャネルであり、127の報告国のうち4分の3の国が子どもへの教育手段としてテレビを使用しています(注5)。遠隔教育を提供する手段として、欧州と中央アジアでは90パーセント以上が、南アジアでは100パーセントがテレビを使用しています(注6)。ラテンアメリカとカリブ海地域では、77パーセントが全国的なテレビチャンネルを通じて教育プログラムを提供しています(注7)。
データがある88カ国のうち40カ国で、都市部世帯の子どもがテレビを持っている比率は、農村部世帯の子どもに比べ2倍以上です。格差が最も大きいのはサハラ以南のアフリカです(注8)。 チャドの農村部では、テレビを持っているのは100世帯に1世帯に限られますが、都市部では3世帯に1世帯です。ギニアの農村部とモーリタニアの農村部では、それぞれ8パーセントと7パーセントの世帯しかテレビを所有していないのに対し、両国の都市部では76パーセントの世帯がテレビを所有しています(注9)。
ラジオ
ラジオは、休校の間に教育を提供するために政府が3番目に多く使用する手段であり、127カ国のうち60パーセントが使用しています(注10)。地域毎および地域内の所有率は大きく異なります。ラテンアメリカとカリブ海地域では4世帯のうち3世帯が所有していますが、南アジアでは5世帯のうち1世帯しかラジオを所有していません(注11)。
SMS /携帯電話/ソーシャルメディア
半数以上の国がSMS、携帯電話、ソーシャルメディアを代替システムとして使用しており、欧州と中央アジアの報告国の74パーセントがこれらの方法を使用しています(注12)。127カ国の報告国の約半数が、印刷された家庭学習用の教材を使用しています。そしてわずか11パーセントが家庭訪問を実施しています(注13)。
電気
最富裕層世帯と最貧困層世帯の間には、大きな格差があります。休校の間に教育を提供するために使われるほとんどすべての技術は、電力を必要とします。データがある28カ国において電力を使えるのは、五分位階級による最も裕福な世帯グループの98パーセントと比べ、最も貧しい世帯グループでは65パーセントに留まります。
コートジボワール、レソト、キリバス、スーダン、ガンビア、ギニアビサウ、モーリタニアを含む7カ国で、電力を使える最貧困世帯は10パーセント未満に留まります(注14)。
* * *
注記:
(注1) https://en.unesco.org/covid19/educationresponse
(注2) https://www.unicef-irc.org/publications/pdf/IRB%202020-10.pdf P5
(注3) Access to MoE Online learning platforms
(注4) https://www.unicef-irc.org/publications/pdf/IRB%202020-10.pdf P2
(注5) https://www.unicef-irc.org/publications/pdf/IRB%202020-10.pdf P5
(注6) UNICEF Global Tracker on the Education Response, May 2020
(注7) LACRO Education COVID-19 Response_Update #9
(注8) https://www.unicef-irc.org/publications/pdf/IRB%202020-10.pdf P3
(注9) https://www.unicef-irc.org/publications/pdf/IRB%202020-10.pdf P3
(注10) UNICEF Global Tracker on the Education Response, May 2020
(注11) https://www.unicef-irc.org/publications/pdf/IRB%202020-10.pdf P4
(注12) UNICEF Global Tracker on the Education Response, May 2020
(注13) UNICEF Global Tracker on the Education Response, May 2020
(注14) https://www.unicef-irc.org/publications/pdf/IRB%202020-10.pdf P4
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■ 新型コロナウイルスに関するユニセフの情報はこちらからご覧いただけます。
特設サイト: https://www.unicef.or.jp/kinkyu/coronavirus/
各種ガイドライン: https://www.unicef.or.jp/kinkyu/coronavirus/info/
■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。( www.unicef.org )
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。( www.unicef.or.jp )
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