TOPPANホールディングス、高性能で小型化・低消費電力化を実現した3D ToFセンサを開発
PR TIMES / 2024年11月20日 13時15分
配膳ロボットやロボット掃除機、スマートグラスなどで幅広い活用が可能に
TOPPANホールディングス株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長CEO:麿 秀晴、以下 TOPPANホールディングス)は、2023年にロボティクス向けとして、「ハイブリッドToF(R)(Time of Flight)」(※1)による4つの性能(長距離測定、屋外測定、高速撮像、複数台同時駆動)を実現した第一世代の3D ToFセンサ(※2)を開発しています。
このたび、これまで第一世代の製品で実現していた高い距離精度や高速撮像をさらに向上し、小型化と電力消費量を低減した新型の3D ToFセンサを開発しました。本製品によりロボティクスや空間認識における3Dセンシングのさらなる高精度化に貢献し、幅広い活用が可能となります。本製品は2025年5月からサンプル出荷開始、2025年10月に量産開始を予定しています。
また本製品は、2024年12月4日(水)~6日(金)に開催される「国際画像機器展 2024」のTOPPANグループブース(会場:パシフィコ横浜、ブース番号:47)で展示予定です。「国際画像機器展 2024」は、『国内最大・最先端のマシンビジョンが集う展示会』をテーマに、国内外よりマシンビジョン・ロボットビジョン業界を中心に画像処理の最先端技術が集う展示会です。TOPPANグループはロボティクス関連の製品・サービスの企画展示ブースである「ロボティクステクノロジーゾーン」での展示を行います。
[画像1: https://prtimes.jp/i/33034/1548/resize/d33034-1548-796f6ee2b9578d66a154-0.png ]
■背景と概要
昨今のスモールモビリティ(自動車よりコンパクトで小回りが利き、環境性能に優れ、地域の手軽な移動の足となる1人~2人乗り程度の車両)やロボティクスでは障害物や段差の検知、ゲーミングではユーザーと対象物までの距離を計測し自己位置の把握と周囲環境の地図生成で、3D ToFセンサが広く使用されています。これらの用途では小型かつ高性能なバッテリー駆動製品が多く、搭載される3D センサには「高い距離精度」だけではなく、「低消費電力」、「低遅延」、「小型化」への要求が高まっています。
TOPPANホールディングスは2023年にロボティクス向けとして、「ハイブリッドToF(R)」による4つの性能(長距離測定、屋外測定、高速撮像、複数台同時駆動)を実現した第一世代のセンサを開発しました。
(凸版印刷とブルックマンテクノロジ、世界初 最長30mの距離を測定できる次世代ToFセンサを開発:https://www.holdings.toppan.com/ja/news/2022/06/newsrelease220616_2.html)
今回、新たに小型ロボットやスマートグラスへの搭載を可能にした3D ToFセンサを開発。本製品では第一世代の4つの性能に加え、「HDR機能」(※3)、「画素ビニング機能」(※4)を内蔵することにより、より高い精度で距離の測定とデータ転送の最適化を実現しています。また、センサの電力消費量を削減する「ディープパワーダウンモード」の実装、回路設計の最適化によるセンサチップの小型化を行いました。これらによって、小型な配膳ロボットやロボット掃除機、バッテリー駆動のスマートグラスなどに搭載するカメラの3D ToFセンサとして最適な製品となっています。
[画像2: https://prtimes.jp/i/33034/1548/resize/d33034-1548-820e0c7bab4e85aa16fa-1.jpg ]
■ 特長
・これまで以上に優れた距離精度での距離測定を実現
TOPPANグループ独自の技術である「ハイブリッドToF(R)」を活用し、最大120fpsの高速動作、外光ノイズをリアルタイムに除去するセンサ駆動、低モーションアーティファクト(※5)を実現しています。新たに「HDR機能」、「画素ビニング機能」をセンサに内蔵しました。HDR機能では、ToF方式が苦手としている低反射率と高反射率の対象物を同時に捉えることが可能になりました。また、4 x 4画素ビニング機能では16画素を1画素として扱うことで、第一世代の4倍のSN比(※6)を実現します。これらの機能により距離ノイズを低減し、これまで以上に正確なセンシングが可能となります。
さらに、センシングしたい画像領域を切り出す機能により、データ処理量の削減とデータ転送の高速化を実現しました。この機能により、ユーザーのシステム処理負荷を軽減することができます。
・センサの低消費電力化を実現
センサの待機電力を削減するディープパワーダウンモードの搭載により、待機電力5mW以下を実現しました。家庭用ロボット掃除機、VR/AR機器、ドローン等小型バッテリー駆動製品の省エネ/長時間作動に貢献する3D ToFセンサとして、様々な製品への組み込みが期待されます。
・センサの小型化を実現
センサ設計の最適化で従来製品から入出力ピン数を削減することにより、当社従来品と比較して約20%のセンササイズ小型化を実現しました。これによって、周辺機器のハードウェア設計の柔軟性を向上させ、コストの大幅な削減が可能となります。
本センサはこれらの特長により、近年急成長しているスモールモビリティ、ロボティクス、ゲーミングといったアプリケーションの中でもシニアカー、ロボット掃除機、スマートグラスなどで正確に対象物を捉え安全に駆動するために最適な製品となっています。
■「国際画像機器展 2024」 開催概要
会期:2024年12月4日(水)~6日(金)
会場:パシフィコ横浜 展示ホールD
主催:アドコムメディア株式会社
ブース番号 :47
公式サイトURL: https://www.adcom-media.co.jp/ite/
■今後の展開
TOPPANホールディングスは2025年5月に本製品のサンプル出荷の開始、2025年10月に量産開始を予定しています。新型ToFセンサとそれを搭載したカメラ、ならびにその周辺受注を含めて、2025年度中に約15億円の売上を目指します。
※1 「ハイブリッドToF(R)」: ショートパルス型ToF方式とマルチタイムウインドウ技術によるセンサ制御を融合した技術および、その技術を搭載した3D ToF センサ・カメラのこと。強力な外光耐性と被写体ブレに強いという特長を持ち、屋外環境で太陽光の影響を受けずに使用でき、動きの速い物体を逃さず捉えることができるというメリットがあります。
https://www.holdings.toppan.com/ja/news/2022/06/newsrelease220616_2.html
※2 3D ToFセンサ: 赤外線を使ってカメラから物体までの3次元距離を測定する距離画像センサです。
※3 「HDR機能」: ハイダイナミックレンジの略称で、露光時間が異なる複数の距離データを1枚の距離画像として撮像する技術です。
※4 「画素ビニング機能」: 複数の画素を組み合わせて見かけ上大きな1つの画素として扱う機能。
※5 「モーションアーチファクト」: 移動する被写体を撮像したときに、信号処理や画像処理の過程で意図せず発生するデータの誤り。
※6 SN比: 信号(Signal)とノイズ(Noise)の比。この値が大きいほど、高性能であるという事を示します。
* 本ニュースリリースに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
* 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。
以 上
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