沖縄県うるま市・勝連漁協・TOPPANデジタル、国内初・モズクの「Jブルークレジット(R)」認証を取得
PR TIMES / 2025年1月15日 16時45分
地域・官民の連携によりモズクのブルーカーボン・クレジットを創出沖縄県産モズクの生産維持・拡大を通じて脱炭素社会の実現に貢献
沖縄県うるま市(市長:中村 正人、以下 うるま市)、勝連漁業協同組合(所在地:沖縄県うるま市、代表理事組合長:玉城 謙栄、以下 勝連漁協)、TOPPANホールディングスのグループ会社であるTOPPANデジタル株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:坂井 和則、以下 TOPPANデジタル)は、2021年9月から3者共同で取り組む「全国一の産地沖縄県うるま市で挑む、モズクの天然採苗と海草保全による未来の漁業プロジェクト」(以下、本プロジェクト)において創出したモズクのブルーカーボン・クレジットの認証を取得しました。今回、「Jブルークレジット(R)」(※1)(以下、クレジット)に申請し、ジャパンブルーエコノミー技術研究組合(以下、JBE)(※2)により、21.7tCO2が認証されました。なお、モズクのJブルークレジット認証は国内初の事例となります。
今回の認証は、3者共同での本プロジェクトにおける環境に配慮した養殖の実施や漁業DXソリューションの導入による生産安定化などの取り組みにより育まれた、モズクの藻場におけるCO2吸収量が認められたものです。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/33034/1576/33034-1576-a3fc84889477b74f9c3b26f31b95d57d-3103x2124.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
■ 背景
沖縄県におけるモズク生産量は全国の9割以上を占めており、中でもうるま市勝連地域は沖縄県内で約4割の水揚げを誇っています。近年、モズクの生産は、少子高齢化による人手不足・後継者不足や、気候変動により生産量が安定しないことが課題となっています。さらに、2021年には小笠原諸島の海底火山の噴火による軽石がモズク養殖場に大量漂着し、モズク養殖へ大きな打撃を与え、地域全体を通した藻場保全が急務となっていました。
これらの課題を解決するために、沖縄県うるま市・勝連漁協・TOPPANデジタルは、2021年9月より3者で共同プロジェクトを立ち上げ、各者が持つ技術や知見を連携して、官民で地域のモズク生産の維持・拡大に取り組んできました。その活動の一環として、この度、本プロジェクトで3者が維持・拡大に努めたモズク養殖場のCO2吸収分をブルーカーボン・クレジットとして創出。本プロジェクトを広く社会に周知するとともに、クレジットの収入を活動の拡大、加速に活用していきます。
■ Jブルークレジット認証取得における各者の取り組み
・沖縄県うるま市
うるま市では環境基本計画における地球温暖化対策の施策の一つとして、地域活動を通じた地球環境保全取組みの推進を掲げており、その一環として本プロジェクトに参画しています。全国一のモズク生産地である沖縄県のモズクの生産維持・拡大のために、モズクの藻場における環境保全活動や、地域の小中学校の給食にモズクを取り入れ、食育活動を実施しています。さらに、モズクを用いたレシピを料理レシピ検索・投稿サービスにて公開し、モズクの魅力を発信しています。
・勝連漁協
2021年に勝連漁協の周辺海域に大量に漂着した軽石によって、漁船が故障するケースが相次いで発生しましたが、漁業者一体となって除去作業を行い、軽石の被害を最小限にとどめモズク生産を維持しました。さらに、人工養殖と比較してCO2排出量が低減可能な天然の胞子によるモズク生産や、漁船の燃費向上を目的とした船底の防汚加工の実施など環境に配慮した養殖の推進を行っています。
・TOPPANデジタル
TOPPANデジタルは勝連漁協と協力して、漁業DXソリューション「InnoReef(R)」(※3)を通じたモズクの生産工程における作業の効率化・生産量の安定化に寄与しています。今回、重量管理アプリでの記録データからクレジット算出における申請収穫量を算出し、申請作業の負荷軽減に寄与しました。また、うるま市を拠点とする次世代DX開発拠点「ICT KŌBŌ(R) URUMA」や、その他拠点との連携によるICTのノウハウ・知見を活かして藻場面積の計測やブルーカーボン量の算定などクレジットの認証取得を支援しました。今後も、「ICT KŌBŌ(R)」の各拠点でデジタルの知見を活用したDX・SX分野における新事業創出を推進し、地域のステークホルダーとともに地域課題の解決と発展に貢献していきます。また、本プロジェクトを含め、脱炭素社会の実現に向けた活動を通じてサステナブルな社会の実現を目指します。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/33034/1576/33034-1576-6480e037bffc4671e00aab4682ebbd21-448x339.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
モズクの水揚げ工程でTOPPANデジタルが提供する重量管理アプリを活用している様子
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/33034/1576/33034-1576-fde80de6e6e3eb295cc8855a77e696fa-406x515.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
「ICT KŌBŌ(R)」にて開発したツールにより算出した藻場面積の推定結果
■ クレジットの概要
・プロジェクトの名称:全国一の産地 沖縄県うるま市で挑む、モズクの天然採苗と海草保全による未来の漁業
・実施場所:沖縄県うるま市勝連地域
・プロジェクト申請者:TOPPANデジタル、勝連漁業協同組合、うるま市
・認証クレジット量:21.7tCO2
・認証番号:JBC00000136
■ 今後の目標
今回のクレジット発行により得られた収入は、CO2吸収源となるモズク養殖の維持拡大と藻場保全に加え、漁業者の担い手不足解決を目指した支援策に活用します。さらに、環境学習を開催し、地域の子どもたちに藻場保全や気候変動対策の重要性を伝える活動も引き続き推進します。今後も、3者が連携した活動を通じて、モズク生産量の維持・拡大や、漁業振興・藻場保全を支援し、地域の炭素循環や気候変動対策に貢献していきます。
■ ブルーカーボン・クレジットについて
ブルーカーボンは海藻・海草、マングローブ林が光合成でCO2として吸収した炭素のうち、分解されずに海中に長期間貯留される炭素のことを指します。森林などが吸収する炭素(=グリーンカーボン)と同様に、気候変動対策の一つとして注目されています。これらが吸収したCO2をクレジット化し、CO2の排出分と取引できるようにしたものがブルーカーボン・クレジットです。
※1 Jブルークレジット(R)
ジャパンブルーエコノミー技術研究組合 (JBE) が、独立した第三者委員会による審査・意見を経て、認証・発行・管理する独自のクレジットであり、一般的な国際標準とされる100年間以上の長期にわたって沿岸域・海洋に貯留されるべきCO2の数量を客観的方法論に基づき科学的合理的に算定し、これを認証・発行している。また、2024年10月にこれまでに発行されたJブルークレジットがGX-ETSの第1フェーズにおける「適格カーボン・クレジット」として承認されたことにより、従来のJクレジットやJCMクレジットに加え、ブルーカーボン由来のクレジットも活用可能となり、Jブルークレジットの活用範囲が拡大した。
※2 ジャパンブルーエコノミー技術研究組合(JBE)
沿岸域における気候変動対策を促進し、海洋植物によるブルーカーボンの定量的評価、技術開発および資金メカニズムの導入などの試験研究を行うため、2020年7月に設立された国土交通大臣認可の技術研究組合
※3 TOPPANデジタル、漁業DXソリューションの実証実験を開始
https://www.holdings.toppan.com/ja/news/2024/02/newsrelease240226_1.html
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