忌野清志郎、加藤和彦、小田和正、財津和夫、森山良子…… 伝説のプロデューサー新田和長氏が「新しい音楽」の立役者を愛情豊かに綴る『アーティスト伝説 レコーディングスタジオで出会った天才たち』発売決定!
PR TIMES / 2024年8月30日 13時15分
スターが歌う歌に価値があるのではない。良い歌を歌う人に価値がついていくのだ――。作品主義を貫き、ニューミュージックの時代をつくったレジェンドが数々のドラマを丁寧に描き出す初の著作です。
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新田和長氏は日本のフォーク、ロックをビジネスとしても成功させた、A&Rのレジェンドです。
東芝EMIのレコードプロデューサーとして、またファンハウスやドリーミュージックを創業したのちも、数多のヒット曲を世に送り出しました。自身も大学在学中にレコードデビューしたミュージシャンでありながらデビューから間もなくディレクターに転身し、以降は新しい音楽を奏でる才能たちに寄り添う裏方に徹してきた新田氏にとって、本作は初の著作となります。活字の向こうに狂気にも似た創作現場の興奮が立ち上り、天才たちの表情や声をも感じる奇跡のクロニクル『アーティスト伝説 レコーディングスタジオで出会った天才たち』を9月17日、新潮社より刊行いたします。
フォーク音楽グループ「ザ・リガニーズ」のリーダーだった新田和長氏は、ビートルズの初代ディレクター高嶋弘之氏に憧れ、レコードデビューからほどなくして東芝音楽工業(その後の東芝EMI)に入社しました。新しい時代の音楽はどうあるべきか。古い体質の人たちと向き合い、自問自答するうちに、新田氏の中には確たる信念が生まれます。音楽界は、人生のある期間だけ働き、稼いで去っていく場所ではない。富士山の裾野のように長いスロープをゆっくり登り、シンメトリーに人生をかけて下っていく。いい時も、悪い時も、ライフワークとして取り組むのが音楽なのだ。自分は常にアーティスト側に立つ、音楽主義のプロデューサーでありたい――。新レーベル「エキスプレス」を託された新田氏は、やがて日本のフォーク、ロックをビジネスとしても成功させ、「新しい音楽」の扉を次々と開けていくことになります。プロデューサーはアーティストたちの何を見て、どのような会話を交わしながら、名曲を送り出してきたのか。本作は、初めて世に出る事実を数多く含む貴重な記録でありながら、音楽というジャンルを飛び越え、表現の現場における「ものづくり」の醍醐味を描き切ったドキュメントです。ページを繰る手が止められなくなる小説のような読み心地を楽しんでいただけたら幸いです。
■目次
プロローグ ザ・リガニーズ「海は恋してる」
1.忌野清志郎の誕生「宝くじは買わない」
2.ザ・ビートルズと高嶋弘之
3.石川鷹彦と「フォーク・ビレッジ」
4.市川染五郎の「見果てぬ夢」
5.赤い鳥「竹田の子守唄」「翼をください」
6.ザ・フォーク・クルセダーズ「帰って来たヨッパライ」
7.北山修と杉田二郎「戦争を知らない子供たち」
加藤和彦と北山修「あの素晴しい愛をもう一度」
8.財津和夫「魔法の黄色い靴」
9.チューリップ「心の旅」「青春の影」
10.加藤和彦とサディスティック・ミカ・バンド「サイクリング・ブギ」
11.ジョージ・マーティンに弟子入り
12.クリス・トーマスと黒船「タイムマシンにおねがい」
13.かまやつひろし「我が良き友よ」「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」
14.長渕剛デビュー「巡恋歌」「順子」
15.アナログレコードの金字塔 寺尾聰「ルビーの指環」
16.加山雄三「海 その愛」「加山雄三通り」
17.森山良子と「さとうきび畑」
18.平原綾香「Jupiter」の誕生
19.小田和正とオフコース「いつもいつも」「ラブ・ストーリーは突然に」
20.小澤征爾「ピーターと狼」「動物の謝肉祭」「青少年のための管弦楽入門」
21.坂本九「心の瞳」
エピローグ ジョージ・マーティンを見送って
■著者コメント
東京・溜池にあった東芝音楽工業本社ビルは鉄筋モルタル4階建で、外堀通りに向かってお辞儀するように傾いていました。1967年、初めてこのビルを訪ねた僕は、あれだけ多くのヒットで知られる東芝がこんな建物におさまっていることに驚いたものです。「この謙虚な姿勢がヒットを生むのだ」。誰かがあとでそう教えてくれましたが、どう考えても、傾いているからヒットが出るとは思えなかった。実際、ビル内で丸い鉛筆を床におくと、通りに向かってコロコロと転がったものです。
当時、「アーティスト」という言葉は外国人に対して使われ、日本人は「歌手」とか「タレント」としか呼ばれませんでした。僕は学生バンドだった頃、自分たちの音楽が思うようにつくれない不満をたくさんもっていたので、自分が音楽制作の現場に立つようになったら、アーティストがつくりたい音楽を一緒につくっていこうと思いました。日本のレコード会社がタレントや歌手より上位に立つという時代にあって、アメリカやイギリスのレコード制作現場のように、アーティストが主導権をもつようにしたいと思ったのです。
1969年、バンドマンからレコード・ディレクターに転身してから、僕は多くの先輩、後輩、仲間に助けられ、経験を重ねて、ヒットに恵まれました。あれから55年、外堀通りに向かってお辞儀するように傾いていた東芝音楽工業本社ビルは解体され、新しいビルにおさまった東芝EMIという会社そのものも既になく、僕の設立したファンハウスもありません。時の流れに思いをはせながら、今度は、僕が学んだものづくりの現場を、若い人たちに伝えたくて、この本を書きました。
音楽のプロデューサーは、ミュージシャンが演奏しシンガーが歌ってくれて、はじめて成り立つ職業です。アレンジャーやエンジニアがいなければ何もできませんし、写真家やデザイナーの助けも必要。ひとりでは足らないことを自覚した人たちが、同じことを面白いと思う人たちを求めているうちに、自然に「場」ができてくる。音楽制作はチーム力がものをいう団体戦で、その「場」と時代が重なった時に、ヒットが生まれます。そうしたものづくりの現場の面白さとともに、僕が感じたアーティストの魅力や凄みが伝われば、それに勝るよろこびはありません。
■書籍内容
忌野清志郎、加藤和彦、小田和正、森山良子etc. 数々の才能と真正面から向き合い、数多の名曲を世に送り出してきた伝説のプロデューサーが愛情豊かに綴る「ニューミュージック」真実のライナーノーツ。
スターが歌う歌に価値があるのではない。良い歌を歌う人に価値がついていくのだ――。作品主義を貫き、「新しい音楽」を追い求めたレジェンドが心を込めて書き留めたドラマの数々。音楽制作はチーム力、団体戦だ! 活字の向こうに狂気にも似た創作現場の興奮が立ち上り、天才たちの表情や声をも感じる奇跡のクロニクル。
■著者紹介
新田和長(にった・かずなが)
音楽プロデューサー。
1945年横浜生まれ。早稲田大学フォークソングクラブ所属「ザ・リガニーズ」のリーダー。ビートルズの初代ディレクター高嶋弘之に憧れ、レコードデビューからほどなく東芝音楽工業(その後の東芝EMI)に入社。新レーベル「エキスプレス」を託され、日本のフォーク、ロックをビジネスとしても成功させたA&Rのレジェンド。レコードプロデューサーとして多くの才能と出会い、多くのヒット曲を世に送り出した。東芝EMI第二制作部長時代の1984年、30名の部員とともにファンハウスを創業。2001年ドリーミュージックを創業。本作が初めての著作となる。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/47877/1632/47877-1632-878fd919de231c4cd4874222c24a8437-1440x1920.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
■書籍データ
【タイトル】アーティスト伝説 レコーディングスタジオで出会った天才たち
【著者名】新田和長
【発売日】2024年9月17日
【造本】四六判
【定価】2,420円(税込)
【ISBN】978-4-10-355811-8
【URL】https://www.shinchosha.co.jp/book/355811/
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